明星とレコーディング

2005/09/17, 00:00 | 固定リンク

先月、明星とライヴをやった。奴の音楽は久しぶりに「俺も参加させろー」と思わせてくれるタイプのものだった。2,3日前、奴から電話がかかってきた。自宅でアナーキーなレコーディングをやっている模様。そりゃ行きますとも。
自分で車に楽器を積んで、奴の自宅まで行き、エンジニア氏と明星と3人で、えっちらおっちら運んだ。何だか、バンドを始めた頃を思い出したよ。当時はスタジオなんてなかったし、誰かの家にこうやって楽器を運んだもんだよ。はは。
奴の音楽の作り方はとてもピースフルだった。譜面はないし、ミュージシャンに何も強制しないし、出てきたアイデアを尊重する。俺の場合、ファーストテイクが一番いいんだけれど、それはしっかり録音されてるし。何よりもあの若さで自分のレコーディングのバジェットを管理してるっつー、その態度がエラい。それは音楽家にとってはとても大切な事なんだけど、出来る奴があまりに少ない。ミュージシャンが直に俺に電話してきて、直にギャランティーの話をするのを久しぶりに聴いたよ。その態度ってのは音楽に反映されるものなんだ。云っとくけど、これはメジャーのレーベルのレコーディングだよ。マネージャー任せ、あるいはレコード会社主体に作られた音楽と、そうではない独立心に富んだ音楽ってのは何かが違う。それは音楽を聴けば分かる。久しぶりに若者に未来を見た気がしたよ。ありがとう。明星。楽しいレコーディングだった。いい音楽だ。俺が必要ならいつでも行くぜ。

by 山口 洋