一人ハーフマラソンとiphone事件

2009/10/14, 23:02 | 固定リンク

10月14日 水曜日 晴れ 

 来月、オレは本当にハーフマラソンを走れるのか。実験してみることにした。1キロ6分のゆったりとしたペースを守って、21キロを走る。ゆっくり走ると、疲れる部位がまったく違う。膝や関節ではなく、筋肉そのものが疲れるのだ。ふーん。つくづくニンゲンの身体って面白い。途中、給水とストレッチをしたから、ロスもあるけれど、2時間20分くらいでは走ったと思う。何とかリタイヤはせずに完走できそうだな。でもマラソンって30キロが肉体的な中間地点らしいのだ。まだまだ先は長い。そんな時に走る師匠のS君から、来年3月のフルマラソンの誘いが。やりますとも。あと5ヶ月ある。

 ツアー中に携帯電話がどうにもならなくなった。突然、電源が落ちるとか、通話できない、とか。苦情殺到。多分、オレがまったく愛を注いでいないので、携帯もスネたんだろうけど。これを機会に手放すかっちゅー誘惑にも駆られた。なければないで、生きていける気もするし。そんなもの、もともとなかったんだし。でも、家の電話がまったく鳴らない状態になった以上、フリーのミュージシャンとして、それも大人気ないと思い直して、携帯屋に行くことにした。オレは携帯屋が病院と百貨店の化粧品売り場と同じくらい苦手だ。いろんな説明を受けていると、何もかもどうでも良くなってきて、一秒でも早く用事を済ませて、そこから逃げ出したくなる。でも、オレも大人だ。仕方ない。意を決して入店。45分待ちの看板。仕方ない、アゲイン。でも、店の中で45分待つのは耐えられない。受付票を手にして、30分で蕎麦を喰って帰ってきたら、オレの順番は過ぎていた。アーメン。また受付票を取り直して、更に30分。ようやくオレの番になった。でも、受付嬢とオレの相性は最悪だった。彼女とて、マスカラが乱れている。今日も接客で大変だったんだと思う。それは理解する。でも、そのマニュアル通りのもの云いがどうしても我慢ならないんだよ、オレは。ま、とにかく。オレは新しい電話を手にしてようやく店を出た。相当気分が悪かった。で、家に帰って愕然とした。この電話は前の電話のデータを抜き出して、それを店がweb上にアップして、自分でダウンロードしなきゃいけないらしい。オレもカリカリしてたから気づかなかったけど、そんなの普通、説明するだろ。プロなんだから。つまりオレの電話は何ひとつデータが入っていないまっさらな携帯電話なのである。何百件のデータが入ってるのか知らないけど、そんなもん、いちいち入力できるか。あー、もう。これは人間関係を整理しろって、天の声なのか、それともオレがもう少し現代のやり方に慣れて、大人になれってことなのか。何にせよ、明日、もう一度だけ携帯屋に行って、そっちの説明不足なんだから、データーくらい抜いてくれ、と大人な口調で話してみようとは思う。好きになれないものにチャンネルを合わせてカリカリするのは止めよう。時間の無駄だ。ただ、このような時間の浪費はひどく建設的ではない気がする。

by 山口 洋