マドロスな野郎ども、長崎県長崎市にて。

2008/12/11, 03:07 | 固定リンク

12月11日 木曜日 晴れ 

 友人マサルの死は、かつて体験したことのない「死生観」を俺にもたらしてくれつつある。親のそれとも、大好きだった犬のそれとも、まるで違う。例えようがないくらい悲しいのだけれど、それでも一抹の妙な晴れやかさを伴っていて、結論なんかにはたどり着くはずもないのだけれど、このヘンな感覚は岡田マサルのそのものである気もする。彼の「死」によって、いかに「生きる」かというシチ面倒くさい命題がくっきりと目の前に見えてきつつある。マサル。俺は通夜にも告別式にも行けないけれど、旅の中でそれを考え続けてる。

 リクオと九州にやってきた。無意味に熱いマドロス野郎、工藤ヒロシ(写真参照)の店「R-10」。出島ワープの中にそれはある。充分なホスピタリティーと無意味なまでに熱い奴らの店だから、この街に来たなら、是非行かれたし。リクオと俺の新しい曲に、それぞれ「life goes on」と云う同じ文言が使われていて、おかしかった。曲調がどんなに違っていたとしても、同じエッセンスを旅の中で感じたのだろう。奴はライヴ中に飲んで指がもつれることがあるので、今日から一杯につき罰金制をもうけた。焼酎5000円、ワイン3000円。ステージには確かにミネラルウォーターしか置かれていなかった。会場も充分に熱くなって、俺は自分の水を飲み干してしまった。リクオのピアノの脇に、ミネラルウォーターが二本あったから、それを飲んだなら、なんと中身は焼酎だった。おい、そこまでして飲みたいのか。罰則に、隠れ飲酒と云う項目はなかった。まったくもう。

 引き続き、マサルヘ。俺は初めて「満月の夕」の歌い方が分かった気がするよ。ここ長崎でマドロスな連中に囲まれていることによって。そして、工藤ヒロシ。俺はライヴ後の打ち上げで、あんな凄まじい刺身の盛りを見たことがない。「ありがたいけど、こんなに喰えないよ」と俺が云ったなら、「大丈夫ですよ。生きてるものは無駄にはしません。明日はこの魚で美味しい出汁を取ります」って。素晴らしい。終演後、新春恒例のFM長崎の「ヒートウェイヴ特別番組」も録ったので、聞いてね。

 ありがとう。長崎。多謝&再見。

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by 山口 洋