犬が自由に走るのなら

2006/03/31, 23:44 | 固定リンク

3月31日 金曜日 晴れ 
 
 「犬が自由に走るのなら、何故俺にそれが出来ない?」って言葉があったよな。寒風に揺れる桜を見ながら、頭の中をその言葉が駆け巡っていった。

by 山口 洋  

waiting on a friend

2006/03/30, 23:55 | 固定リンク

3月30日 木曜日 晴れ 

 俺。いったい黒ビール、何本飲んだんんだろ?

 昼。キーラのリミックス。愉しいよ、俺がこのバンドのメンバーだったら、こうだろって事をやる訳だから。骨格を自分で録音して、元からそこにある音と混ぜてみると、一緒に演奏してるような錯覚に陥る。この曲にはフィドルが5本入っていて、改めて、この楽器って「擦って」音が出るんだな、って事を理解する。って云うか、ウォーターボーイズでフィドルを弾いてる彼(名前失念)みたいに踊りながら弾けるロッキンなフィドラーを探し続けてはや10年。我こそはと腕に自信がある人は、いつでもお待ちしております。いや、まじで。日本にはバイオリンを弾く人は沢山居るんだけど、フィドラーが居ないんです。残念ながら。

 夜、ファイヴ・ディーの長と飲みました。彼は前の打ち合わせが伸びて遅れたんだけど、俺の頭の中にはストーンズの「waiting on a friend」が鳴ってました。滅多に会わないんだけど、一言会話を交わせば、空白の時間が氷解する。そんな人物です。彼が有していて、俺にないものがあるとするなら、それは「強運」だと思うのです。そして、それは才能のうちです。ブルースマンがクロスロードで悪魔に魂を売ったみたいに、我々も何処かで似たような事があったのかもしれんな、とアホみたいに「音楽」ってものに取り憑かれている互いが、心の中で笑って時間が流れました。もっと、他の事に心血を注いでいれば、今よりは楽な人生だったかもな、と思いつつ、多少の反省はしながらも、それをまったく望んでいないところがタチが悪いっつーか。ふふ。彼の名前は「剛」なんだけど、それって「go」なんじゃないんすか?とくだらない事を云おうとして止めました。そっか、俺は「ocean」か。名前だけはデカいな。何にせよ、「漕ぎ出す」ことで合意して、お開きとなりました。ハレルヤ。

 その後、スタッフとミーティング。俺はどんどん黒ビールに手が伸びるし、奴らは一滴も飲まないし。そりゃ温度差生まれるよな。何にせよ、人生においては、それぞれがパイオニアであるべきです。そんな意味で、俺はいい曲を書くことが本分です。だから、来月は山にこもって、それに集中することにしました。

by 山口 洋  

リミックス開始

2006/03/29, 22:47 | 固定リンク

3月29日 水曜日 晴れ 

 金の計算っつー作業も慣れてきた。でも、出来ることならやりたくない。何だよ、やれば出来るじゃんって、またひとつ小器用になった自分が空しい。バンドを運営していくためには仕方ないのさ。それから年間スケジュールみたいなもんを決めて、あちこちに伝達。いつものようにリアクションなし。あぁ空しい。俺なんて、打ては響くってだけが取り柄なのに、どうして分かってくれないんだろうって、ウチの犬にグチをこぼす。でも、もういいんだ。俺は自分のやることをやるだけだ。どうしても実現したいことがあるんだから。
 夕方。キーラのマルチ・ファイルを取り行って、自分のコンピュータに入れて、一体音楽がどういう組み合わせで成り立ってるのか分析する。まるで、音楽の「解剖」みたいなもんである。一本のギターにしか聴こえないものが、3本丁寧に積み重ねられていたり、使っていないトラックにフィドルの宝石が残っていたり。それらに自分の演奏を加え、抜き差しをして、編集して新しい音楽を作る。それは「学び」と「実験」を含んだ、新しいタイプのコラボレーションである。単純に愉しい。

by 山口 洋  

可もなく、不可もなく

2006/03/28, 21:50 | 固定リンク

3月28日 火曜日 曇り 

 長い間、ロクに本も読んでなかった。フラフラと街に出かけて、いくつかのDVDと本を買って、寝転がって観て、読んだ。渋谷のでっかいCD屋はいつの間にか、「できれば、早いところ買い物を済ませて、さっさと退散したくなる」場所になった。沢山CDはあるけど、何かがない。多分、音楽への愛だね。俺にとっては。レコード屋の親父と無駄話をしてた頃が懐かしい。豊富な商品知識とくだらないギャグ。それは新しい音楽を手に入れる際には欠かざるべきものだ。
 家に帰ったら、明星から新しいミニアルバムが届いていた。そう云えば、弾いたなぁ、俺。それは紛れもなく某レコード会社からバイク便で届いたのだが、中には独特な字で奴のメッセージが入ってた。相変わらず、奴の音楽は素晴らしかった。
 電話が鳴って、キーラのリミックスのオファー。せっかく時間が出来たのに、面白そうだからと受けてしまうところが音楽ジャンキーだと、自分でも思う。

by 山口 洋  

それぞれの春

2006/03/27, 23:32 | 固定リンク

3月27日 月曜日 晴れ 

 桜が五分咲きになってるのを見た。もう春だね。嬉しいけど、切ない。桜は俺にとってはそんな植物だったりもする。

 夕方まで、ずっと金の計算とか、今年のスケジュールとか、そんな事を考えてた。逡巡って言葉が似合う時間だったけど、それがみっともない事だとか、ミュージシャンがやらなくていいはずの事だとか、そんな風には思わない。第一義的な目的が金じゃないとしても、愉快に暮らすためにそれは必要なんだ。

 夕刻。mf247の社屋で、中村貴子女史とポッドキャストの収録。彼女との縁を語ると長くなるから割愛するけど、ずっとずっと音楽を愛してくれてる素晴らしいパーソナリティー。彼女の変わらない体温。書くと簡単だけど、良い時も悪い時も、同じ体温でミュージシャンに接するって事がどれだけ難儀な事なのかってのは、身をもって俺も知ってる。だから、別れしな、いつも同じ台詞でごめんね、と思いながら、「じゃ、貴ちゃん、身体に気をつけて」って。それ以上の台詞は思いつかないんだ。ありがとう。

 mf247。社屋には自由な風が吹いてた。長は丸山茂雄さん。俺や貴ちゃんがデビューした時、エピックの長だった人。久しぶりにお会いした。人間の顔にはいろんな事が刻まれてる。再会の瞬間。彼のキャラクターと強運(それも実力のうちだよね)と才能ってものが顔に刻まれてることに気づいた。うん。愉快な話だったよ。取り囲んだ全ての人間を惹きつけるだけの求心力があるんだ。おごらない自信とともに、それが彼一流の気遣いでもあるんだろうけど。俺は自分に足りないものを発見しながらも、それが一朝一夕で出来る事でもなく、勝手に「人生ってやっぱり可能性は無限大だ」と思っていた。丸山さん、スタッフのみなさん、ありがとうございました。

 それから俺は家に帰り、レーベルの人々やスタッフと打ちあわせ。アイデアは、取りとめのない話の中から湧いてくることだってある。そうやって決まっていった、相変わらずの無茶なスケジュールを横目で見ながら、「よっしゃー、ひとつやってみるかい」と思った。何にせよ、俺は今日何も生産していないのかもしれないけれど、人の力はやっぱり絶大なのであった。それぞれの人にそれぞれの春。ありがとう、アゲイン。

 

by 山口 洋  

レコーディング

2006/03/26, 22:24 | 固定リンク

3月26日 日曜日 晴れ 

 日曜日。近藤智洋のソロアルバムのレコーディング。前もって、音源が奴からネットを通じて送られてきたのにびっくりしたけど、更に譜面と歌詞も添付されてました。君は素晴らしいディレクター兼マネージャーにもなれるよ。誰かに任せず、自分の出来ることを精一杯やっている人間はとても格好良い、と思うのです。それは知らず知らずのうちに音楽にも反映されていくことだし。
 到着した際、ちょうど俺の楽器が運び込まれてるところで、コンちゃんは当たり前のように、それを搬入し、スタジオでは快適に音楽に集中できるよう気を配り、「山口さん、フェイザー禁止!」と自らの好みを主張し、もちろん俺が弾いたテイクを選び、あっと云う間に作業は終了。いろんなスタジオに行くけど、本当に気持ちのいい「現場」でした。自分の頭に鳴っている音楽の風景に辿り着くには、今何をすべきなのか?それを見据えた上で、全力を尽くす。奴の独立した姿にちょっとカンドーしたのでした。おそらく素晴らしいものが出来上がるでしょう。完成するのを、俺も楽しみにしています。にゃー。
 

by 山口 洋  

big city?

2006/03/25, 21:31 | 固定リンク

3月25日 土曜日 晴れ 

 とあるものを修理するために、渋谷に出た。その製品はアメリカ製で、正規の輸入品であれば、リペアが保証されていて、末長く愛用することが出来る。そんなポリシーが気に入って、愛用していた。しかし、渋谷店は知らない間に閉鎖されていた。仕方ないので、ネットで調べたら、原宿店もあることが分かった。こんなにゆったりと時間があることもあまりないので、散歩がてら、再びそのクソ重いブツを抱えて、原宿に向かった。云うに事欠いて、店員は「今年の夏まで、諸事情によりリペアはやっておりません」とのたもうた。what is 諸事情?きっと彼のせいではないんだろうけど、こう云う商売をする会社の製品を使うのは止めよう、と思った。
 しかし、土曜日の原宿は凄かった。人、人、また人。あまりの凄さに俺は車道を歩いて、家に逃げ帰った。原宿にはいったい何があるんだろう?何がそんなに人を惹き付けるんだろう?頭の中にはでっかい?マークが浮かぶばかりだった。

by 山口 洋  

ゴシゴシ。

2006/03/24, 22:26 | 固定リンク

3月24日 金曜日 晴れ 

 午前7時に起きた。うっしゃー、片付けるぞ。まずは犬を散歩に連れて行って、奴を洗った。ゴシゴシ、ゴシゴシ。おばあちゃんになって、足腰が弱ってきたんで、もう昔のようには洗えない。でも、昔と違う愛おしさってのがあるんだ。ゴシゴシ、ゴシゴシ。奴と会話しながら洗う。俺は奴に猫語を喋っているので、知らない人が会話だけ聞いたら、かなり不気味だとは思う。でもいいんだ。ゴシゴシ、ゴシゴシ。俺は「にゃー」、奴は「ワン」。狂ってるけど、何だか愉しいぞ。うん。ピカピカのおばあちゃんになった。イケてるぜ。労働は愉しい。
 さ、車も洗うぜ。ゴシゴシ、ゴシゴシ。部屋も片付けるぜ。マネージャーとゴシゴシ打ち合わせもするぜ。夕方、ヤイコさんのラジオに電話でゴシゴシ出演。こんなテンションだったんで、アホでごめんね。でも、彼女のジャケットは本当にセクシーだったんだ。「go my way」。確かに、俺もそう思ってる。彼女は音楽の神様に愛されてるんだ。
 
 あのさ、生きてると本当にいろんな事がある。「ほえ?」みたいな。そんな時に未だアホみたいに音楽に取り憑かれてる自分が滑稽で、なおかつそれでいいじゃん、と思うんだ。だって好きなんだもん。って小学生みたいな受け応えしかできないけど。明日はね、音楽に復帰しようと思う。ちゃんとアイデアを練っておこうと思う。まぁ珍しい。何故なら明後日、コンちゃんのレコーディングだからさ。奴は唐揚げが大好きで、眉毛もないけど、ピュアな奴なのさ。バカが付く位まっすぐな奴なのさ。静かな情熱があんのさ。それが俺を熱くさせんのさ。奴の音楽を素晴らしいものにするためなら、俺は何でもやるぜ。尿漏れパット用意して待ってなよ、コンドー。

by 山口 洋  

悪癖卒業

2006/03/23, 23:35 | 固定リンク

3月23日 木曜日 曇り 

 昔から、アルバムの制作が終わったりすると(たいていマスタリングが終わった夜なんかに)、マネージャーに向かって、「俺のポケットに一万円だけ入れといてくれ、でもって、貴重品は君に預ける」と言い残して、夜の街に消えた。一仕事終えると、屑になりたくなる。訳が分からんくらい酒を浴びて、翌朝、植え込みの中で自分を「発見」したりする。つまり、酒で全部洗い流したくなる。でも、何だろ。今回はそう思わなかった。携帯電話の電源を切って(繋がらないと嘆いているあなた、ごめんね。もうすぐ復活するから)、友達と飲みに行っただけで、「もういいや」と思った。もうあんな飲み方は出来んし、第一さすがに一万円じゃ屑にはなれん。そんな事より、手紙を書いて、犬を洗って、何色か不明なものになっている車も洗って、仕事部屋を片付けて、いろんな事を片付けて、すっきりしたい。
 で、悪友様と飲みに出かけた。古いロックバーで飲んでた。いい感じだ。でも、音楽がデカい。もう俺は音楽を聞きたくはなかった。と云う割にはしっかりボトルがほとんど空にはなっていたけど。二軒目に行った。静かに飲んだ。日付が変わる前には家に帰った。今日のテーマは「うまく行かねぇのは社会や環境のせいじゃねぇ」だった。友人は新しい雑誌を立ち上げた。このご時勢で大変だと思う。でも、心から成功を祈る。

by 山口 洋  

don't think!

2006/03/22, 17:49 | 固定リンク

3月22日 水曜日 曇り 

 ツアーバスに乗って、東京に戻る。昨夜、さんざん盛り上がった「俺的ストーンズ曲順」をロ−ディーの阿部ちゃんがipodにプレイリストにして入れておいてくれたので、道中、仮想ストーンズ来日公演で盛り上がる。いやぁ、音楽ってすごいね。いろんな記憶がイントロと共に突然フラッシュバックしてくる。酸っぱいものも、愉しいものも。あの娘と眺めた玄界灘とか、いつも練習してた友達の家の納屋から見上げた空とか。やがて、プレイリストの再生も終わり、気がつくとドライバー氏と俺以外は全員寝ていると云ういつもの光景になる。いいなぁ、みんな。乗り物で眠れて。俺は、例のツアーをやって以来、こうやって移動している間も、時間が惜しくて仕方がない。起きている間にやれることは沢山ある。
 とりあえず怒濤のライヴシリーズは終わった。家に帰って、いろんな事をゆっくり考えようと思う。いろんなメールが届く。98%は人生きびしいっすよ、みたいな内容。でも、多分それは今に始まったことじゃないよ。太古の昔からそうだったんじゃないかな?ひとつだけ伝えたいことがある。どんな職種であれ、どんな状況であれ、どんな人生であれ、八方ふさがりの道なんて、よっぽどの事を除いて、実はないんじゃないか、と思うんだ。たいていの場合、自分の視野が狭くなっていて、客観性を失っているだけの事で。俺はその事をこのツアーで教えられたよ。自分がうまく行かないのはきっと社会や環境や金のせいじゃない。間違いなく自分のせいだと思うんだ。笑いを忘れず、さぁ、窓を開けて、新鮮な空気を吸って、また明日からやり直そうぜ。どこかに繋がっていない道なんてないし。あったとしたら、それは道じゃないんだからさ。

 もう少ししたら、何処からか歌がやってくるだろう。そんな予感がする。だから、無理にひねり出すのは止めて、しばらくギターを握らずにいようと思う。それだけの体験、そしていろんな人の想いを俺は受け取ってきたはずだからさ。歌って何処からやってくるんだろうね?自分でも分からないんだよ。これだけ長い間、続けていても。でも、ある日やってくるんだ。俺が「完全なるオリジナル」を書いてる、なんて意識はないんだ。使ってる言葉だって、メロディーだって、俺がゼロから発明したなんて思っちゃいない。この時代に生きてて、その空気を吸って、その中で生まれてきたものを、閃きとともに、多分編集してるだけなんだ。だから、もっと時代を見つめていたいし、多くの人に会いたいし、いろんな人と演奏してみたいんだ。ようやくね、楽譜がなくても(読めないけど)、前もって聞いていなくても、その場で演奏さえしてくれれば、俺は響き合えるだけの能力を手に入れたんだ。頭で考えちゃだめなんだ。流れに乗っかって、互いの新しい流れを作るだけの事なんだ。音楽の動物になるんだ。俺たちには12/26日にみんなに届けるアルバム以外の締め切りはもうない。全部自分たちで決めたことなんだ。それが気持ちいい。昨日、池畑さんに云われたんだ。「まだヒロシには絶対に負けん」って。俺も「今日の俺にしか出来ない演奏をしよう」と思うんだ。それも考えちゃだめなんだ。考えすぎると出来ないんだ。音楽の神様が降りてこないんだ。響き合うんだよ。そんなバンドのリレーションが俺は好きだ。どんな年齢になっても、人間に伸びしろはあるのさ。可能性はあるのさ。自分で諦めてしまわない限り。トシを重ねて失うのは体力だけさ。トシを取らなきゃ見えてこないものってのが沢山ある。だから、人生が愉しいと、最近思えるようになってきた。若い頃に戻るなんて、まっぴらごめんだよ。もういい。あんな想いは二度としたくない。だから、何処まで行けるのか全く不明だけど、行けるとこまで行くつもりだよ。

by 山口 洋  

兄貴祭りなのにストーンズ考。修正版。

2006/03/21, 10:31 | 固定リンク

3月21日 火曜日 晴れ 

 名古屋で、池畑兄祭り。出だしで云ったギャグが滑って、俺はno starsに明るい雰囲気を渡そうと思ってたのに自爆。でも、ライヴなんて楽屋で考えたたようにはならんもんだよ。
 飲み屋でrolling stonesの話になった。俺は行かんけど。で、理想のセットリスト。池畑兄の監修のもと、考えました。ついでにストーンズ・フリークの中川某に電話して、「どんなんがいい?」って聞いたら、腹痛だったにも関わらずメールをくれました。つまり人によって全然違うってことです。面白い。

俺が観たいストーンズ

1. ウィップス・カムズ・ダウン
2. ビースト・オブ・バーデン

3. hot stuff
4. walking the dog

5. country honk
6. you got a silver

7. memory motel
8, love in vain (池畑さんのリクエストによる)
9, wild horses
10, 友を待つ

11, happy /or/ before they make me run

12, ダイスを転がせ
13, send it to me
14, 無情の世界

encore
15, out of time (池畑さんのリクエストによる)
16, マーシー・マーシー

encore#2
17, just my imagination

うーん、我ながら完璧。ストーンズ・ファンに殴られないうちに消えます。さようなら。ちなみに腹痛をおして、中川敬が送ってくれたリストは以下のものでした。ファンって素晴らしいけど、みんな勝手だ。でもそれが素晴らしいよね?

Start Me Up
You Got Me Rockin
Live With Me
Shattered
She's So Cold
Ain't Too Proud To Beg
Ruby Tuesday(or Angie)
Beast Of Burden
Rough Justice
Doo Doo Doo Doo Doo
The Worst
Infamy
Get Up, Stand Up
Miss You
Honky Tonk Women
Sympathy For The Devil
Tumbling Dice
Satisfaction
Brown Sugar
Jumpin' Jack Flash
You Can't Always Get What You Want
It's Only R&R

と一度アップしたところで、腹痛の中川さんより、再びメール。上記のリストが彼の予想リストでした。てなわけで再び。

なんや〜勘違いしてた。
「俺が観たいストーンズ・セット・リスト」か。

では、以下。


1. If You Can't Rock Me
2. Ain't Proud To Beg
3. Crazy Mama
4. Happy

5. Summer Romance
6. Boys Go
7. Hang Fire
8. Before The Make Me Run

9. Factory Girl
10. No Expectations
11.You Got The Silver
12.Wild Horses
13.Loving Cup
14.Sweet Black Angel
15.Worry About You

16. Monkey Man
17. Gimmie Shelter
18. Rip This Joint

19. Harder They Come
20. Send It Me
21. Cherry Oh Baby
22. Get Up Stand Up

Encore
1. Honky Tonk Women
2. Brown Suger

by 山口 洋  

無表情という表情

2006/03/20, 21:43 | 固定リンク

3月20日 月曜日 晴れ 

 今日も休日を謳歌するつもりだったが、携帯電話が壊れた。ウンともスンとも云わなくなった。「今時、なんでそんなダッサイ携帯使ってんの?」って良く云われてたから、相当時代遅れのやつだったんだろうね。多分。俺は新しいもんが格好良いと思ってるあんたの方がダサいんだよ、と思ってたけど、確かに店に行ってみると俺のはダサかった。ははは。でもどこかの宣伝で見たんだけど、携帯は話せて、メールが出来りゃそれでいいんである。だから、その旨店の人に伝えて、タダの携帯に換えてもらって、待ち合い室で待ってた。随分待ってた。目の前に「C」って女性雑誌があったから、観た。俺はね、驚いたよ。その文章にもコピーにもモデルの表情にも。俺は日本語がこんな事になってるのも知らなかったし、モデルは殆どアンドロイドみたいな顔をしてた。同じ顔なんだ。同じ表情なんだ。そして微妙にメスの匂いがページから立ち上ってくる。可愛いけど目に「光」がない。「力」もない。蝋人形みたいなんだ。没個性っちゅー個性。怖かった。本当に怖かったんだってば。そういや、こんな顔した若い女の子がいっぱい街に居るなぁ、と。
 自分が若い頃の事を語り出したら終わりだと、良く人に云われる。でも、「俺とお前は違うんじゃ」ってのが自分を支えてたことだけは間違いない。「〜に似てる」とか、「〜風」とか「〜系」とか云われるのが一番癪にさわってた。あの手のものを作ってる連中が俺たちの世代だとしたら、相当な罪だと俺は思う。「〜系」から外れる事の恐怖感を煽って商売してるのだとしたら、かなりサイテーだよ。気分が悪い。でも、世の中で起きてる事、知ることが出来て良かった。心底、気分が悪かったから鮨屋に入った。大将の煮ても焼いても喰えないようなオヤジギャグを聞いて、何だか救われた。確かに「いーです、いーです、イーデス・ハンソン」級だったけど。

by 山口 洋  

瞳に宿るもの

2006/03/19, 16:48 | 固定リンク

3月19日 日曜日 晴れ 

 何にもする気にならず。虚脱状態。昼間っから居間のソファーに寝転がって、フカフカの毛布にくるまって、野球観戦っつー幸福に浸る。野球。しばらく醒めてたんだけど、やっぱりスポーツとして面白いんだね。ナショナリズムには興味がないけど、本当に面白かった。某選手がホームランをかっ飛ばす前の表情が素晴らしくてね。達観とも違うし、表現のしようがないけど、「静かな決意」みたいなものが顔にみなぎってたんだ。スポーツであれ、音楽であれ、やっぱりメンタルな部分がもたらすものは大きいんだなーと、美しいホームランを見ながら、感激した。
 夜。アホで大切な会話と美味な食事。ワインをガバガバ飲んで、幸福に浸った。頭から音楽を追い出そうと思う。せめて明日まではね。

by 山口 洋  

完走。東京にて。

2006/03/18, 23:20 | 固定リンク

3月18日 土曜日 曇り 

 会場に行ったら、スタッフが沢山居て、びっくりした。物販に5~6人、PAにモニターに、照明にマネージャーにローディー、レーベルの人々、カメラクルー、イベンター、エトセトラ。今までは当たり前の光景だった。楽屋にコーヒーや食べものがあるのも当たり前で、俺は既にセットアップの終わったステージに上がって演奏するだけだった。でもこのツア−はほぼ、その全てをやらなければならなかった。一度原点に返ってみようと思ったのだ。会場に行って、挨拶をして、短いリハーサルをして、物販の打ち合わせをして、共演者が居るときはリハーサルをして、ライヴをやって、時には自分でPAをやって、並んでくれてるファンにサインをして、打ち上げをして、ホテルに帰って、webの原稿を書いて、金の計算をして、アルバム賛同者のデータ化をして、寝るのはいつも朝だった。だから、余計に今日のスタッフの仕事っぷりが身にしみた。バンドはメンバーだけで成り立っている訳ではない。ほぼひと月の間に22本のライヴ。気付くと2月は28日しかないのだった。確かに狂ってるけど、それだけにやり遂げた充実感があった。
 多分、ワンステージをやり切るだけのギリギリの体力しか残っていなかった。でも、楽屋に続々と旅の途中で出会った人々からの「気持ち」が届けられた。相馬の愛する親子からはトロフィーとせんべいの詰め合わせ、コメ先輩からは金メダル、電報、酒、弘前からはりんごジュース、巨大なビール、花、北海道からは鮭とば、チョコレート、エトセトラ。沢山あり過ぎて、書ききれません。本当にありがとう。
 俺はね、音楽の神様ってのが何処かに居ると思うんだ。コメが歌ってくれて、ステージに上がったら、いい意味で完全に「脱力」してた。何曲か歌ううちに、俺はただ、その流れに身を任せていただけだった。終わりしなは完全にバテてたけど。バンドもたった一日のリハーサルで、強固な演奏を繰り広げた。でも、音楽にはものすごい力がある。時に特大のハピネスを運んでくる。俺は訳もなく幸福だった。ありがとう。
 シングルの発売日だったこともあったし、ツアー全箇所でファンに会ってきたんだから、今日はものすごい数になるだろうとは思ったけど、希望する人にはサインをすることにした。寒い中、待っててくれてありがとう。
 何にせよ、少し休んだら、また音楽に向かいます。って21日は名古屋でライヴなんだけど。家に帰って、俺の完走を待ちわびていたウチの犬の頭をなでました。ありがとう。また何処かの空の下で。多謝&再見。

by 山口 洋  

リハーサル、僕らが旅することの意味。

2006/03/17, 23:01 | 固定リンク

3月17日 金曜日 晴れ 

 久しぶりにバンドのみなさんに会った。それぞれにいろんな事があったに違いない。けれど、それを詳細に渡って聞き出す輩が居る訳でもなく。それぞれに無茶苦茶な日々だったことだけは多分、間違いない。体調も決して万全だとは云えない。でも、それでもみんな音楽に、笑いを忘れず真剣に向き合う(俺は喉の調子もあったんで、相当楽させてもらってたけど)姿が素晴らしいと、自分の居るバンドだけど、そう思う。演奏は空白の時間を埋めて、やがて、明日へと繋がっていく。もうこの瞬間は二度と来ない。それが儚くて、美しいと、俺は思う。
 決してごまかす訳じゃないのだ。その時に応じて、ヒットを打つ方法ってものがある。がむしゃらに気合いを充填して空回りしても、三振してすごすごとベンチに帰るのがオチだ。旅をすることの意味。それはそんなやり方を学んでいくことだと思ってる。デッドボールでも出塁したことには変わりない。誰かが二塁に送る。ポテンヒットでも一点はまぎれもなく一点なのさ。心の中に消えない炎がある限り、多分それを追い求めるだろう。誰が何と云ってもその歩みは止めないだろう。そんな事を考えながら、小さな声で歌を歌っていた。静かな幸福だった。記録係のOが俺に聞いた。「このツアーが山口さんにもたらしてくれたものは何ですか?」。それは愚問だと応えた。そんなに簡単に物事は変わりやしない。でも蒔いた種は10年後、思いもかけないような花を咲かせることがある。忘れかけてた分だけ、喜びもでかい。だから、10年後を何となく見据えて、続けていくことだ、と。旅ってそんなものじゃないの?と奴に伝えた。もちろん出会った人々がくれた力が絶大であることは云うまでもなく。
 俺はこの後に及んで、音と戯れているのが愉しい。本当に愉しい。だから、それを観に来て下さい。

by 山口 洋  

嗚呼、おふとんの国

2006/03/16, 21:15 | 固定リンク

3月16日 木曜日 雨 

 寝ました。寝ましたとも。ひっさしぶりの自分の「おふとんの国」はどんな大金を積まれても、譲れないほどの快適さでした。だいたい、どうしてホテルのベッドは布団がベッドに丸め込まれてんだろ?あれが好きな人、居るのかな?俺はまず、ホテルのベッドに潜り込むやいなや、両足であの憎き「丸め込まれた布団」を破壊します。許せん。そして、挙げ句の果てに、自分で布団を蹴飛ばして寒くなって目が覚めるっつーパターン。貧乏家庭に育った俺は、布団が重くないと安心せんのだわ。羽毛はいかん。軽過ぎる。で、どうしてホテルには「すりすり」すると気持ち良い毛布ってもんがないんだろう?洗濯が面倒だから、かな?
 すまん。小学生のような文章を書いてしまった。昼過ぎに起きて、毛布にくるまって「野球」を観ると云う夢のような時間を過ごしたはいいが、18日のライヴで使う映像を作ったり、曲目を考えたり、明日のリハーサルの準備をしたり(それぞれにメンバーは多忙なんで、リハーサルは一日しかないのだよ)、山積みになってる手紙に返事を書いたりして、あっと云う間に夜になるのであった。アーメン。4月になったら、何処かに逃亡しよう。それはそうと、18日、「on the road, again」の集大成です。観に来てね。みんな、ゆったりと楽しめるようにしたいと思ってます。

by 山口 洋  

東京に戻る

2006/03/15, 21:11 | 固定リンク

3月15日 水曜日 晴れ 

 東京行きの飛行機に乗ってます。米倉はゾンビのように復活し、さっき空港でかつ重を喰ってました。小倉の人々は何っつーか、九州人っつーか、独創的で、とっても温かい人たちでした。モノを作ることに理解があるっつーか。本当にありがとうございました。このツアーを通じて、いろんな会場で出会った人々が「また、やろうぜ」と云ってくれました。甚だ記憶力の悪い俺は、彼等の顔を忘れないうちに、また訪ねたいと思ってます。ただし、今度はもっとゆったりしたスケジュールで。だって、こんなに急がなくても。もっとゆっくり日本を観てみたいです。
 小倉の小屋、soapのオーナー、宮川さんの作品が展示されている、恵比寿の東京都写真美術館「私のいる場所」に行ってきました。いやはや、彼等の作品(セカンドプラネットと云う名義で出展)の着眼点、独創性、素晴らしかったよ。是非。

 そんなこんなで、まだ体調も万全ではないので、今日は寝ます。毎日同じことしか書けないけど、本当にありがとう。

by 山口 洋  

「もやしに負けた男、米倉浩志郎」と共に、北九州小倉にて。

2006/03/14, 23:59 | 固定リンク

3月14日 火曜日 曇り ツアー最終日

 最終日。辿り着いたぜ。ふーっ。とは云え、これを書いてるのはまだ本番前なんだけれど。九州シリーズに帯同してくれてるYこと、米倉浩志郎。俺がようやく復活しかけてきたのに、奴は「もやし」に負けたらしく、食あたり。ま、俺の体調のせいで、心労をかけたんだと思う、すまんね。
 ツアーを通じて、感じたことは数知れず。それは表現の可能性だったり、空気を読むことだったり、金の流れだったり、音楽で人を幸福にすることだったり、力をもらうことだったり、地方都市で生きていくことだったり、身体の弱さだったり、人の素晴らしさだったり、音楽の素晴らしさだったり、この国の広さだったり、狭さだったり、冬の厳しさだったり、資本主義の善悪だったり、書けばキリがない。支えてくれた数多くの人々。本当に無数の人々。彼等の尽力がなければ、ここまで辿り着くことはおおよそ不可能でした。本当にありがとう。心から感謝します。俺に出来ること、これからも音楽を続けていくこと。そしてその中に魂を込めることだと、思っています。本当にありがとう。
 俺はこの旅を通じて、ますます音楽と人が好きになりました。それは何ものにも代え難いことです。同時に、数多くのファンと接することによって、どのように自分たちの音楽が伝わっているのか、知ることができました。願わくば、みなさんのそれぞれの日々に音楽が力強く鳴り響きますように。
 午前4時です。ライヴ終わりました、もうまともな文章書けません。詳しくは明日。最後の日、素晴らしかったっす、何もかも、みんなありがとう。小倉の人々、ありがとう。音楽やっててよかった、ダメだ。倒れます。美味い酒飲みました。キーが打てないので、もう寝ます。ありがとう、ありがとう、ありがとう。友達が自作の金メダルくれました。にゃーーーーーーーーーーーーーーーっ。

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by 山口 洋  

多分、今年最後の雪、熊本にて。

2006/03/13, 23:22 | 固定リンク

3月13日 月曜日

 ツアーに帯同してくれてるOとY嬢ってのは、「つくす」と云うアラレもない名前のイベンターの人たちである。この会社のwebだけがかなり?なのだが、本当に音楽に愛のある素晴らしい連中なのだ。九州に入ってから、俺がいろんな雑務から解放されたのも、彼等のおかげに他ならない。
 福岡から熊本に移動した。何とかいけそうな気がしてくる。あと2本だし、みんながんばってくれてるし。俺がここでヘタれてる場合じゃないし。
 ライヴが始まった。でも会場「ぺいあのplus」の神様が降りてきてくれた。それはね、以前この会場に俺を呼んでくれた連中が居てくれたってこと。その時、個人的な俺の師匠、野田敏とここで歌ったってこと。この会場のオーナーが音楽を愛してるってこと、「つくす」の連中が本当に「尽くして」くれてること。おそらく今年最後の雪が降りしきる中、仕事を終えて、いろんな人々が足を運んでくれたこと。いろんな事が繋がって、「ぺいあのplus」の神様が降りてきてくれたんだと思う。ありがとう。ありがとう。
 九州に来て、初めてスタッフと飯を喰った。俺に代わって、今日は「つくす」のYが終わってた。すまんね、迷惑かけたね。ちょっとだけ酒を飲む元気もあったんで、オーナー御夫妻ともゆっくり話すことができた。東京じゃあり得ないんだ。この位ゆったりとしたスペースで、仕事帰りに酒を飲みつつ、飯 ! も喰えつつ、音楽を楽しめるって云う空間があることが。聞けば、オーナー氏はミュージシャンだったんだってさ。夫妻は俺に魂の酒タラモア・デューをごちそうしてくれた。このお店、みんなで大事にして下さい。染みたよ。ありがとう。熊本。酒が飲めるってことは元気の証です。また、必ず戻ってきます。
 帰りしな、雪の中を歩いた。多分、今年最後の雪だね。雪国のみなさん、みんなの事を思い出したよ。でも、もうすぐ春だよ。多謝&再見。

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by 山口 洋  

病院送り

2006/03/12, 23:14 | 固定リンク

3月12日 日曜日 曇り 

 身体をだましだまし、あるいは根性にて、どうにかツアーを続けてきたけれど、ここに来てもうどうにもならず。夜は熱で眠れず、飯を喰うこともままならず、喉は焼き切れたような状態が続いていた。でも俺はプロフェッショナルだ。途中で投げ出すことだけはしたくなかったし、中途半端な演奏はしたくなかった。ただ、歌に魂が込められなくなったら、その時は潔くステージを降りようと思っていた。
 福岡に着いて、友人の付き添いで病院送りになった。でも、行ってよかった。俺はずっと風邪だと思ってたけど、喉の炎症に細菌が入って、熱が出てることが分かった。事情を説明して、何とかツアーを続けられるようにお願いしたら、今日は休診日で、外科のお医者さんしか居なかったにも関わらず、親身になって、治療してくれた。何処からか、多分内科のお医者さんも来てくれた。点滴も含めて、3時間。まっすぐ歩けなかった俺が、「腹へった」とうそぶくまでに回復していた。後で知ったことだけど、病院の休日窓口の警備員さんが、俺を知っていてくれた。いろいろ骨を折ってくれたのだとしたら、本当にありがとう。俺は医療の世界のプロフェッショナルっぷりにちょっと心うたれました。で、エネルギーを充電するために、もつ鍋を喰った。真面目な話、10日くらい前から味が分からなくなっていたし、2日くらい満足に飯も喰っていなかった。筑豊のソウル・フード、もつ鍋は美味かった。五臓六腑に染みた。
 そんな訳で、ツアーは続行します。まだ完璧な体調ではないので、美声ではないし、ひょっとして椅子に座って演奏するかもしれないけれど、歌に魂は込められます。だから、観に来て下さい。

by 山口 洋  

素晴らしきバンドと想いと大森洋平、佐賀にて。

2006/03/11, 23:15 | 固定リンク

3月11日 土曜日 曇り 

 佐賀。何年振りに来たんだろう。そこには大森洋平君と、素晴らしいトリオのバンドが居て、リハーサルをやっていた。ん?これは佐賀の風習なのか?俺も疼いたので、あり得ないようなギタ−を借りて演奏に加わった。久しぶりにバンドで演奏したら、愉しかったよ。
 地元の人々が力を尽くしてくれたのが、手に取るように分かる。音楽の愛に溢れた空間だった。大森君はこれからもっとタフになっていくだろう。何にせよ、こんな風に旅人を迎えてくれるのがとても嬉しい。本当にありがとう。なのに、美声じゃなくて、ごめん。毎日書いてるけど、佐賀。必ず戻ってきます。ありがとう。心から、多謝&再見。

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by 山口 洋  

疲労と出島の神様、長崎にて。

2006/03/10, 23:08 | 固定リンク

3月10日 金曜日 晴れ 

 飛行機に乗った時からヤバかった。頭痛、悪寒、エトセトラ。耳を気圧の変化にやられないようにして、じっと耐えた。やっと九州に辿り着いたのに、何てこったい。
 空港には旧知のYとO嬢が迎えに来てくれた。出島ワープにある会場に着いて、そそくさとリハーサルを済ませて、ホテルに戻った。今日と云う今日はこのツアー最大のピンチになりそうだった。でも、足を運んでくれたお客さんには関係ない。俺に出来ることはホテルでじっとしている事だけだった。
 Yが迎えに来てくれた。ステージに上がった。出島の神様が降りてきた。ベストじゃないけど、とりあえず声は出る。ありがとう、と心から思った。それは多分、このお店が本当に音楽を愛していること、そしてここでライヴをやったミュージシャンの念みたいなもの。そして俺の音楽を楽しみにして、足を運んでくれたお客さんが創りだしたものだ。信じられないことに、俺はライヴを楽しんですらいた。音楽ってすげぇ。ライヴ中にかいた汗で熱も下がった。ウソだろ?ありがとう、出島の神様。今日の小屋のね、メインスピーカーはいわゆるモニタースピーカーなんだ。しかも、左右違うスピーカーだった。でもね、問題ないんだ。お店のスタッフが音楽に敬意を払っているのが分かるから。俺の背中ごしに、エンジニア氏はずっと、いい音を出そうと模索してくれた。俺はそれを感じてたんだ、背中でずっと。あのね、R-10、素晴らしいお店だよ。俺は必ず戻ってくる。今日は今日でベストを尽くしたけど、もっと元気になって帰ってくる。ありがとう。心から。打ち上げもそこそこにホテルに戻ってごめんよ。今度、ゆっくり飲んで、恋の話でも、海を見ながらしようぜ。お客さん、いい顔してたよ。本当に嬉しかった。じゃ、俺は明日のために、もう寝ます。九州、泣かせてくれるよ、まったく。多謝&再見。

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by 山口 洋  

休日?

2006/03/09, 21:03 | 固定リンク

3月9日 木曜日 晴れ 

 今日は約2ヶ月振りの休日のはずだった。でも、やっぱり考えが甘かった。昼過ぎに一度目をさましたんだけど、今日はライヴじゃない、と考えた瞬間、再び気絶。夕方に起きて、手紙だ、手続きだ、申告だ、金の計算だ、明日の準備だ、エトセトラ。あっと云う間に夜になった。か、哀しい。
 でも明日は九州だ。あと4本だ。待っとれよー。
 そうそう。今日から新曲の先行試聴っつーのが始まっております。楽しんでください。感想も待っとるよ。このツアーで賛同したくれた人たちにも、できるだけ早く聞いてもらえるようスタッフもがんばっております。じゃ、九州で。って云うか、本当に九州だよ。涙。と、遠かった。でも嬉しい。ごめん、子供みたいな文章で。

by 山口 洋  

東京にて

2006/03/08, 17:51 | 固定リンク

3月8日 水曜日 晴れ 

 島根県出雲市のホテルにて昼過ぎに目覚める。さすがに蓄積した疲労は隠せず。でも、今日は東京に戻って、ライヴなのだった。狂ってる。ホテルに地元で居酒屋を営んでる夫妻が迎えにきてくれた。彼、見た目は怖いけど、とても純朴。その細君はとてもきれいだし。お土産に干物と焼酎をもらって、東京に戻る。その干物がね、美味そうなんだ。ゆっくり喰ってみたいねぇ。俺はね、故郷の同級生に会うことなんて、滅多にない。でも、この街の連中は子供の頃からの知り合いなんだ。会話を聞いてると、小学生がそのまま大きくなったような感じに聞こえる時がある。それはそれで大変なこともあるんだろうけど、ちょっと羨ましかったりもするのさ。

 東京に戻り、車でロフトに運ばれる。久しぶりの東京は「ブレードランナー」みたいに見える。俺は疲労で半ば、自暴自棄。もうなるようにしかならんやろっちゅー精神状態。でも、不思議なもんで、ステージに上がると、急に元気になる。俺はアホなのか?多分、アホだね、間違いなく。OKIとは10年振りくらいに会ったし、シオン先輩と松田大先輩の演奏をじっくり聞くことも出来た。みんな、重ねた年輪と、それでも前に向かう姿勢に、俺も疲れてる場合じゃねーな、とエネルギーを頂く。こりゃ、仕事帰りにこの音楽聞いたら、たまらんね。何か、じーんと来るけど、明日もがんばるぞー、とか訳もなく思うね。

 終演後、諸先輩方とゆっくり話した。多分、もう飲む力は残っていなかったはずなんだけど、飲めるんだな、これが。いい時間だったなぁ。にゃー。素敵な人たちだにゃー。いつか一緒に演奏したいにゃー。俺は完全に元気になったんだけど、どうやって帰ったのか、覚えてない。おめでとう、ロフト。そして、みなさんお元気で。余計なお世話と思いつつ、どうかお体に気をつけて。また、何処かの空の下で。多謝&再見。

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by 山口 洋  

山脈を越えて、出雲にて。

2006/03/07, 17:47 | 固定リンク

3月7日 火曜日 晴れ 

 昼過ぎに広島のホテルにて、起床。バスに乗って、中国山脈を越えて、出雲を目指す。東北の時もそう思ったけど、日本列島って、真ん中にどでかい山脈が貫いてることを、今更ながらに知ったりする。山陰に行く際は、いつも空路だったからね。山あいの道には「なごり雪」が残ってる。今日で、中国山陰シリーズも終わる。東北を旅してる頃には、貫徹できるのかどうか、かなり不安にもなったけど、ただ根性で乗り越えてるだけじゃなくて、旅の中で、音楽を続けていく方法を身体が覚えてきた気がする。今日はね、遂にPAを自分で操作するらしい。モニタースピーカーもないいらしい。怖いけど、楽しみにしてるよ。何とかなるだろ、きっと。それよりも出雲と云う街にほぼ毎年行けることの方が嬉しい。

 っちゅー訳で、ライヴを終えました。今日は何ちゅーか、今までのどのライヴとも違うものでした。自分でPAをやるってのも、あり得ない体験だったんだけど、どうやってこの土地の空気を芳醇なものにしたらいいのか、自分の引き出しの中から、考え続けるライヴでした。結局のところ、俺は歌に魂を込めるって云う当たり前のところに戻ることしか出来なかったんだけど。同じライヴは二度とない、と云っておきながら、それを痛感させられた一日でした。

 でも、どうしてか分からないけど、出雲はロック・シティーなのです。店も、足を運んでくれた人々もそれぞれに違う形で骨のある人物が多いのです。ありがとう、出雲。また、戻ってきます。

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by 山口 洋  

それぞれの人生、「今日まで、そして明日から」、広島にて。

2006/03/06, 22:29 | 固定リンク

3月6日 月曜日 雨 

 今日は会った人すべてと写真を撮ることにしたんだ。だって、毎日凄い数の人に会うと忘れるじゃない、忘れたくなくても。
 自主的キャンペーンの日だったんだ。昔、レコード会社の人間とテレビ、ラジオ、新聞、雑誌を廻った。キャンペーンは苦痛だったんだ。自分のアルバムを伝えるためとは云え、苦痛だったんだ。理由は不明。でも、失礼を承知で今は違う。俺には「明確に」伝えたいことがある。何で、今日がキャンペーンだったのか、深く俺は知らない。多分、ボンバー石井(奴の本職はDJなんだ)が僕らの音楽を広めるために、組んでくれたんだと思う。もう無理するのは止めた。だから、いつもの自分で居るだけだけれど。
 ボンバーと俺は頭痛を抱えたまま、中国新聞に行った。若い記者氏と話した。社には原爆投下3日後に発行された新聞が残っていた。社員170人が死亡。それでも何かを伝えようとしたジャーナリスト魂に胸うたれる。それから広島FMに行って、旧知の友人たちと再会。何年か前、原爆祈年式典でアナウンスを担当していた池田嬢は看板アナウンサーになっていて、広島の昼をなごませていた。俺たちは噛み合ない会話をした。でも多分それでいいのさ。それからボンバーと奴の番組を収録して、RCCで「秘密の音園」っちゅー番組に出た。何であれ、求められるのなら、俺は出向くし、ベストを尽くすだけさ。

 夜、お好み焼き屋で、沢山の友人たちと飲んだ。それぞれの人生にそれぞれの今日。そして明日。一見関係ないようで、それらはあちこちで繋がっている。本当はね、会った人との写真、全てをコラージュして、webに載せようと思った。でも、それは野暮だって、レタッチしながら気付いた。だから、代表としてボンバーの写真を載せておきます。みんな、本当にありがとう。明日は山脈を越えて、出雲に行きます。また、会おうぜ。元気でな。心からありがとう。

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by 山口 洋  

ハコの神様と狂乱のヒロシ'ズ・ナイト、広島にて。

2006/03/05, 22:40 | 固定リンク

3月5日 日曜日 春の陽光 

 福山のホテルで目覚めて、駅前のコーヒーショップで飯を喰った。地方都市の晴れた日の昼下がりって、本当に幸福な風景だよ。ノー・テンション、ノー・プレッシャー。乗った「こだま」は博多行きだった。このまま九州に帰りたいと、もうひとりの俺が云う。昔ね、どんとさんが云ってたんだ。「俺はのぞみに乗ると疲れる。人間には単位時間あたりに移動していい距離ってもんがあって、俺はこだま以上は無理なんだ」。人生を駆け抜けた彼ならではの言葉だと思うんだけど、俺もこだまの方が好きだったりする。6両編成の新幹線って東京じゃお目にかかれない。
 
 昨日も書いたけど、良いハコには神様が住んでる。それは店とお客さんとミュージシャンが長い間に作りあげたものだ。ステージに上がって、今日の空気を確かめる。そうすると2曲目あたりで、その神様が降りてくるんだよ。昨日は本当にそんなライヴだった。後は、無理せず、流れに身を委ねていたら、自然に音楽が「フロウ」となって進んでいくんだ。一人のライヴで出来ることなんて、タカが知れてる。たった一本のギター、6本の弦の響きと自分の声とハーモニカだけなんだから。だから、最近はピックを使わないことが多い。指で弾いた方が遥かに豊かな表情が出るから。で、ピックはダイナミクスを頂点に持っていくための、リーサル・ウェポン、あるいは飛び道具のための最大のエフェクターって訳です。

 広島です。ここにはボンバー石井と云う弟のようなアホがいます。自慢は「シベリア超特急」に出演したこと。奴は自分の仕事もせずに、俺のライヴのために奔走してくれるっつー、奇特な輩。このツアーはどこまでも自力でやるツアーなのです。いつものライヴじゃ、俺たちがリハーサルをやってる間にバイトの子たちがビラを折ってるんだけど、今日はリハーサルをさっさと終えて、ボンバーと二人でやりました。超新鮮。俺、このツアーをやるまで、自分でギターのセッティングどころか、電池も換えられなかった(コメ先輩に教えてもらいました)から、すっげえ進歩だよ。でも、こうやってライヴが作られてるって事を知るのは悪くないです。

 さて、ライヴ。同じ広島県なのに、昨日の福山とここまで違うかって位、お客さんのリアクションが異なるのでした。シャイなのかな?でも、何かが伝わってたら、嬉しい。昨日が激しく壊れた俺なら、今日は静かに自分に向き合うことができるライヴだった。善し悪しの問題じゃないんだ。ライヴも人間も天気も音楽も、毎日違って当たり前なんだから。

 最初は鍋なんぞ、つつきながら大人しく飲んでたんだ。話題はお下劣だったけど。でも、今日は俺が日本で一番愛してるクラブ、スリム・チャンスでヒロシ’ズ・ナイトが催されるんだ。スリム・チャンスてね、そうだよ、愛するロニー・レインだよ。俺たちは午前5時まで踊り続けた。そこで行われた詳細を記す野暮は止めておこう。いやー、超絶に楽しかった。ストレス、全て発散。無数のハグとチューをして、ホテルに帰って気絶した。テキーラとストーンズっちゅー組み合わせはいつもながら危険だ。ははは。一番嬉しかったのは、途中で店に入ってきた60代のおばさんが踊り出したこと。音楽って素晴らしい。俺はこのツアーで何回の抱擁をしたんだろう。悪くないよ、人間って。応援してくれた広島の大アホどもに、特大の感謝を。

追伸
 そうそう。旅先で沢山のCD(シンガーだったり、バンドだったり)を手渡されます。旅してる間はipodしか持ってないから聞けないけど、ツアーが終わったら全部聞くからね。
ありがとう。

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by 山口 洋  

それでも旅は続きゆく、許せハナ、福山のヘルシー・ジャンクフード。

2006/03/04, 23:59 | 固定リンク

3月4日 土曜日 晴れ 

 広島県福山市に向かう新幹線車中にて。流れゆく車窓を見ながら、ほぼひと月に渡って旅してきた軌跡を頭の中で振り返る。俺は甚だ記憶力が乏しいんだけど、すべての事が遠い事のようで、それでいて、鮮明に覚えてるってことは、旅が濃密だったって(終わってないってば)ことを物語ってるんだろうね。東京、苫小牧、札幌、弘前、山形、相馬、東京、高岡、金沢、東京、名古屋、桑名、東京、浜松、東京、神戸、岡山、東京、京都、東京、そして今福山に向かってる。これをソラで思い出せる自分にちょっとカンドー。これらの街は俺の中で繋がってるんだ。点と点はいつか線になるんだ。多分。

 何はともあれ、一番辛いのは、うちの犬のこの表情(写真参照)。帰ってくると、尻尾がちぎれんばかりに喜ぶ。「わーい、わーい。おかえりー。遊んでもらえるーーっ」。自分のおもちゃをくわえてやってくる。でも、俺は明日の準備をしなくちゃいけない。「ん?何だか様子がおかしいワン」。そして、準備を終えて、ようやくかまってやれる頃には涙目で写真のような表情になる。「ま、またどっか行くの?」。完全にイジケてる。イジケるんじゃない、ハナ。父ちゃんは出稼ぎに行かなきゃいけないんだ。でもこのような状態の奴を置いて出てくるのは、本当に辛い。ツアーが終わったら、何処か空の広いところに車で連れていってやろうと思う。もう奴はおばあちゃんだから。
 
 梅の花が咲いていた。もうすぐ春だね。今、静岡あたりを走ってる。お茶畑が陽光に照らされて光ってるよ。春はいいなぁ。切なさと嬉しさと、いろんな気持ちが交錯してる。

 てな訳で、新幹線は名古屋を過ぎました。まだまだ福山には着きません。溜まっていた仕事を全部片付けたけど、時間が余ってるので、このツアーの雑感を記しておこうかと。 
 有りがたきは、リクオの励まし。奴は年間150本(だっけ)くらい全国でライヴをやってる呆れた男です。日本全国、何処に行っても「あ、そう云えば、リクオさん、この前来ました」みたいな。あんたは身体、いくつあるん?実は3つくらいリクオ居るやろ、みたいな。例えば福島県相馬近辺だけでも、奴は10カ所くらいでやってるらしい。頭、おかしい。けれど、正しいと俺は思うのだった。確かに奴は楽器を運ぶ必要はない。それがいかにポイントが高いかってことは、自分で運んでみれば分かる。けれど、奴にしたって、会場にあるピアノを弾くしかない訳だから、それはそれで大変なことさ。いつか、ピールアウトのコンちゃんに云われたことがあって、「山口さん、音にうるさいって評判ですよ」と。でもね、こんなツアーを続けてると、一番大切なことは機材や、音響設備じゃないってことに気付かされる。大事なのは何を伝えたいかってことであって、それは守られてると見失いがちな事でもある。実際のところ、音的に厳しい場所もある。けれど、それを超えるだけの引き出しが自分にあればいいだけの話なんである。昔、とある外国のミュージシャンに云われた。ミュージシャンは基本的にライヴで生きていくべきなんだ。って。それがすべての基本なんだ。って。そこで曲を育てて、いろんな人に会って、感じていれば、創造力が枯渇することはない。曲は既に鍛えられているから、レコーディングもあっと云う間に終わる。だから、日本のミュージシャンはおかしいって。周囲には無意味なほど大勢のスタッフ。その実、ミュージシャンは気持ち的に独立しちゃいない。いざって時に状況を覆すだけの力もない。売れなくなったら、はいさよなら。そして、新しいヒヨッコが発見され、同じことが繰り返される。確かにね。俺たちはレコード会社に守られ過ぎてた気がする。だから、しんどいけど、今は気持ち良い。この前、リクオがあり得ないくらいホンキートンクなピアノを笑顔で弾いてたけど、調律云々の前に、それを超越したもんがあるんだわ。この先に、遂に自分でPAやらなきゃいけないって会場があるらしい。案ずるより産むが易し、かな。その昔、ジョナサン・リッチマンとやらせてもらった時、彼は自分でPAをやってた。びっくりしたけど、いい音だったんだな、これが。ま、楽しんで、最後までやってみるよ。何とかなるだろ。
 と、書きながら、そうだなぁ、秋くらいに、今回のハード過ぎてるこの日程を反省しつつ、もう一回このツアーやってみるか、と思ってる俺も、懲りないっつーか、バカっつーか。だって、今回は新しい曲を仕上げる暇がなかったからね。それは痛かった。だから、そこは日程の組み方を考えてだね。バカ。終わってから考えろ。ハナにも日本を見せてやりたいってのは、完全なる親バカです。はい。すいません。
 なんて事を書いてる間にも、明日の広島のライヴを手伝ってくれる連中から、京都のライヴを手伝ってくれた人から、続々とメールが来る。ありがとう。明日はライヴの後にヒロシ'ズ・ナイト(これがね、恐ろしい集いなんだよ。肉体の限界まで踊り続けると云う)が計画されてるらしい。怖い。でも、俺はこのツアーで一度もはじけていない。そろそろやってしまいそうな気がして怖い。あるいは、福山まで俺のアルファロメオで迎えに行こうか、とか。梅の花が咲いたよー、とか。ありがとう。とにかく、今日という一日にベストを尽くします。サンキュー。あ、新大阪だ。

 福山です。開演前のホテルに居ます。ポレポレ、6年振りなんだけど、マスターが全然変わらない感じで迎えてくれるのが嬉しいです。そして、いれてくれたコーヒーの美味かったこと。心だなぁ。経験だなぁ。旅人は一杯のコーヒーとか、スープとか、エトセトラ。それで一気に元気が出るものなのです。何だかね、人生に向きあう態度が素晴らしいのです。俺に一番欠けてるもの、それがポレポレ感なんだな。リハーサル前に、地元の雑誌の取材を受けました。まっすぐな目の女性でした。その昔、この小屋でライヴを主催してくれた佐藤さんも手伝ってくれてます。月日が経っても、変わらず応援してくれるってことは嬉しいものです。ありがとう。

 ライヴを終えて、ホテルに戻りました。一言で書くならサイコーの時間でした。ポレポレを訪れた多くのミュージシャンの想いが蓄積した空間、マスターの変わらない人間性、小屋を愛して訪れるアホなお客さん(褒めてますから)。山形のツゲ姉の言葉を借りるなら、2曲目あたりでポレポレの神様が俺に降りてきて、後はずーっと、let i t beの状態でライヴを続けただけでした。壊れました。あ、俺、壊れるみたいな。愉しかったなぁ、幸福だったなぁ。音楽やってて良かったなぁ。ありがとう。あのね、ポレポレのメニューのキャプションに「ヘルシー・ジャンクフード」って書いてあったの。素晴らしくない?この表現。一体、どっちなんだよ、みたいな。ふふ。この街はグルーヴァーズの藤井一彦の故郷なんだ。だから、奴に電話した。ポレポレは今年で20周年なんだって。だから、 カズヒコ凱旋コンサート、前座はヒロシでどうだって。夏頃にやれたら、いいね。って云うか、俺は来るけど。ポレポレ、本当に素晴らしいお店です。福山に来たなら、是非。時間がゆっくり流れてます。天満屋の近くだから、街の人に聞けば、すぐ分かるよ、きっと。ありがとう。みんな、元気でな。多謝&再見。

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by 山口 洋  

オーディナリー・ピープルのオーディナリー・ライフ。

2006/03/03, 21:07 | 固定リンク

3月3日 金曜日 晴れ 

 まずはお詫び。某サユリ嬢より鋭い突っ込み。「山口君、拾得の漢字、間違ってる」。すいません。昨日のダイアリー、「拾徳」ではなく、「拾得」です。お店はもう33年続いてるそうです。凄いなぁ。漢字を間違えるような私ですが、また行かせてください。

 昼過ぎ。京都のホテルにて。共同通信の取材。さんざん語った後、気付くと、俺が同輩の記者を励ましてるっちゅー、不思議な取材。メゲるな、同輩。

 また、俺は東京に戻る。取材を受けて、車中、オーディナリー・ピープルのオーディナリー・ライフってことをずっと考えてる。明日は新幹線で福山に向かう。富士山を見た回数を数えるのは止めにした。そんな訳で、関西、近畿地方のライヴ、無事終了しました。明日からは中国、山陰ブロックとなります。待っとれよー。

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by 山口 洋  

中川敬と春の匂い、 京都にて。

2006/03/02, 23:24 | 固定リンク

3月2日 木曜日 晴れ 

 琵琶湖にはもう菜の花が咲いてるよ、と友人からメール。車窓も、もう春の光だね。花粉症のマスクをしてる人もたくさん。そっか、もうすぐ春だね。新幹線で京都へ。
 拾徳には随分前に来たなぁ。俺は覚えてないんだけど、その際、やりにくいだの何だの、俺がダダをこねたらしい。でもね、トシを喰って、あらためてこのハコに来ると、いろんなミュージシャンの念みたいなものが染み込んでて、お店の人たちも素晴らしくて、何でここがやりにくかったのか、俺には全然分からん。きっと、ただ、若かったんだと思う。壁にはどんとさんの写真。実のところ、身体はヒーヒー云ってたんだけど、演奏してるうちに元気になっていくんだ。不思議なもんだね。今日もまた、サユリ姉を筆頭として、沢山の人たちが俺のために力を尽くしてくれたた。本当にありがとう。
 
 京都ってこともあって、今日は中川敬が来てくれた。俺たちは、まるで水と油みたいなもんなんで、一緒にバンドやるとロクなことがないんだけど、たまに演奏すると、会わなかった間のもろもろを瞬時に音楽の中に感じたりする。相変わらずと云えば、それまでなんだけど、存在感っちゅーか、両足がステージにめり込んでる感じがさすがだわ。はは。あまりの声のデカさにびっくりしたけど。このツアー、たいてい「満月の夕」をやるようにしてるんだけど、どの場所とも確かに違ってた。現場主義って演奏だった。はは。元気で何より。とにかく死ぬなよ。地球にひとりくらいこんな男も必要だと、俺は思う。何にせよ、ありがとう。奴はモノノケ・サミットの3rdアルバムを完成させたらしい。今日、コピーをもらったよ。云うのがはばかられるけど、俺は某ユニオンより、こっちの方が好きだったりする。(失礼)
 
 一人で来た京都はいつもと違う匂いがあった。それが春のせいなのか、何なのか、不明だけど、とっても良かった。ありがとう。願わくば、足を運んでくれた人がハッピーになってくれたなら、俺は嬉しい。多謝&再見。

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by 山口 洋  

Strikes back! 重要なお知らせ from 山口洋

2006/03/01, 19:26 | 固定リンク

3月1日 水曜日 雨 

 昼過ぎの新幹線で東京に戻りました。明日は京都です。当然、岡山からの帰り道で、京都を通過するんだけど、俺には帰らなきゃならない理由があるって訳で。そうそう、明日の京都には某SFUのN川敬が遊びにくるとか、来ないとか。

 さて、今日は大事な事をお伝えします。

 突然ですが、3月18日にヒートウェイヴはマキシシングルを発表します。(何年振りだろ?)このシングルは"HEATWAVE STRIKES BACK"シリーズと題して、今後何枚か発売されるパッケージの第一弾となるものです。シリーズタイトルからもお分かりの通り、内容は現在のヒートウェイヴによる旧曲のセルフカヴァーです。この緊急リリースに関して、みなさんにお伝えしておきたいことがあります。

 ヒートウェイヴのエピックソニー在籍時の音源はすべて廃盤となっています。その権利はアーティスト側の及ばないところにあります。既にこのblogでお伝えしているように、配信に関しても自由にならない状態が続いています。この問題を解決しようと、僕自身も交渉の場に臨みましたが、一向に事態は好転しません。そこで前作「Long way for nothing」をリリースしたレーベルBMtunesの協力のもと、かつての曲を新しい形で再録し、リリースしていくことにしました。再録と云っても、現在のメンバーで長い間ライヴで磨かれてきた曲なので、かつてのものとはまったく違う形に進化してます。ぶっとびっすよ。踊れるよ。期待して下さい。この音源は1000枚限定のシングルとして、3月18日からライヴ会場で販売、続いてネットにおける通信販売が行われた後、準備が整い次第、配信に回されます。

 またBMtunesは「HWニューアルバム・プロジェクト」にも賛同してくれ、積極的にプロモーション協力したいとの申し出がありました。その一環として、このシングルにはニューアルバムに収録を予定している曲のトライアルヴァージョンが収録されます。(もちろんフルコーラスです)そして、このヴァージョンはニューアルバム・プロジェクトの賛同者特典として、3月9日よりこのサイトにて賛同者のみの先行試聴が出来るようになります。試聴のためのパスワードは賛同者のみなさんにメール、もしくは郵送にて送られます。詳細はこのサイトにて発表するので、今しばらくお待ち下さい。

 更に、3/18のマキシシングル発売後、トライアルヴァージョンはmf247で全ての人の試聴が可能になるようにしたいと考えています。

 このところ、初めての試みが続いているので、いろいろと至らない点があると思いますが、協力してくれる人々の力を借りて、音楽を取り巻く状況を変えていきたいと考えています。いろんな経緯や想いが交錯していますが、とにもかくにも、まずはこのシングルで、現在のヒートウェイヴのパワーとセンスを受け取ってもらえたら幸いです。意見、要望があれば、何なりと。引き続き、みなさんの賛同をお待ちしています。にゃー。

HEATWAVE STRIKES BACK! シリーズ第一弾

1. NO FEAR STRIKES BACK!
1994年リリース、アルバム「No fear」収録曲。

2. CARRY ON
同じく「No fear」収録曲。

3. フールとクール(ballad of middle age) - トライアルヴァージョン
来るべきニューアルバムに収録予定曲のトライアルヴァージョン用MIX。

4. SESSION#1
スタジオにおけるセッションのコラージュ。

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by 山口 洋  
- end -