出発の歌

2006/07/31, 23:54 | 固定リンク

7月31日 月曜日 晴れ 

 終わるときに 始まるものを
 諦めたときに 手にするものを
 すべて 心に刻んだのなら
 愚かな心に風を 出発の歌

by 山口 洋  

言葉とメロディー

2006/07/29, 23:10 | 固定リンク

7月29日 土曜日 晴れ 

 多くの人に、「歌詞から先に書くんでしょう?」と云われる。そんな事はない。稀に(本当に稀に)言葉とメロディーが魔法のように同時に降ってくることがある。そんな時はあっと云う間に完成する。いつもいつも、それを願ってはいるけど。大抵の場合、漠然とした風景が目を閉じると見えてくる。そんでもって、ギターを握って、何分かの間にそれをメロディーにする。そこまでは楽しい。でも、そこからは道なき道っつーか、悪路に次ぐ悪路っつーか、その風景を言葉にするのに七転八倒する。目を閉じれば、見えるんだから、言葉にする必要はない。サントラ作ってんのは楽しい。それじゃ人には伝わらない。誰が主人公なのか、そいつは幾つなのか、性別は?性格は?その日の天気は?考えだしたらキリがない。まぁ、確かにちょっとした映画監督のようではあるが、主観と客観を繰り返すうちに訳分からなくなってくる。言葉は俺が発明した訳じゃないから、必ず手垢がついている。メロディーも同じ。100%俺が発明しました、なんてことはない。でも、それも仕方がない。ブルースだって何だって、そうやって進んできたんだから。その組み合わせと、閃きの中で、オリジナリティーを追求する。気がつくと、大量の言葉を書き散らしていて、収拾がつかなくなってくる。どんなに削っても、捨てられない言葉が出てくる。勢い、メロディーをブチ壊してまで、採用したい言葉が勝つことになる。結果、「歌詞から先に書くんでしょう?」っちゅー、質問に繋がるんだろうね。あぁ、こうやって俺の思考までループしてる。

 フジ・ロックから日帰りしたのは、恐怖の締め切りが迫っているからだ。まずは俺が歌う曲じゃないからして、言葉の数がびっちり合っていなければならない。胃が痛い。でもシンプルな言葉の中にある力をずっと探している。言葉に長けている人たちのアイデアも聞きつつ、探している。年齢にいくつ差があったとしても、ある物事に対して、見えている景色はほぼ同じだった。それが不思議で、興味深かった。だから、誰もが知っているシンプルな言葉、、、、、。嗚呼、それが難しい。アーメン。

by 山口 洋  

2つのロック・フェス

2006/07/28, 23:13 | 固定リンク

7月28日 金曜日 曇り 

 日帰りフジ・ロック。昼過ぎに家を出て、車を運転して苗場まで行って、演奏して、また戻る。
 フジ・ロックでギター一本っちゅーのもなかなかないんだろうと思ったから、ゆったり演奏するつもりだったけど、そうは問屋が卸さなかった。隣のステージから爆音が響いてくるし、途中でPAが壊れるし、照明に引き寄せられた沢山の虫たちが口の中にまで入ってくるし。今更ながら、ライヴっていろんなことがあるねぇ。温かい声援を送ってくれたお客さん、ありがとう。関わってくれた人々にも深い感謝を。今度は是非、バンドで呼んで下さい。俺も次は爆音出したい。
 ヘロヘロになって、家に帰ったら、敬愛する写真家、斉藤亮一さんから新しい写真集が届いてた。彼が人や街を見つめる、その体温はいつも変わらない。僕も願わくば、このような人物で居たい。それは同じ日に経験した、もうひとつの静かなるロック・フェスだった。ありがとう、斉藤さん。
http://members3.jcom.home.ne.jp/saito-r/MONO/mono.html

by 山口 洋  

on the road,again vol.2

2006/07/27, 23:50 | 固定リンク

7月27日 木曜日 晴れ 

 うおりゃー。そんな訳で、ギター一本抱えて、また日本を廻ります。前回、あまりのハードスケジュールゆえ、肉体の限界を感じたので、少しユルめに廻ります。いろんなゲストも来てくれます。でも、あとひと月もないやんけ、と怒りの声も聞こえてきます。ごめんね、本当に。足を運んでくれる人はもちろんのこと、いろんな場所で、僕の音楽のために力を尽くしてくれている人たち。それはライヴでお返しします。「on the road, again」と「again」がついていながらvol.2ってことは、ずっとこのシリーズは続けるつもりです。自分の原点として。なので、今回行けない場所に住んでる人も、落胆しないで下さい。今回のツアーで、音楽を磨いて、新しいアルバムのための最後のレコーディングに突入するつもりです。毎度のことだけど、1本たりとも同じライヴにはしないつもりです。会えるのを楽しみにしています。じゃ、明日はフジ・ロックで。

by 山口 洋  

コンドー祭り

2006/07/25, 23:16 | 固定リンク

7月2日 火曜日 曇り 

 近藤智洋の最近の活動には目を見張るものがあった。何から何まで独立独歩。いい感じでオヤヂ化しているところも、また捨て難し。
 そんな奴がアルバムに参加した人間を集めて、ライヴをする。通常イベントってものは、何故かその道のプロがいろんなところに介在すると、途端に「仕事チック」になるものである。でも、今日の会場は近藤の人間力によって、集まった人々の力が充満していて、それが気持ち良かったのだ。若い世代のミュージシャンと演奏するのも、愉しかったし、ひっさしぶりにボリュームをフルにしてグレッチを弾いたよ。お疲れ。コンドー。キミももう思ってるほど若くないんだから、あんまり無理しないように。でも、今日は終わりじゃなくて、多分始まりなんだから、今後に期待してるよ。朝方まで、久しぶりに飲んだけど、奇妙な爽快感が身体を包んでいた。それは彼の音楽に渦巻いているものにほぼ等しいと、俺は思う。
  

by 山口 洋  

歌を書くこと

2006/07/24, 23:28 | 固定リンク

7月24日 月曜日 曇り 

 オート・カッターのないファックスから排出された、つながった大量の誰かの人生。そして、思考の渦の中に引き込まれる。
 出発とか、欲望とか、野性とか、永遠とか、沈黙とか、弔いとか、憧れとか、帰る場所とか、激しいドラムとか、リズムとか、危うさとか、海原とか、地下室とか、王とか、長島とか、悪魔とか、魔法使いとか、エトセトラ。そして、結局何処にも辿り着くことなく、はっと我に返る。その間、俺はNYにも、アフリカにも、福岡にも、吉祥寺にも、古代エジプトにも、ドラム工場にも、スコットランドの丘の上にも、後楽園球場にも足を伸ばした。頭蓋の中で。アーメン。手垢にまみれた慣用句の羅列から、シンプルな言葉があぶり出しのように浮かび上がってくるまで。普遍で不変のその言葉。やっかいな職業で、云い得ぬプレッシャーで、面倒なことに、それが愉しい。クソっ。そこにぴたっと、奇蹟のようにはまる言葉が見つかるまで、仮面ライダーの触覚のようなものをビンビンに張ったまま、この日々は続きゆく。
 ふと、思い出したブコウスキーの言葉。「言葉を探すのに苦労するのなら、何かが間違ってるんだ」。うぐぅ。そ、そうかもしれん。今日はバンザイしよう。こうして、俺はまた夜の鳴門の渦(何やそれ?)に引き込まれるのだった。アーメン。

by 山口 洋  

恐るべし、15歳

2006/07/23, 19:25 | 固定リンク

7月23日 日曜日 曇り 

 ギタリスト15歳。我が家に宿泊。ふむ。じゃぁ、二人で音楽創ってみるか。ここで、公園でキャッチボールとか、サッカーとか出来ないところが哀しい。だって、近所にそんな場所ないんだもん。
 奴はレッキとしたクラッシックの教育を受けている。譜面バリバリ、トリルでさえ、ちゃんと弾きこなす。かたや(俺)、破れ侍。約3時間、あーだ、こーだ云いながら、二人で謎の音楽を作った。奴の先生がこの光景を見たら、「何じゃー、その教え方は」と絶句したかもしれんが、本来音楽は自由なはずなのだ。奴が最後に生まれて初めて、エレクトリック・ギターのソロを弾いた頃には、すっかり音楽をその「body」で捉えていた。伝えたかったことはただひとつ。「Don't think!」。頭ではなく、音楽を「流れ」で受け止める。その上で、あのようなテクニックを駆使したならば、多分奴は凄いミュージシャンになるだろう。
 俺は代わりに英語のレクチャーを受けた。「Hey! ヒロシ」。「sit」と「shit」の違い、ちゃんと云える?「云えねーよ」。「Can I sit here?」。ちゃんと二つの単語を云い分けないと、大変な事になるよ。分かっちゃいるが、「sit」と云えず。はは、ま、いっか。

by 山口 洋  

真夏の宴

2006/07/22, 23:08 | 固定リンク

7月22日 土曜日 曇り 

 メロディーが枯渇したところで、近所の某君主催の宴に行く。母上が遺した邸宅の庭に、屋台とDJを入れた宴だ。日々クソ忙しくて、本当に「忙しい - 心を亡くす」状態が続いていた俺にとっては、ゆったりと時間が流れるのを久しぶりに感じていた。つまりは時間の使い方が下手なのだ。都会の地下室で作業をしていると、ノってくるのが決まって深夜になる。いきおい、目覚めるのは当然昼。こうして、昼夜が逆転した日々が続くことになる。アーメン。
 ところで、NYから僕の友人の息子 - つまり俺の息子みたいな奴(15歳)が来てるんだが、奴は素晴らしいギターを弾くので、宴に連れて行った。奴は臆することなく、居合わせた人々を前に、2曲演奏した。うーん。肝が坐ってるっちゅーか、何ちゅーか。恐るべし。

追伸
問い合わせが沢山あった、今回のツアーのBGM。それは「Beth Orton」の「Comfort Of Strangers」です。詳細を知らず、久しぶりにジャケ買いしたんだけど、ジム・オルークの素晴らしきプロデュースと相まって、なかなかの名盤です。

by 山口 洋  

the rocky road to heaven

2006/07/21, 19:26 | 固定リンク

7月21日 金曜日 曇り 

 一仕事を終えて、魂は一時的な抜け殻になる。もう出すものは何もない。少しだけ休ませてくれ。そこに次々と目眩のするような「現実」が無機質な文章で報告される。さすがにヘコむ。その字の如く魂が「凹」こんな感じになる。誰かに電話をする。その道のプロと呼ばれる輩に。さすがに年季が違う。ちょっとだけ救われる。

 「凡骨の歌」ってアルバムを出した頃、自分を底まで削ってみたことがある。あまりの浅さに笑うしかなかった。だから、鞄にペンとノートを詰め込んで、外に出た。世界はとんでもなくデカかった。ふふ。今回ツアーをやって、ダークサイド・オブ・ザ・ムーンを吐き出してみた。そしたら、やっぱり頭の中に「London Calling」が鳴り出した。大した曲じゃないけど、確かに1979年に俺の人生は変わったのだった。「オマエはもうレールから外れたのだ」と複数の教師から宣告されたけど、これがあれば大丈夫だった。

 the rocky road to heaven

 俺には自分を鼓舞するための音楽が必要なことに気づいた。日々は「闘い」だ。今の俺にとっては。グルーヴかもしれんし、エレクトリック・ギターなのかもしれん。でも、それは多分、みんなが大声で歌いたくなるようなものだ。書くことで、歌うことで、伝えることで、そこからフィードバックされるもので、エネルギーが溢れてくる。そんなものを書こうと、俺は静かに燃えている。

by 山口 洋  

先達

2006/07/20, 23:34 | 固定リンク

7月20日 木曜日 雨 

 大先輩がわざわざ俺の仕事場まで足を運んでくれた。彼のソロ・アルバムのために、2曲書くことになった。岩のような口から語られたその人生は、まるで永遠に続くジェットコースターのようで、俺が知らないことだらけで、あり得ない物語を聞いているようだった。あまり時間もないし、このような人物が歌う曲を俺が書いていいのか、と云うプレッシャーもある。けれど、彼が音楽を語る時、その鋭い目は少年のように輝くのだった。世代を超えて、みんなが大声で歌いたくなるような曲を書こうと思った。マーチのリズムに乗せて、ずんずんと進んでいくような人生と云う旅の歌。彼が帰ってから、大声でオーディエンスが歌っている姿を夢想してメロディーを書いた。それは随分前に曲を書き始めてから、初めてこみ上げてきた欲求だった。同時に、それは新しいアルバムに欠落していた要素でもあった。こうやって、人との出会いが、新しい境地に必然として連れて行ってくれる。キツいけど、音楽の旅は悪くない。
 別れしな、ディランがジョニー・キャッシュのために書いた曲が入ったレコードをプレゼントされた。大事にしようと思う。

 

by 山口 洋  

No regrets

2006/07/19, 15:32 | 固定リンク

7月19日 水曜日 雨そして雨 

 ツアー「now and then」、東京公演をもって終了しました。忙しい中、足を運んでくれた多くの人に、心からありがとう。願わくば、それぞれに何かが伝わっていますように。

 チャレンジ、音楽の持つ力、ファンタジー、現実、愛、静かな怒り、抱擁、得意技、痛み、伝統芸、そして何よりも「今」を生きていること。それらのバランスをとりつつ表現することは、僕らにとっても難しいものでした。時に、見事なまでにほころびたり、パスが繋がらなかったり。けれど、それぞれの会場で「宝石」のような瞬間も発見することができました。周囲や他人と比較すると、どうにもこうにも息苦しくなるものです。自分たちのレーベルに「no regrets」と名付けた時から、頭蓋に渦巻くものを表現することに全力を尽くそう、プロとして。そう思って続けてきました。今となってはそれが正しかったと思えること、こうしときゃ良かったと思えること、いろんな事があります。ただ、ひとつ。やらずにこの想いに辿り着けなかったことだけは確かです。今も昔も、音楽の持つ力をバカみたいに信じています。そんな意味で、変わらぬ体温で僕らをサポートしてくれた皆さんに心から感謝しています。ありがとう。
 
 この時代に生きる者のファンタジー。それを探して、相変わらず、グラデーションの中に居る日々は続いています。ただ、絵空事ではなく、それは存在しています。少なくとも、頭蓋の中には。だから、アルバムを作り上げる前に、もう一度、ギターを抱えて全国を廻ります。11月には(ごめん、東京だけだけど)、バンドでもう一度ライヴをやろうと思っています。

 ありがとう。アゲイン。また会う日まで。

by 山口 洋  

灼熱の大阪にて

2006/07/14, 14:29 | 固定リンク

7月14日 金曜日 晴れ 

 暑かった。ライヴが、じゃなくて、今日の大阪は本当に暑かった。
 バンドは昨夜もじっくり飲み屋で長めのミーティング(うそ。ただ飲んでただけです)した甲斐があって、グルーヴィーになってきた。いい傾向だ。既に2日前とは違うバンドになっていた。俺たちは長い間、大阪ではバナナホールで演奏してきた。今日の会場には何の罪もないのだけれど、出来れば、バナナに戻りたい。
 今日の虹にはブルーも混じってたな。そうそう、昨日の移動日。ローディー君がパーキングエリアで事もあろうにAC/DCのDVDを買ってきたのよ。車内で退屈しのぎにみんなで見てたんだけど、結局最後まで観てたのは乗り物で眠れない俺だけだった。好むと好まざるとに関わらず、俺はアンガス・ヤングを2時間みっちり観てしまったのです。今日のステージで意味不明な動きをしてたとするなら、それはすべてこのDVDのせいです。哀しい。

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by 山口 洋  

移動日

2006/07/13, 23:10 | 固定リンク

7月13日 木曜日 晴れ 

 ここからはコースターバスに揺られて、楽器と共に移動する。せっかく故郷に帰ったってのに、墓参りにも行けなかった。この先祖不幸者。本当に久しぶりに渡辺某の母上にお会いしたんだけど、何だかぐっときたなぁ。昔、貧乏ツアーをやってた頃、彼女の激うまおにぎりがなかったら、今頃ヒートウェイヴってバンドは存在してないもんね。
 関門橋を越えて、バスは本州に入った。関門海峡を眺める渡辺某と池畑さん。この写真、我ながら、いいね。

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by 山口 洋  

ベリー・初日

2006/07/12, 23:06 | 固定リンク

7月12日 水曜日 晴れ 

 寝不足のまま飛行機に乗って、故郷に帰った。空港を出て、驚いた。ここはグアムか?そんな空気だった。東京との距離、約1200キロ。九州の方が陽が随分長い。おまけに山笠のシーズン。でも、この暑さはちょっと懐かしい。濃い夏の海辺の匂いが郷愁と共に蘇ってくる。あぁ、九州に帰りたいと、訳もなく思った。

 随分前にこの街で音楽を始めて、今に至る。何もかも、変わってしまったような、何ひとつ変わらないような。ただ、やればやるほど、音楽は深淵なものだと云う想いは深まるだけ。よく、「あなたの音楽はどんなジャンルですか?」と訊かれるけど、もう「我々の音楽です」としか云えなくなった。得意な技もいくつかある。確かにある。けれど、今回はそういうエンターテイメントではなく、あくまでも前に進んでいる姿(途上の路だったとしてもね)を見てもらいたかった。
 いや、久しぶりに不自由な自分たちを多いに発見した。例えるなら、ベリー・初日。パスが繋がらない、ゴールが決められない。昔なら、思うに任せない自分にキレてたところかもしれん。でも、不思議とそんな感情は湧いてこなかった。新しい途上の音楽にベリー・集中している事にわずかなコーフンを覚えていたから。それらのポテンシャルと云うものが、良くも悪くも如実に見えてきた。故郷で、人々の前で演奏することによって。
 イベンターから訊いたのだけれど、当日沢山の人が仕事の都合をつけて、見に来てくれたのだと。本当に嬉しい。ありがとう。我々が今、提供しようと思っているエンターテイメントはとっても分かりにくいかもしれん。1曲目からノリノリ、総立ちって類いのものでは決してない。でも、我々も何処に辿り着くのか不明な旅を、見ている人々にもそれぞれの形で楽しんで欲しい。少し傲慢かもしれないけれど。今日の虹には「茶色」が混じっていたと思う。ありがとう。

 飲み屋に場所を移して、イベンターやスタッフやもちろんメンバーも含めて、いい言葉が見あたらないけど、このバンドになって初めて「反省会」のような流れになった。もっと良くなるはずだ。ここはこうした方がいい。それはとても実りのあるものだった。来てくれて、ありがとう。当たり前だけど、聴いてくれる人たちが居て、俺たちが居る。重ねて、ありがとう。願わくば、楽しんでくれたかい?

 そうそう。中学の時の同級生が来てくれたんだ。K、お前だよ。ありがとう。27年振りだな。誰だか、全然分からなかったよ。「場違いだ」って云ってたけど、そんな事はない。ちびっこだって、おばあちゃんだって、誰だって来て欲しい。もし、気に入ったなら、また足を運んでくれ。

 沢山の友人たちに囲まれて、久しぶりにみんなで飲んだ。いい酒だった。池畑さんが店にあったギブソンのJで何故か「love is like a HEATWAVE」を弾き語ってた。ふふ。「じゃ、勘定を」。「1000円で」って、それはないだろう?俺は少なくともビール7杯は飲んだぜ。

 何にせよ、ありがとう。会えなかった友人たちにも、ありがとう。俺たちの旅は続きます。また帰ってくる日まで、どうかみんな元気で。

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by 山口 洋  

リハーサル終了

2006/07/10, 23:05 | 固定リンク

7月10日 月曜日 曇り 

 やれる事は全てやって、楽器たちは積み込まれました。今年、バンドでの最後のツアーになります。みなさんに会えるのを楽しみにしています。

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by 山口 洋  

リハーサル2日目

2006/07/09, 21:36 | 固定リンク

7月9日 日曜日 雨 

 夏の香りがするね。リハーサル2日目。あんなことも、こんなことも試してます。

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by 山口 洋  

rain-bow

2006/07/08, 22:40 | 固定リンク

7月8日 土曜日 晴れ 

 Have you ever seen the rainbow?

 完璧な虹を観たことがありますか?たもとから昇り、たもとへ沈むまで。完璧かどうかは不明だけど、俺は「おぉっ」と声が出そうなやつ、2,3度観たことがあります。ひとつは幼少期を過ごした久留米で、もうひとつは流浪中のアイルランドで。その両者の間には数十年の月日が横たわっています。どちらとも、そのアーチを彩るものは7色ではありませんでした。グラデーションの中で、それらは無限大の色のパレットのように見えました。いつからか、誰からか、虹は7色だと。でも、多分、それはそうじゃないと思うのです。グラデーションのような、ある意味「曖昧な」日々の中で、境をぼかしていくこと、でも可能性は無限大だと思うこと、自分を特定の色だと規定してしまわないこと。ある人との会話の中で、そのような大きな存在の虹が、心に確かに立ちのぼってきたのです。

 バンドはリハーサルに入りました。福岡のライヴはウィーク・ディと云うこともあり、イベンターと話し合って、開演時間を遅めにしました。終演後、熊本くらいなら、何とか帰ることができるそうです。是非、虹を観にきて下さい。

by 山口 洋  

いくつになっても

2006/07/07, 21:42 | 固定リンク

7月7日 金曜日 晴れ 

 レーベルから前触れもなしに、完成した新しいマキシシングルが送られてきた。こうやって、自分たちの意思で作られたものが、完成するのは嬉しい。3曲とも、思いきりアラレもない方向に振り切れた音楽が、人々の生活を少しでもハッピーにしてくれたら、云うことはない。初めて、自分たちの金をかき集めて「レコード」を作ったのは、もう22年も前のことになる。針を落として、音がスピーカーから出てきた時の気持ちを忘れずに、これからもやっていきたい。

 沢山のリクエストをありがとう。あぁ、そんな曲もあったねぇ、と妙な感慨を覚えました。普段、昔の曲を聞いたりしないんで、これを機会に聞いてみました。「穴があったら入りたい」ものもあったけど、妙に今の心境に訴えてくるものもあったりして、不思議な気分でした。明日からのリハーサルで、今の自分たちと照らし合わせて、いろいろとやってみます。

 この季節、寒暖の差、下がる事のない湿度、早期の夏バテ、クーラー、飲み過ぎ、その他もろもろ。どうか身体には気をつけて。ヒートウェイヴ浴びて、元気になって下さい。にゃん。

by 山口 洋  

無知の知

2006/07/06, 21:12 | 固定リンク

7月6日 木曜日 曇り 

 この何日か、音楽からわざと遠ざかっていた。ツアーの前に、一旦音楽を頭から追い出したかったから。
 その間、とある工芸品のブツ撮りをして、ファイルする作業に没頭していた。俺はカメラマン。門外漢だから、始めは右も左も分からないのだけれど、匠の技に裏打ちされた伝統と技術に、次第に感嘆を覚えるようになった。これをどんな気持ちで創り上げたのか、どれだけの時間を費やしたのか。ひとつひとつの値段は決して安いものではないけれど、大事に使えば、何代に渡っても輝きを失わない。どんな道であれ、極めると同じ場所に繋がっている事を実感した。素晴らしい。

by 山口 洋  

ツアーの話その2

2006/07/05, 20:16 | 固定リンク

7月5日 水曜日 曇り 

 昨日は素晴らしい魂と対峙して、今までに知ってる類いじゃない、不思議な感動を覚えた。その魂は良く知ってるはずのものだったけれど、実のところ俺は何も知ってはいなかった。またひとつ、深く学んだ。心の底からありがとう。
 
 中田英寿選手の文章には、老成と達観、瑞々しさ、再生、経験、伝承、人生の目的、そして20代男子ならではの心持ちが混在していて、興味深かった。何にせよ、熟考の末に書かれたそれは決意と感謝に溢れていて、素晴らしかった。「自分探し」と云う、俺が書けない単語を選んでいるところに「逆イエローカード」をもらった気がした。何にせよ、アゲイン。彼の人生は彼のものだ。ありがとう。

 「now and then」。もうすぐリハーサルが始まります。既にお伝えしたように、1部は新しい曲を、2部は今までの曲を主に演奏しようと思ってます。「明日のために靴を磨こう」。実のところ、再録音するまで、この曲があった事すら忘れてました。でも、あらためて今のバンドで演奏してみて、失ったものと得たもの、変わらないものと変化したもの。いろんな事が音楽に含まれていることに気づきました。昔も今も、ツアーに出る前の日に靴を磨く習慣は変わりません。
 「ミスター・ソングライター」。その曲をやってくれとのリクエストに応えてみると、書いた時に自分の胸にこみ上げてきたものが、相変わらず自分の中に存在してることに気づきました。「あんた、何をそんなに熱くなっとるん?」みたいな。俺の一存じゃ、何とも云えないけど、もう一回バンドに投げかけてみようと思います。全てのリクエストには応えられないけど、聞きたい曲があれば、何なりと。

by 山口 洋  

ツアーの話

2006/07/03, 19:18 | 固定リンク

7月3日 月曜日 晴れ 

 そろそろ、ツアーの話をしなきゃね。
 子供の頃、野球を観に行くのが好きでした。殆ど外野だったけど。チケットを買って、高鳴る胸を押さえて、階段をダッシュで昇る。目の前に拓けてくるスタジアム。毎度ながら「うぉーっ」っと訳もなく感動するのでした。打球の生音とか、おっさんのヤジとか、その他もろもろ。観客もまばらな、パ・リーグの試合はそのまま「人生劇場」でした。100円くらいで売られてた、ロクに茹でてもないようなうどん。それがどうしてあんなに美味かったのか?おっさんのヤジは何であんなにウィットが効いてたのか?これって、俺のノスタルジーなんだろうか?でも、残念ながら、野球がドームで行われるようになって、あの「うぉーっ」と云う感覚が失われてしまったのです。

 音楽もまたしかり。失われた「うぉーっ」はもうないのだろうか?僕はそうは思わない。酸いも甘いも噛み締めて、それぞれが、それぞれに「うぉーっ」と感じることが出来る空間。それを作り出せたら、といつも思います。仕事が忙し過ぎて、あるいは家事が忙し過ぎて、エトセトラ。いろんな理由があるんだろうけど、そんな人たちが気軽に足を運ぶことが出来る空間にしたいのです。続く。

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by 山口 洋  

失われた一日

2006/07/02, 23:01 | 固定リンク

7月2日 日曜日 天候不明 

 「寝よう」と思った。何も考えず、とにかく寝るのだ。おまえは疲れてる。もうすぐツアーのリハーサルも始まることだし。
 で。自分でも呆れるくらい寝た。玄関に押し売りが来ようとも、電話が鳴ろうとも、食事も、すべて拒否。眠ることに飽きるまで、じっとしていたら、モーレツに腹がへってきた。「何だ、俺って生きてるんだ」とアホのような事に気づいて、パンを喰った。アーメン。

by 山口 洋  

雨のカリフォルニア

2006/07/01, 23:53 | 固定リンク

7月1日 土曜日 驟雨 

 ひとこと。長かった。もう辿り着かないんんじゃないか、と思った。車で完成した曲を聞きながら、首都高を走った。羽根を付けたら飛びそうだった。嬉しい。

by 山口 洋  
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