手強かったぜ、沖縄。

2007/11/30, 11:10 | 固定リンク

11月30日 金曜日 晴れ 

 半年かけて、全国を廻ってきたのだけれど、沖縄のオーディエンスが持ってるものは、何処のものとも違っていた。終演後、地元の人からいろんな話を聞いて、「そうか、なるほど」と膝を叩くこと、多数。芸人として、俺、まだまだすね。教えられたす、沖縄。某人から「ヒロシが青い海と広い空をバックに伸び伸びと歌ってる姿が想像できん」と云われたんだけど、それは来年の俺のひとつのテーマかもしれんすね。桜坂劇場、運営理念も含めて、素晴らしい場所でした。ありゃ、確かな文化の担い手だ。カフェがあり、本屋があり、レコード屋があり、映画館があり、そしてライヴが行われる。人々が有機的に繋がっている。俺は新しい可能性を観たす。ありがとう。か、な、ら、ず、戻ってきます。多謝&再見。

追伸
今日はon the road, again vol.3。遂に最終日です。今から石垣島に飛びます。「青い海と広い空、待っとれよー」。チバリヨー、自分。

by 山口 洋  

ラニー家の人々、沖縄にて。

2007/11/29, 09:38 | 固定リンク

11月29日 木曜日 曇り 

 久しぶりの沖縄は異国の香りがした。この数年間、あまりにもドメスティックな活動をしてきたからかもしれんけど。到着するやいなや、ラニー家の人々から電話をもらって、お邪魔することになった。ドーナル・ラニーは俺の音楽の先生である。彼からは本当に沢山の事を学んだ。英子さんの手料理を頂きつつ、積もる話に花を咲かせた。愉しかったなぁ。Lifeってのはつくづく不思議なもんだね。

by 山口 洋  

made in Aso、その後

2007/11/28, 16:09 | 固定リンク

11月28日 水曜日 曇り 

 今回、俺のソロ・アルバムを通販以外に、言わば「山口洋認定ショップ(偉そうにすいません)」にしか置かなかったのには訳があるとです。アルバムをリリースする度に、我々はインストア・イベントのような形で全国を廻ります。大抵はメガ・ストアが中心です。語弊のないように書けば、中には「音楽に愛情を持って接している人」も居ました。けれど、大抵の場合、ひどいものでした。思い出したくもないので、起きたことは書きませんが。「音楽」を売って、それを生業としているのなら、それに対しての「商品知識」と「愛情」と「プライド」を持つのは当然です。後はイマジンして下さい。
 バンドのアルバムをこのようなやり方で売っていくのは、さすがにリスキーだと思います。自ら販路を狭めている訳ですから。けれど、ソロならそういう実験もありかな、と。このレコード不況の中、音楽に愛を持って接している店はもちろんのこと、まったく音楽とはかけ離れた業種でも、そこに集う人々には何がしか伝わるものがあるだろう、と。逆にこのアルバムを買いに来てくれた人々が、そのお店のポリシーに興味を持ってくれて、何かが広がっていくのではないか、と。些細な動きではありますが、そのような事例が沢山報告されています。我々が野菜がなければ生きていけないように、音楽もしかりだと、僕は思うのです。このアルバムに関しては、著作権を除いて、すべての権利を僕個人が有しています。ですから、自分が思うように、誰の阻害を受けることもなく、自由にやり取りが出来るのです。やっと、ここまで来たか、と思っています。道のりはまだまだ遠いけれど。何であれ、沢山のサポートをありがとう。お店のリストは「made in Aso特設サイト」に載っています。随時、更新します。是非。

 先日、九州に滞在していた時のことです。生まれ故郷に「Loft(大型雑貨店)」が出来たとです。ちょうど九州の魂とも云える、稲尾和久さんが亡くなった頃で、僕はテレビを観ていました。そこに高名なコピーライターが一日店長として現れ、「九州(福岡だったかも)に足りなかったのはLoftだ」。とのたもうたとです。僕は脳味噌が沸騰するのを感じました。ある種の人にとって、それは云えとるのかもしれん。でも、少なくとも、僕にとって、そのタカビーなモノ云いは我慢ならんものでした。もちろん九州にLoftが出来ることを否定しません。そんな権利もないし。ただ、我慢ならんのはそのモノ云いなのです。随分前、小倉に「ラフォーレ原宿小倉」っちゅー店が出来ました。もうなくなったけど。それと同じです。何故「ラフォーレ小倉」じゃないのか?僕にはまったく理解できないのです。最近のblogに引用したように、この時代に生きる人々には「全体的なものの見方」が必要だと思います。自分に甚だそれが欠けているとも思います。だから、自分に出来ることをやっていくことでしかないのです。前を向いて、背筋を伸ばして、いつもより少しだけ遠くを見つめながら。

 明日から沖縄です。実に久しぶりです。会えるのを愉しみにしています。

by 山口 洋  

些細なハピネス

2007/11/27, 19:30 | 固定リンク

11月27日 火曜日 曇り 

 東京に戻ってからも、凄まじい日々が続いていました。相変わらずやらなきゃならん事は山ほどあるのですが、ようやく人間らしい暮らしが出来る程度には落ち着きました。欲していたのは、自分のベッドで眠るとか、自分で作ったものを喰うとか、夜には風呂に入って「んがーっ」と叫ぶとか、眠る前に本を読みつつ睡眠に落ちていくとか、エトセトラ。嗚呼、情けな。
 考えてみると、最後に自分の食卓できちんと飯を喰ったのはいつだったんだろう?みたいな。そりゃ身体も壊れるわな。買い物に行って食材を眺めて(愉しい!)、結局手にしたものは小松菜とか、ネギとか、ちりめんじゃことか。白いご飯と九州の味噌汁と小松菜のおひたしと、エトセトラ。それらを小鹿田焼の大将が作ってくれた器に乗せ、アイルランドから送られてきたキーラのカラムのソロ・アルバムを聞きつつ、食したとです。至福。ハピネスとはこの程度のことです。俺にとっては。なんて事を思っていたら、やっぱり電話が鳴って、今から急遽打ち合わせに出かけるとです。嗚呼、無情。

 さて、明後日から俺は沖縄に飛びます。で、戻ってきたら、北海道に出かける前に、急遽下記のイベントに出演することになりました。映像と絵と音楽のイベントです。「Land of music/ the rising」のプロダクト・スーパーバイザー、並びに映像を手がけてくれた渡辺太朗君の誘いです。彼等の映像や絵画を観ながら、それに反応して、久しぶりにグレッチ・カントリージェントルマンを弾きまくるつもりです。半分は歌うとは思うけど。多分にインプロヴァイズされた空間になると思います。席に限りがあるそうなので、興味のある方は早めに予約してくれっちゅー伝言です。

MONTHLY AOP SESSIONS FINAL
門秀彦+渡辺太朗×山口洋

http://subterranean-mood.blogspot.com/2007/11/aop-final.html

・12月7日(金)
・渋谷SPUMA http://www.spuma.jp/
 渋谷区神南1-17-4神南ビルB1F tel.03-3770-8657
・19:00 OPEN/20:00 START
・チャージ2,500円 +Food & Drink
・予約:03-3770-8657 (SUPUMA)

※席に限りがございますので、満席になり次第
 ご入場を制限させていただく場合がございます。
 ご来場の際には、早めにご予約を!

追伸 カラムのアルバム、素晴らしいっすよ。静かで、とても心に沁みます。キーラのサイトから買えると思います。

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by 山口 洋  

全力の日々

2007/11/26, 02:45 | 固定リンク

11月26日 月曜日 晴れ 

 押忍。ご無沙汰してました。山口洋です。東京に居ます。
 文字通り、全力の日々でした。ランナーズ・ハイと疲れきった身体と喉と。でもどうにか峠まで辿り着きました。心は元気です。ご心配なく。関わった人間どものほとんど「執念」、そして「理想」が詰め込まれた作品、「Land of music/ the rising」。来月頭には詳細等をお伝えできると思います。いろんな人間の想いがパイのように幾重にも重なっていくうち、とんでもないものになってしまいました。ヒートウェイヴ(メンバーだけではなく、関わった全てのクリエイターたちの)のエネルギーと創作の集合体です。静かに、激しく渦巻いて、燃えています。しばしお待ちを。

 on the road,again vol.3。約半年かけて日本全国を廻ってきました。残すは今週の沖縄と石垣島です。南の島で旅を終えるっちゅー、まったく自分らしくないところが気に入っています。喉もそれまでには治しておきます。是非。旅の途中で出会った、あまりにも沢山の人々、そして想いは僕の中で発酵し続けています。それを来年の活動の中で音楽にするつもりです。心からありがとう。

 僕の初めてのソロ・アルバム、made in Aso。「弾き語りなんて今時」っちゅー揶揄にも負けず、沢山の人が手にしてくれています。最初、プレス工場から送られてきた段ボールの山を見て、軽く目眩を覚えたのですが、そろそろ追加プレスをせねば、っちゅー感じになってきました。ありがとう。通販サイトでは全曲試聴が出来ます。それから、このアルバムを置いてくれているお店の情報もアルバム特設サイトに載っています。随時、追加更新していきます。いろんな人々がレコード店だけではなく、それら魂の入ったお店に、足を運んでくれている、と。嬉しく思っています。ありがとう。

 12月には旅の先輩、リクオと北海道から関東まで旅します。多分、奇蹟(ミラクル)起きます。

 1月は「Land of music/ the rising」を持ってバンドでツアーっす。もちろんメンバー4人で廻ります。その後の「Land of music」。あるいは「Land of music」その後。愉しみにしていて下さい。じゃ、今日は寝ます。おやすみ。

by 山口 洋  

compassion

2007/11/21, 16:36 | 固定リンク

11月21日 水曜日 晴れ 

 久しぶりにバンドのメンバーと九州のとある山中でゆっくりと共に時間を過ごしました。残念ながら、魚先生が不在だったのが残念だったけれど。

 知人が来日中のダライ・ラマの言葉を聞く機会に恵まれたとです。伝えられた言葉はひどくまっとうな事なのだけれど、僕は時にそれを忘れてしまうとです。又聞きの状態で、これをお伝えするのはどうか、と逡巡したのですが、彼は語った言葉、チベットの置かれた状況を是非、自分で見聞して、考え、そして広めて欲しいと。なので、多少の曲解を含んでいる可能性があることを、ご理解頂いた上で、読んでもらえば幸いです。

その言葉。

21世紀は20世紀の続きです。

我々が生きている世界は、戦争、流血、テロリズム、そして若者の精神的な危機、
環境破壊、そこらじゅうに蔓延する貧富の格差、に満ちています。
そして、これらの間違いはすべて、ほとんどが我々人間によって創られています。

この過去100年はどんな100年だったんでしょう?
 
最初の50年は、間違い、無関心、無知、から様々な問題を引き起こしました。
第一次世界大戦、第二次世界大戦・・・。
60億人の人間の暮らす地球はどんどん暗い方へ、破滅の方へ向かっている、とも感じる人もいるでしょう。
でも、それはちがう。
一人一人のmental effort(精神的努力)によって、
それはぜったい変えることができます。
たとえば、第二次世界大戦後、日本は悲惨な状況を経験しました。広島、長崎の原爆。
でも、人々は決してhopeを捨てず、hard workをして、ビジョンを高く持って
もくもくと進みました。そして、いまのこの国を創りました。
negative event (原爆)により、 hopeを失い、
pessimisticになったら、その時点でほんとうに敗北が決まってしまいます。
never loose hope and work hard, and then future will be bright and positive.

我々は世紀の前半では、武力・力によって問題を解決しようとしました。
第三次世界大戦があるだろうと誰もが信じていた時期もあります。
でも後半になって動きが変わってきました。
若者も反戦をとなえ、人々は平和を望み、
spirit of dialogue(対話する精神。会話によって解決しようとする姿勢)や
non-violence(非暴力)、環境への気遣いがでてきました。
これこそが、私が希望、hopeをもつ原点(理由)なのです。

1917年のロシア革命も、後に、やはりうまくいかないのが証明されました。
人々は「個々の自由なし」に幸せにはなれません。
たったこのひとつの世紀の間に、人々は考えを変えていきつつあります。
人々の考えのなかに平和を求める動きがでてきました。
過去の「間違い、無関心、無知」から巻き起こった、痛くて辛い失敗から
我々は学び、humanity、人間性を高めてきました。

わたしはイギリス女王の母親にあったことがあります。
95歳を超えている彼女に私は質問しました。
「あなたはほとんどひとつの世紀(100年)を観てきました。
あなたはこれから世界がよくなる(better)と思いますか?
それとも悪化する(worse)と思いますか?」
彼女はちっとも躊躇せずにこう云いました。
「better !!」
第一次、二次世界大戦が続けて起こった昔よりもいまのほうが良くなっているから、とおっしゃるのです。
それはいま話した、世紀の前半と後半での、
人々の意識の変化によるものだと思うのです。

人間の身体と精神は密接に関係しています。
頭だけでもダメ、身体だけでもダメ。
双方が大事なのです。
それは環境問題も同じことです。
自分の身体をcareするように、環境もcareすべきなのです。

21世紀がよくなれば(そしてゆっくりそうなってきている)22世紀は21世紀の続きだから
かならず良い方向へ人間が人間の意思でもってゆくことができるのです。

それが、わたしのhopeの基盤となる考えなのです。

もう誰も一人で、またはどの国もその国の中だけで問題を解決することはできません。
我々は相互関係にあり、依存して、生きています。
たとえば、日本は経済国だけれど、石油を他国からもらわなければ成り立ちません。
大国アメリカですら、なにかと他国を頼っています。
我々は「自分たち」と「彼ら」という昔風の考えを捨てなければなりません。
敵である「彼ら」を武力で封じ込めることが、「自分たち」の富をもたらす、というのは間違いなのです。
敵である「彼ら」に害を与えることは、「自分たち」に害を与えることと結果は同じなのです。
we all live in a small beautiful blue planet earth.
we are all the same.

過去の間違いをよく見直し、検討し、学ぶことは大切です。

過去、我々はmaterial value(物質的な価値)にとらわれすぎてきました。
there was too much attention on material value,
too much belief in material value.
そして私たちは、それにとらわれるあまりに、こころの内面の価値を損なってきました。
近代的な教育は、物質価値にとらわれるあまりに 知識・教養をつめこむことに集中しすぎました。
compassion - 思いやり・慈悲(こころの内面価値)に注意しませんでした。
それが大きな間違いだったのです。

我々の考え・認識・知覚(perception) とreality(現実)のあいだには大きなギャプがあります。
現実(経済、環境など)は一刻一刻と変わっていきます。
でも、perceptionは「they 彼ら」「we 自分たち」に集中して、
区別してしまいます。自分と他者、というふうに。
このようなancient reality(古い考え)が、戦争を巻き起こすのです。
たとえば、日本の環境問題は世界の環境問題でもあるのです。
決して、一国のなかの問題だけ、ではないのですから。

むかしは教会・寺、そして家族が、この「こころの価値」をcareしてきました。ところがそれが
核家族になり、徐々に失われました。学校教育は「こころの価値」にまで時間を費やしませんでした。

我々は(仏教の教えにあるように)「全体的に」ものを捉えなければいけません。
「holistic view」(全体的なもののとらえ方) is essential(必要).
他者への思いやり、慈悲、優しさ。
それを軽視した(neglect)過去も、やはり大きな間違いだったのです。
いま、我々は、ものの見方&認識(perception)と現実(reality)のギャップをうめていかねばなりません。

物質的価値ではなく、いま、我々はhuman inner value(こころの価値。おもにこれは
compassion思いやり、優しさ)を培っていかねばなりません。

どの宗教でも宗教を信じている人は、それにたいし、真摯で真面目にとりくんでほしいのです。
そうすれば深い理解に到達して、
そこから他の宗教・考え・哲学の人たちへの共通理解・敬意が生まれるのです。
もちろん、無宗教でもいいのです。
仏教には、絶対的な神の存在がないのです。そのかわり、仏陀もはじめは普通の人でした。
そこから仏陀になっていったのです。
人は誰もがbuddha seeds(仏陀のもと、種)を持っていて、
人は基本的に善であり、悪い資質(怒り、恨み、ねたみなど)は、その人の努力によって消してゆけばいいのです。
人には相対する感情があります。
たとえば、compassion(思いやり)に対して hatred(怒り)。
でも、この怒りは、compassionを意識的に努力して持つことによって、消すことができるのです。

髪の毛の色を変えても、目の色や肌の色がちがっても、人間はみな基本的には同じものです。
でも、なによりも我々はまず、自分自身を知らねばなりません。
西洋の科学・医学・原子の研究はチベットにはありません。
それは現実を知るために多いに役立ち、大変すばらしいものです。
しかし、それらの研究には「こころの研究」が欠けていたのです。
いま、わたしにはたくさんの友人たちがいます、イスラム教徒、キリスト教徒、医者、科学者たち。
科学者たちがやってきて仏教の「こころの感情の研究」(study of human emotion)を知りたいと云います。
ここでまた出てくるのは、HOLISTIC VIEW 、全体的なものの見方の必要性なのです。
科学などの現実面と、メンタルなことこころの内面の価値、その両方が大事なのです。
破壊したいという人間の感情は、我々が各々努力によって、消さねばなりません。
このような、仏教での長年の感情の研究は、仏教徒でなくても、どんな宗教あるいは無宗教の人にでも
人類に対して、仏教が貢献できることだと思っています。

因果に基づいた、私たちの感情を観る・理解する方法論。
誰かに祈って「怒り」を消して貰うのではなく、
自分で瞑想などして精神を静まらせて、怒りを自分で消す方法、それが仏教なのです。

すべてのものは相違依存して成りたっています。
全体的なものの見方をすることによって、
この地球上の60億人の思いやり、愛情、やさしさ(人の良い資質)を促進させられれば・・・

never give up hope.
自分の日々のなかでcompassion(思いやり、慈悲のこころ)を実行してください。

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by 山口 洋  

通りからボルケーノが見える街、鹿児島県鹿児島市にて

2007/11/17, 17:27 | 固定リンク

11月17日 土曜日 曇り 

 半年前に北国から旅を開始して、遂に九州最南端まで辿り着きました。ひとえに遠かったっす。日本はとんでもなくデカいですから。鹿児島に来たのは多分、中学の修学旅行以来。メインストリートから夕陽に輝く桜島が見えた日にゃ、ちとばかしぐっと来ました。もう一度書くけど、メインストリートからボルケーノが見えるとですよ?あり得ない風景です。素晴らしい。
 初めて来たにも関わらず、お店もオーディエンスも暖かく迎えてくれたとです。オープニングで歌ってくれた、トウヤマ君は珍しいくらい魂がきれいな若者やったとです。
 にもかかわらず、俺は久しぶりにステージで酸欠。頭に白いものが横切っていきます。こんな状態で、本当に申し訳ない。でも、音楽に魂は込めましたから。また、必ず戻ってきますから。ありがとう。

 翌日に福岡でイベントが控えていたので、鹿児島に滞在することも、地のモノを頂くことも、薩摩人と会話をすることもなく、そのまま福岡へと運ばれました。せっかく、ここまで来たのに。残念無念。

 今、九州某所で静養しとります。九州シリーズ。タフな旅でしたが、いろんな事を心に刻んだとです。「自分の住む街に来てくれて、ありがとう」。その言葉に励まされて、何とかやり遂げることが出来ました。旅を共にした「つくす」のスタッフ、心からありがとう。昨日、池畑さんに云われたとです。「10日に8本で身体にガタが来とるようじゃ、まだまだやね。音楽やって、どんどん元気になっていかな。ヒロシは幸福な男なんやから」。多分、まだ何処かで必要以上の無理な力を使っとるんだと思います。旅をしながら、音楽を通じて元気になっていく。その方法はきっとあると思うとです。音楽を聞いてくれた人々が幸福になって欲しい。最近、心からそう思うとです。

 何にせよ。足を運んでくれて、本当にありがとう。残すは沖縄と石垣。みんなに会えるのを愉しみにしとります。

追伸
「made in Aso」の通販サイトで全曲試聴が始まっとります。是非。

by 山口 洋  

宮崎にて

2007/11/16, 23:42 | 固定リンク

11月16日 金曜日 晴れ 

 昨日から宮崎におったとです。この街、例の知事のパワーか、確かに、他のどの地方都市よりも活気に満ちてます。俺が知る限り、名古屋の次にエネルギーに満ちてます。本当です。ただ、マスコミは持ち上げて、盛り上がったら落とします。トピックスは2度美味しいとです。でも、俺が見る限り、好き嫌いは置いといて、彼は私利私欲でこの仕事を選んだとは思えんとです。だから、盛り上がっているうちに、本当に大事にせないかんことは何なのか、ってことをみんなで考えて欲しいとは思います。
 ライヴ、楽しんでくれたですか?余計な事喋ったとは思うけど、今宵が今宵でなくなるように、もちろん全力は尽くしましたとも。ありがとう。昨日はラジオですっごい宣伝をしてくれたのだと、いろんな人から聞きました。それが誰なのか、最後まで分からなかったんだけど、この場でお礼を云います。沢山の力を尽くしてくれた人々、本当にありがとう。書きたい事、山ほどあれど、もうすぐ力尽きそうなとです。一言だけ。心からありがとう。宮崎。

 昨日、俺のソロアルバム「made in Aso」を置いてくれてる店の数々。豪快に漏れてました。俺の大好きな店、福山のポレポレです。本当にすいません。なので、今日は補正版です。


追伸
俺の初めてのソロ・アルバム「made in Aso」を置いてくれているお店の情報。追加版です。

東北地区

1. アサイラム(青森県弘前市)  業種 - 魂の入った飲み屋
弘前市が誇る入魂のレコード・ショップ、「joy pops」亡き後、店主ヒロシ(54)が始めたアナーキーな飲み屋。ここには5万を超える収録曲を誇るスーパー・コンピューターから絶え間なく素晴らしい音楽が流れています。飲み物はすべて500円。意味不明なチャージなんて、もちろんありません。あるのは無愛想な店主の妙なホスピタリティーと極上の音楽のみ。俺が飲み屋に求める全てがここにあります。ただし、店主変人につき、店のありかは伝えません。自分で探して下さい。土手町にあります。

2. モリタミュージック(福島県相馬市) 業種 - 身体はメタボってるけど、魂キレキレの正しいレコードショップ
モリタさんちは代々続くレコード屋さんです。業界に吹く逆風をその無意味にデカい身体でモノともせず、今日も魂込めて、良質の音楽を紹介し続けています。1995ツアー(12年前)に出会いました。お互い、こんなに深い仲になるとは。とほほ。

3. カフェ・ミルトン(宮城県白石市)
このお店にはポルトガル語を話す「音楽の神様」が棲んでいます。食べ物も、酒も、会話も、ホスピタリティーも、流れている音楽も極上です。12/16に僕も再訪します。是非。

東京
4. knife* acoustic groove* (渋谷区代官山) 業種 - 熱すぎるジュエリーショップ
云わずと知れた、「羽根シリーズ」を製作してくれているジュエリー・ショップ。ディレクター、中野さんの仕事っぷりを観ると、この世界にも「ロックンロール」っちゅー言葉があんのね、と納得します。是非、実物を。彼と話していると、アイデアが湧いてくる(もちろんミュージカルなことも含めて)ので、最近良く会ってます。お互い熱すぎるのが「タマニキズ」だけど。
http://k-a-g.com/

5. a workroom (渋谷区代官山) 業種 - 仕立て屋さん
ここのプロデューサー及び、クリエイティヴディレクター、岡田さんからメールを頂いて、実際に足を運んできました。その洋服にかける情熱は本物でした。おそらく殆どの商品がユーザーのニーズに合わせた一点ものなんだと思います。ディスプレイしてあった、ツイードのコート。欲しい。
http://www.a-workroom.com/

お願い
この代官山の2店舗にしか、今のところ東京には置いてありません。相当数、納品されているので、即座に売り切れることはないと思います。安心してどうぞ。けれど、これらのお店の本業は云うまでもなく、レコード屋さんではありません。ですので、それぞれのサイトをチェックして頂いて、そのお店に置いてあるものに、興味を持った方が訪れて頂ければ、と勝手ながらに思います。

中部地区
6. ハートランド・スタジオ (愛知県名古屋市)業種 - ライヴハウス
云わずと知れた、我々がツアーでいつもお世話になっているハートランド・スタジオです。

中国地区
7. ポレポレ (広島県福山市) 業種 - ポレポレとしかいいようのない場所
福山駅にほど近い場所にあります。記憶が正しければ天満屋のすぐ近くです。オーナーのユウさんはずっとずっとずっと、この街の趨勢と音楽を見守ってきた人です。だから、嘘はつけません。ついたら、すぐ見破られます。ここにはスワヒリ語を話す音楽の神様が棲んでいます。福山に来たら、コーヒーだけも飲みに寄ってみんですか?もしその夜ライヴをやっていたら、行ってみんですか?ポレポレっちゅー知らない言葉の意味がずんずん身体に入ってくるっすよ。多分。

8. 月光荘 (山口県山口市) 業種 - 厳選素材と雑穀レストラン&カフェ
ここのオーナーには田中さんには、先日の「月の庭」のライヴでお会いしました。月光荘はオーガニック・レストラン「月の庭」の流れを汲む、生まれて間もないお店です。まだ僕は足を運んだことがないのですが、田中さんの目に宿る光は「本気」と書いて「マジ」でした。僕の父親が亡くなる前まで勤務していた「山口大学」のすぐ側にあるってのも、何かの縁だなぁ、と。いつか、行ってみようと思っています。っつーか来年は山口県、行きます。

九州地区
9. ボーダーライン・レコード (福岡店、小倉店、久留米店) 業種 - 炎のレコード屋さん
ヒートウェイヴが故郷福岡でくすぶっていた1987年。社長、甫足(ほあし)さんが僕の目の前に現れ、ポンと現金を差し出して、「これでアルバムを作りんしゃい」と。そうして出来上がったのがアルバム「my life」です。その恩を忘れたことはありません。このレコード店が地元のミュージシャンに果たした役割はこれまでも、これからも変わることはないでしょう。感謝。

10. サウンド・コスモ (福岡県久留米市) 業種 - ロックとアニメに強い、商店街のレコード屋さん
先日の僕のblogにあるように、火事で全焼しました。けれど、彼等はその翌日からワゴンを借りて、商店街の路上で、お店を再開しました。その魂のワゴンには、「made in Aso」も乗っています。近くに住んでいる方は是非、この魂の入ったお店をサポートしてあげて下さい。今週、日曜日の福岡でのイベントにはおそらく彼等が物販ブースにやってきます。直に言葉を交わしてみて下さい。

11.レコード屋 iN a DAY (熊本県熊本市南坪井町) 業種 - 中古レコード屋さん
来年でオープン14年目になる中古メインの、しかもアナログ8割のレコード屋さん。先日の熊本のライヴで「うちにも置かせろ!」と直談判。その際、たまたま彼が持っていた自分の店の商品を見せてもらったのですが、すべて、俺持ってました。がはは。

by 山口 洋  

long story

2007/11/15, 20:59 | 固定リンク

11月15日 木曜日 晴れ 

 ハロー、エブリワン。九州は抜けるような青空です。食い物ってすげぇ。昨日、大分が育んだあまりにも美味いもの、もう喰えませんっちゅーくらい頂いたら、元気バリバリです。今日は大分から宮崎に移動。帯同してくれているイベンター「つくす」は本日、福岡で別の現場があるため、早朝にホテルを出発しました。お互いここまで忙しくなると、笑うしかないっちゅーか、がはは。昨日、旅の先輩リクオから写真つきのメールが来たのですが、さすがに先輩だけあって、しっかり温泉でくつろぐ奴の姿が。こちとら若輩の流れ者は、毎日アンビリーバブルな日々をがむしゃらに送っております。何か、俺の日本語ヘン?
 そんな訳で、「つくす」と別れた俺は、久しぶりに特急「にちりん」で宮崎を目指すことになりました。大分ー宮崎って、特急で3時間すよ。信じられる?隣の県だよ?そんな距離感を体感するのも若輩流れ者にとっては大切なことです。

 さて、道中眠れない俺は久しぶりにゆっくり記す時間が出来たので、書こうと思っていて、叶わなかったストーリーを今日こそ記すことにしました。長くなるけど、読んでくれると嬉しいです。

 来年、初頭にリリースする「land of music」の完結編 - the Risingにまつわる話です。

 アルバムプロジェクト。全国のみなさんのサポートに支えられ、アルバムを完成させるまでの道のり。約2年に渡るそれらの日々を克明に映像で記録していたOと云う男が居りました。何かのCMじゃないけれど、「不可能はない」と無意味に突き進む男どもの日々を記録することはひどく意味のあることのように思えたのです。例え職業が違っていても、同じこの時代に生きる人々にとって、抱えている問題は根源的には同じだと思ったからです。
 さて、そのO、全国津々浦々、レコーディングはもちろん、ライヴに至るまで、ほぼ仕事を投げうって、巨体を揺らしながら、重たいカメラを担いで現れました。いったいどれだけのテープとエネルギーが消費されたかは、奴のblogを参照して下さい。唯一、不思議だったのは、あれだけハードな旅を共にしたにも関わらず、奴の体型が殆ど変化しなかったことです。
 無事、「land of music」は完成し、奴は膨大な記録したテープの編集に入りました。俺は奴に「サンダンス映画祭のドキュメンタリー大賞」を狙うつもりで行け(そんな賞、あるのかどうか知らんけど)、と伝えました。完成した暁には、その作品はDVDとして「land of music」のツアーでみなさんに観てもらうつもりで居ました。が、しかし。奴はあまりにバンドに密着、圧着したがゆえ、客観性を見事なまでに失っていました。何度、編集をやり直しても、完成にはほど遠く、あわやお蔵入りか、っちゅーところまで追い込まれたのでした。そこに登場したのが我らが渡辺圭一監督。奴はプロットを書くこともなく、「感覚的」に作品を仕上げていく男です。こうして、渡辺監督とOっちゅー、奇妙なコンビでの編集作業が始まりました。作業は約一月に及びましたが、冒頭の5分を観ただけで、このデコボココンビにしか出来ない作品になっていることに気付きました。主観と客観、真摯な視点と笑い、エトセトラ。絶妙なバランスでした。滅多な事では興奮しない魚先生がそれを観て、進んで細かい音声の調節を施しました。まったく我々はどこまで諦めないんだ、と苦笑しつつも、こうして作品、「searching for Land on music」がほぼ1年遅れで完成しました。
 
 続いて。今年4月のツアーで、我々は映像チームと初めてタッグを組みました。「mood films」の連中の感覚、及び仕事内容は本当に素晴らしかったのです。僕は彼等の仕事に口を出してことはありません。すべて、彼等が素材を撮影し、編集し、ライヴの現場で演奏と響き合っていたのです。このツアーに足を運べなかった人々にも是非観て欲しかったので、ツアーの最終公演、リキッドルームでのライヴの映像の編集を彼等に依頼しました。望んでいたのは、ありがちなライヴ映像ではなく、「ハレとケ」、「日常と非日常」、「ライブ会場に居るような、そうでないありきたりの日々に居るような」、今まで何処にもなかったような作品を作ってもらう事です。例によって、僕は何も云いませんでした。ただ、「思いきりやって欲しい」と。彼等が睡眠時間を削って、作り上げたものは、言葉にすることが出来ません。それゆえの映像なのです。素晴らしい、の一言です。この作品「Land of music / in Action」はリキッドルームでのライヴがほぼ完全収録されています。 ブラボーです。
 「Land of music / in Action」の音のミキシングは僕が担当しました。実のところ、5月に阿蘇でその作業を終えていました。しかし、彼等から次々と新しい編集が送られてくるたび、その仕上がりに圧倒され、ミキシングをやり直したくなりました。最終的に音を整える作業(MAと云います)は音のマエストロ魚先生が担当し、僕らはその映像と響き合うべく、ミキシングとMAを何度もやり直しました。バンド史上、最高の音質です。みなさんの自宅のテレビで観て頂いても、それを実感してもらえると思います。魚先生から最後に音のファイルを受け取り、それを車の中で、僕はチェックしていました。すると、映像とはまた違った世界が目の前に浮かんでくるのです。自分で云うのも何ですが、ちょっとカンドーしました。これはCDとして作品にすれば、DVDとはまた違った世界を楽しんでもらえる。そんな訳で、「the Rising」にはライヴCD2枚組も同梱することになりました。この音源に関しては、気軽に手にしてもらえるように、配信することも現在模索中です。
 最後にこの日々を僕の言葉で記した本「days of Land of music」。これも実は、今年4月のツアーで皆さんに手にしてもらうつもりで居ました。デザイナーのS君、編集者のS君。この二人と共に、作業は順調に進んでいました。が、しかし、事もあろうに完成を間近にして、「二人とも」(二人とも、ほぼ同時にっすよ)病に倒れたとです。嘘だろ?と思いましたが、僕は彼等の才能、情熱を信頼、尊敬しています。どうしても彼等と共に完成させたかったのです。彼等はあまりに忙しく、身体や心に鞭を打ってきた過去の日々の過ごし方を変え、また愛する仕事に復帰する手段として、この本を完成させてくれました。その事が何よりも嬉しかったとです。

 随分長くなりました。「Land of music / the Rising」は悪く云えば、成り行き。良く云えば、自然な流れの中で、このような形に辿り着きました。その流れはみなさんのサポートの元に出来上がったものです。しんどかったけれど、素晴らしい旅でした。我々は頂きが見えないまま、山を登り始めたのだけれど、辿り着いたところはまぎれもなく「Land of music」のひとつのピークでした。ありがとう。パッケージに関しては長くなるので、今回は割愛しますが、デザイナーW君と炎のパッケージ職人N社の力で、あり得ない形に仕上がりつつあります。アルバムプロジェクトに端を発し、多くの人がそれに関わり、幾多の困難を乗り越えて、これで「Land of music」は完結します。「the Rising」。仕様が明らかになったら、またスタッフの方からアナウンスがあると思います。来年1月のバンドのツアーでみなさんに手にしてもらえるよう、スタッフも頑張っています。愉しみにしていて下さい。

 特急「にちりん」。牧歌的な風景の中を宮崎目指して走っています。おいおい、本当にこれ特急かよ?っちゅースピードですが、速過ぎる新幹線より、心が和みます。九州シリーズ、残すところ、明日の宮崎、明後日の鹿児島2本です。是非、足を運んで下さい。みなさんに会えるのを愉しみにしています。今日は日本語ヘンでごめんね。列車が揺れてるからかな?

追伸
俺の初めてのソロ・アルバム「made in Aso」を置いてくれているお店の情報。追加版です。

東北地区

1. アサイラム(青森県弘前市)  業種 - 魂の入った飲み屋
弘前市が誇る入魂のレコード・ショップ、「joy pops」亡き後、店主ヒロシ(54)が始めたアナーキーな飲み屋。ここには5万を超える収録曲を誇るスーパー・コンピューターから絶え間なく素晴らしい音楽が流れています。飲み物はすべて500円。意味不明なチャージなんて、もちろんありません。あるのは無愛想な店主の妙なホスピタリティーと極上の音楽のみ。俺が飲み屋に求める全てがここにあります。ただし、店主変人につき、店のありかは伝えません。自分で探して下さい。土手町にあります。

2. モリタミュージック(福島県相馬市) 業種 - 身体はメタボってるけど、魂キレキレの正しいレコードショップ
モリタさんちは代々続くレコード屋さんです。業界に吹く逆風をその無意味にデカい身体でモノともせず、今日も魂込めて、良質の音楽を紹介し続けています。1995ツアー(12年前)に出会いました。お互い、こんなに深い仲になるとは。とほほ。

3. カフェ・ミルトン(宮城県白石市)
このお店にはポルトガル語を話す「音楽の神様」が棲んでいます。食べ物も、酒も、会話も、ホスピタリティーも、流れている音楽も極上です。12/16に僕も再訪します。是非。

東京
4. knife* acoustic groove* (渋谷区代官山) 業種 - 熱すぎるジュエリーショップ
云わずと知れた、「羽根シリーズ」を製作してくれているジュエリー・ショップ。ディレクター、中野さんの仕事っぷりを観ると、この世界にも「ロックンロール」っちゅー言葉があんのね、と納得します。是非、実物を。彼と話していると、アイデアが湧いてくる(もちろんミュージカルなことも含めて)ので、最近良く会ってます。お互い熱すぎるのが「タマニキズ」だけど。
http://k-a-g.com/

5. a workroom (渋谷区代官山) 業種 - 仕立て屋さん
ここのプロデューサー及び、クリエイティヴディレクター、岡田さんからメールを頂いて、実際に足を運んできました。その洋服にかける情熱は本物でした。おそらく殆どの商品がユーザーのニーズに合わせた一点ものなんだと思います。ディスプレイしてあった、ツイードのコート。欲しい。
http://www.a-workroom.com/

お願い
この代官山の2店舗にしか、今のところ東京には置いてありません。相当数、納品されているので、即座に売り切れることはないと思います。安心してどうぞ。けれど、これらのお店の本業は云うまでもなく、レコード屋さんではありません。ですので、それぞれのサイトをチェックして頂いて、そのお店に置いてあるものに、興味を持った方が訪れて頂ければ、と勝手ながらに思います。

中部地区
6. ハートランド・スタジオ (愛知県名古屋市)業種 - ライヴハウス
云わずと知れた、我々がツアーでいつもお世話になっているハートランド・スタジオです。

中国地区
7. 月光荘 (山口県山口市) 業種 - 厳選素材と雑穀レストラン&カフェ
ここのオーナーには田中さんには、先日の「月の庭」のライヴでお会いしました。月光荘はオーガニック・レストラン「月の庭」の流れを汲む、生まれて間もないお店です。まだ僕は足を運んだことがないのですが、田中さんの目に宿る光は「本気」と書いて「マジ」でした。僕の父親が亡くなる前まで勤務していた「山口大学」のすぐ側にあるってのも、何かの縁だなぁ、と。いつか、行ってみようと思っています。っつーか来年は山口県、行きます。

九州地区
8. ボーダーライン・レコード (福岡店、小倉店、久留米店) 業種 - 炎のレコード屋さん
ヒートウェイヴが故郷福岡でくすぶっていた1987年。社長、甫足(ほあし)さんが僕の目の前に現れ、ポンと現金を差し出して、「これでアルバムを作りんしゃい」と。そうして出来上がったのがアルバム「my life」です。その恩を忘れたことはありません。このレコード店が地元のミュージシャンに果たした役割はこれまでも、これからも変わることはないでしょう。感謝。

9. サウンド・コスモ (福岡県久留米市) 業種 - ロックとアニメに強い、商店街のレコード屋さん
先日の僕のblogにあるように、火事で全焼しました。けれど、彼等はその翌日からワゴンを借りて、商店街の路上で、お店を再開しました。その魂のワゴンには、「made in Aso」も乗っています。近くに住んでいる方は是非、この魂の入ったお店をサポートしてあげて下さい。今週、日曜日の福岡でのイベントにはおそらく彼等が物販ブースにやってきます。直に言葉を交わしてみて下さい。

10.レコード屋 iN a DAY (熊本県熊本市南坪井町) 業種 - 中古レコード屋さん
来年でオープン14年目になる中古メインの、しかもアナログ8割のレコード屋さん。先日の熊本のライヴで「うちにも置かせろ!」と直談判。その際、たまたま彼が持っていた自分の店の商品を見せてもらったのですが、すべて、俺持ってました。がはは。

by 山口 洋  

関アジ、関サバ、関フグ、そして不屈の魂。大分市にて。

2007/11/14, 23:39 | 固定リンク

11月14日 水曜日 晴れ 

 午前3時前、ホテルに帰還です。

 我々、熊本から大分に向かう途中、久留米に寄って、サウンド・コスモの連中に会ったとです。奴ら、寒風吹く商店街で、本当にワゴンで営業を再開してましたから。天晴。俺、痺れたよ。写真も撮影したけど、敢えて載せません。火事から生き残ったヒートウェイヴの商品もワゴンには乗ってますから。
 さて、大分。多分12年振りです。随分長いコンサートだったとは思うけど、俺、本当にこの街に来ることが出来て、嬉しかったすから。ありがとう。ありがとう。このお店のマスター、同輩でした。詳しくは書かないけれど、いろんなところで繋がっていました。終演後に、グレイトフル・デッド、流してくれたのも嬉しかったなぁ。
 地元の友人達が、あり得ない宴を開いてくれました。関アジ、関サバ、関フグ、エトセトラ。ホスピタリティーも料理も会話も何もかも素晴らしかったっす。敢えて書きます。大手町2丁目、居酒屋「将」っちゅー店です。大分に行ったなら是非。
 本当にありがとう。九州シリーズ、あと2本です。みんなの想いを胸に、俺は最後までやり抜きます。

by 山口 洋  

神様、仏様、稲尾様、熊本にて。

2007/11/13, 02:52 | 固定リンク

11月13日 火曜日 曇り 

 熊本である。ぺいあのplusである。体力が著しく低下してきたから、リハーサルの後、ホテルに直行して、撃沈した。
 でも俺には約束があった。男のそれだ。昨日、久留米のサウンド・コスモの連中とした約束だ。残存体力と相談しながら、どうやったらこの場所が豊かな場所になるのか、それだけを目指した。すまん、カメラも忘れた。多分、このお店の経営ポリシーと、客席に助けられたんだと思う。まだ、俺には闘う気力があった。愉しんでくれたかい?

 終演後、稲尾さんの訃報を聞いた。悲しかった。俺の親父が酔っぱらうと、決まって「あのな、稲尾が日本シリーズで3連敗のあと、4連投してな、西鉄がな、云々」。稲尾さんはある種の九州人にとって、西郷どんの次に偉人だったのだ。俺が彼が投げている姿を生で観たことはない。でも、俺より上の世代が、酔うと必ず、あなたの話をするのを聞いているのが好きでした。ありがとう。

 では、生きている俺たちがすべきことは。
 ここぺいあのplusのマスターは新しいものが好きです。今日初めて、彼のピアノを聞いたけれど、本物っす。ここのマルチケーブル(専門的な話でごめん)はイーサネットです。このような正真正銘のおっさんが街の音楽を発展させていくとです。まだまだ先達から学ぶ事は山ほどあるとです。ありがとう、熊本。また戻ってくるけんって、ここ、ある意味俺のホームタウンやん。

by 山口 洋  

久留米のland of music

2007/11/12, 20:18 | 固定リンク

11月12日 月曜日 晴れ 

 何のかんの云って、疲労が蓄積していた。九州シリーズはイベンター「つくす」が帯同してくれている。だから、楽だ。小倉から福岡へ向かう「つくす号」の中で、すっかりくつろいでいたら、その一報はもたらされた。先日、俺のソロ・アルバムを置いてくれている店を紹介した(第二弾は近日中に、すまんね。)中に、久留米のサウンド・コスモっちゅー店があったと思う。商店街の中にある、アニメとロックに滅法強いレコード屋。彼等は時間が許す限り、バンドであれ、ソロであれ、素晴らしい品揃えで、ライヴ会場に現れ、レコードを売ってくれていた。最近、新しい場所に店を移して、営業を始めたばかりだった。移転祝いにインストア・ライヴをやるか、なんて軽口を叩いているところだった。一報によると、明け方に全焼したと。嘘だろ?おととい佐賀で会ったばかりだぜ、と。あれだけ気合いを入れて、仕事に没頭してる奴にそんな仕打ちはある訳ないだろ、とにわかには信じ難かった。
 急遽、我々は久留米に向かった。果たして、野次馬に混じって、彼等は立ち尽くしていた。2階は抜け落ち、一階の店舗は水びたし。おそらく商品は全滅。現場検証のため、彼等は立ち入ることさえ許されず。早朝の出火当時、店は無人で、火の気はまるでなかった、と。俺はかける言葉がなかった。でも奴らは確かにこう語ったのだった。「火事ごときでレコード屋は止めません」、と。「明日から商店街のワゴンを借りて、とりあえずこの通りで店を復活させます」、と。何だか、どっちが励まされてんのか分からなくなってきた。奴らはそれほど自分たちの仕事にプライドと愛情を持っているのだった。俺の疲労は何処かに吹き飛んだ。最近ライヴで「火を絶やさないでくれ」なんて事を口走ってる以上、俺も闘わなきゃいかんのだ。おまけに「しばらく、still burningは聞きたくないです」と奴らはギャグを飛ばすのも忘れなかった。もし、近郊に住んでいる人が居たら、仮店舗 - とりあえずワゴン - で店を再開する奴らのところで、CDをゲットしてやってくれ。俺も気合いを再注入して明日から九州ツアーを再開する。

by 山口 洋  

やさくれ男と北九州、小倉にて。

2007/11/11, 23:26 | 固定リンク

11月11日 日曜日 曇り 

 福岡と北九州。近くに住んでいない人にはきっと分からないと思うけど、この二つの土地のメンタリティーは大いに異なるとです。俺も若い頃は北九州に遠征する時にゃ、妙に身構えたもんです。でも、不思議なもので、それがいろんなタイプの違う音楽を生み出す要因にもなっていたりするとです。
 ギャラリーsoap。いい加減で、まっすぐで、アートに理解があって、ユルくて、情熱があって、サイコーです。お店のオーナーMさんはアーティストです。以前、東京の美術館に彼の作品を観に行ったとですが、恐山のイタコを通じてウォーホールとコンタクトを取るっちゅー、とてつもないヴィデオ作品やったとです。俺、ハートを串刺しにされたもん。
 
 今日は券が売り切れで、入れなかった人も沢山居たとか。本当に申し訳ない。出来たら、次は早めにチケット、ゲットしてください。あまりにパツンパツンではsoapの良さがなくなってしまうとです。でもバンドで、1/23に福岡に帰ってくるので、是非来て下さい。

 ところで、今日は北九州らしいやさくれ男が何人かおったとです。20年くらい前、我々がこの街に演奏しにやってくると、鬼気迫る表情で、ずっとポゴダンスしてる連中が居たのを、思い出したとです。とにかく奴ら、いい感じに出来上がっていて、まぁ、よく喋る、突っ込む。空気読まない、あはは。でも最後には「うるさくてすんませんでした」と自ら学習するとこが、良かったなぁ。そんな訳で、まぁ、いろんなことがあったけど、やっぱりライヴってもんは、その瞬間でしかないんだ、と俺も教えられた一日でした。俺はね、幼い頃から多少の緊張感と共に、つき合ってきたこの街が好きとです。関わってくれている人たちの付き合いも、20年を超えるものがあったりするとです。嬉しいとです。

 soap。ライヴの時しか行ったことないけど、今度は音楽は関係なしに、ふらりと遊びに行ってみようと思います。食い物は経験してないから不明だ(ごめん)けど、land of artそして、云うまでもなく北九州のland of musicです。ありがとう。

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by 山口 洋  

佐賀だよ、佐賀。佐賀の旧い建物にて。

2007/11/10, 23:22 | 固定リンク

11月10日 土曜日 晴れ 

 佐賀だ。ここ2年で、3回目。以前の2回はロクな体調じゃなかった。プロとして恥ずかしい限りだ。だから、今夜は燃えましたとも。会場がね、素晴らしかった。100年以上続く、旧い銀行跡。天井も高いし、PAなんて必要のないくらい、芳醇な響きがする。嬉しかったねぇ。力技じゃなくて、音楽に没頭できる会場を用意してくれて。ここロマン座のスタッフも素晴らしかった。音楽を理解してくれて。いつも俺をバックアップしてくれる佐賀のアホ共のおかげで、何の力みもなく、演奏することを楽しんだ。嗚呼、気持ちよかった。佐賀っていろいろ云われるけれど、こんなに素晴らしい場所があるじゃん。音楽が好きなアホ共もいっぱい居るじゃん。是非、大事にしてください。この場所、そして溢れる想いを。
 何だか、文字にして書くことが無益のように思えるのです。今日は。来てくれた人はそれぞれに何かを受け取ってくれたと思います。それがライヴの良さかな、と。共にステージに上がってくれたミュージシャン、スタッフ、来てくれた人々。本当にありがとう。今日はね、スタッフH君が撮影してくれた写真載せておきます。素晴らしい空間なんだよ。伝わると、いいけど。また、戻ってくるぜ、佐賀。ありがとう。

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by 山口 洋  

連鎖その2

2007/11/09, 22:23 | 固定リンク

11月9日 金曜日 晴れ 

 えっと、忘れないうちに。FM長崎でヒートウエイヴ特番(1時間す)を録ってきたす。オンエアは多分、新春です。聞いてね。でもって、明日、急遽クロスFMの「クロサタX」に昼の1時過ぎから生出演してます。聞いてね、アゲイン。パーソナリティーは(九州の人は知ってると思うけど)スマイリー原島です。明日の佐賀のライヴの会場はふるーい銀行だそうです。是非。 
 
 簡単に「連鎖」なんて言葉を使うのは好きやないとです。でも今日、僕がNYに居候していた時代の友人からメールが来たとです。映像作家のマサです。奴は同じ歳。「お互い、死ぬまでにゴキゲンな作品残そうぜ。でも35歳までに一本できなきゃダメかもな」と。ひひひ。俺たち43歳。かつて、NYと東京で熱く語り合ったのです。先日、映画館で「ミリキタニの猫」っちゅードキュメント映画の予告編を観て、「こりゃ、観に行こう」と思ってたのです。今日、マサからメールがあって、「そんで、あんたはこの映画の何なん?」と尋ねたならば、「俺、プロデューサーだよ」って。おー、マサ、お前かよ。俺は観てもないけれど、それをこのサイトの読者に伝えておこうと。僕はこの映画に関して、語れるほど詳しくはないとです。ただ、マサが俺たちのサイトを観て、俺が沖縄の「桜坂劇場」でライヴをやる、と。そこでこの映画が上映されると。なので、俺にメールをした、と。マサ、元気か?素敵だよな。こういうのって。俺も、もちろん金払って、あんたの映画観にいくとも。なので、興味のある人は是非。
http://www.uplink.co.jp/thecatsofmirikitani/index2.php

by 山口 洋  

今日から暦は冬、長崎出島ワープにて

2007/11/08, 11:05 | 固定リンク

11月8日 木曜日 晴れ 

 長崎、出島ワープ。この港にはいろんな想い出がある。個人的なことだけれど。
 昨日突然、顎がぼっこり腫れた。親知らずか、雑菌が入ったのか、何だか知らんが、とにかく痛かった。でも、約半年かけて、北海道からようやく九州に辿り着いたんだから。「made in Aso」を持って。

 このR-10っちゅー店に惹かれるのは、店主、工藤ちゃんが居るからだ。こ奴、見かけはとんでもなく不良なのだが、心は無意味なほど、真っすぐなのだ。長崎に足を運んだら、是非、来てみて欲しい。工藤ちゃん、すぐ分かるから。旅の疲れを癒してくれる美味しい料理作ってくれるから。もし、君がこの街に住んでるのなら、一杯飲みに行ってみたら?随分、長い間、会っていなかった近藤智洋と久しぶりに演奏した。空白の時間はそれが埋めた。随分荒波に揉まれたのね、と、奴のギターと脇腹が語っていた。
 笑わないで聞いて欲しいんだけど、俺と工藤ちゃんは「世界はもっと住みよいものに変えられる。もしも、本気であんたがそう望むなら」と思っている。メゲてもアキラメてもナゲいてもいない。愉しんでくれたかい?明日はFM長崎で、局が誇る平川女史がヒートウェイヴ特番を作ってくれるそうなんで、行ってきます。みんな、聞いてね。また帰ってくるけん、それまでみんなどうかお元気で。

 終演後、サインをしていて、「自分の住んでる街に来てくれて、ありがとう」と云われるのが嬉しい。身体はひとつしかないけど、行きますとも、君の住む街へ。小倉は既に売り切れに近い状態だと聞いたので、問い合わせはお早めに。佐賀、大分、宮崎、熊本、鹿児島。行くけんね、ちょっと待っときんしゃい。

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by 山口 洋  

帰還

2007/11/07, 20:36 | 固定リンク

11月7日 水曜日 晴れ 

 怒濤の九州シリーズの前に、ちょっとだけハートランドに立ち寄り、命の洗濯をしようと思いました。made in Asoを爆音で流して、音楽を生まれた場所に還しました。さて、明日から九州シリーズが始まります。会えるのを愉しみにしています。迷わずにロックンロール・ワールドに来たれ。本当は書きたいこと、山ほどあったんだけど、山の空気に全身がほどけてしまいました。また、後日。私信だけど、権ちゃん、薪、ありがとう。とんでもなくいい香りだよ。

by 山口 洋  

九州帰るぞー。

2007/11/05, 22:08 | 固定リンク

11月5日 月曜日 曇り 

 「何も始まっていないし、何かが終ったわけでもない」。どこかで耳にしたのか、読んだのか、不明だけれど、ひどく心を打つとです。俺の実感です。
 九州帰ります。半年以上に渡って全国を巡ってきた「on the road,again vol.3」も九州シリーズで完結です。招聘してくれたイベンター「つくす」も燃えております。全県を廻ります。もちろん「made in Aso」、持っていきます。九州産のアルバムっすからね。じゃ、会場で会いましょう。

by 山口 洋  

連鎖、あるいは連帯

2007/11/04, 23:15 | 固定リンク

11月4日 日曜日 曇り 

 押忍!都内をあるいは関東を走り抜ける日曜日。歌う営業マン、山口洋です。

 僕の初めてのソロ・アルバム「made in Aso」。通販とライヴ会場以外は魂の入っとる場所にしか置かん、と、頑固親父のようなことを申しました。その結果「うちで売らせろ!」と沢山の連絡を頂きました。出来るかぎり、自分で足を運び、直接お会いし、「こいつはタダ者じゃねーな」ちゅーところに置いてもらう作戦を開始しました。もちろん、レコード屋さんだけではありません。これを機会に、興味を持った方は、そのお店に足を運んでみて下さい。CDを買うだけでなく、そのお店が伝えようとしているものを、是非味わってみて下さい。その情熱は本物です。我々は音楽と云う一点で繋がっています。けれど、勝手に連鎖していくポジティヴなエネルギーをそれぞれの形で夢想していることに変わりはありません。では、紹介、行ってみよう。あの、住所や電話番号までは記しません。みなさんが興味を持ってくれて、そこに足を運んでくれるまでの過程も大切だと思っているので。

東北地区
1. アサイラム(青森県弘前市)  業種 - 魂の入った飲み屋
弘前市が誇る入魂のレコード・ショップ、「joy pops」亡き後、店主ヒロシ(54)が始めたアナーキーな飲み屋。ここには5万を超える収録曲を誇るスーパー・コンピューターから絶え間なく素晴らしい音楽が流れています。飲み物はすべて500円。意味不明なチャージなんて、もちろんありません。あるのは無愛想な店主の妙なホスピタリティーと極上の音楽のみ。俺が飲み屋に求める全てがここにあります。ただし、店主変人につき、店のありかは伝えません。自分で探して下さい。土手町にあります。

2. モリタミュージック(福島県相馬市) 業種 - 身体はメタボってるけど、魂キレキレの正しいレコードショップ
モリタさんちは代々続くレコード屋さんです。業界に吹く逆風をその無意味にデカい身体でモノともせず、今日も魂込めて、良質の音楽を紹介し続けています。1995ツアー(12年前)に出会いました。お互い、こんなに深い仲になるとは。とほほ。

東京
3. knife* acoustic groove* (渋谷区代官山) 業種 - 熱すぎるジュエリーショップ
云わずと知れた、「羽根シリーズ」を製作してくれているジュエリー・ショップ。ディレクター、中野さんの仕事っぷりを観ると、この世界にも「ロックンロール」っちゅー言葉があんのね、と納得します。是非、実物を。彼と話していると、アイデアが湧いてくる(もちろんミュージカルなことも含めて)ので、最近良く会ってます。お互い熱すぎるのが「タマニキズ」だけど。
http://k-a-g.com/

4. a workroom (渋谷区代官山) 業種 - 仕立て屋さん
ここのプロデューサー及び、クリエイティヴディレクター、岡田さんからメールを頂いて、実際に足を運んできました。その洋服にかける情熱は本物でした。おそらく殆どの商品がユーザーのニーズに合わせた一点ものなんだと思います。ディスプレイしてあった、ツイードのコート。欲しい。
http://www.a-workroom.com/

お願い
この代官山の2店舗にしか、今のところ東京には置いてありません。ニーズに対して、納品数が充分だとは到底思えません。これらのお店の本業は云うまでもなく、レコード屋さんではありません。ですので、それぞれのサイトをチェックして頂いて、そのお店に置いてあるものに、興味を持った方が訪れて頂ければ、と勝手ながらに思います。また、万が一、売り切れの場合はご容赦ください。

中国地区
5. 月光荘 (山口県山口市) 業種 - 厳選素材と雑穀レストラン&カフェ
ここのオーナーには田中さんには、先日の「月に庭」のライヴでお会いしました。月光荘はオーガニック・レストラン「月の庭」の流れを汲む、生まれて間もないお店です。まだ僕は足を運んだことがないのですが、田中さんの目に宿る光は「本気」と書いて「マジ」でした。僕の父親が亡くなる前まで勤務していた「山口大学」のすぐ側にあるってのも、何かの縁だなぁ、と。いつか、行ってみようと思っています。

九州地区
6. ボーダーライン・レコード (福岡店、小倉店、久留米店) 業種 - 炎のレコード屋さん
ヒートウェイヴが故郷福岡でくすぶっていた1987年。社長、甫足(ほあし)さんが僕の目の前に現れ、ポンと現金を差し出して、「これでアルバムを作りんしゃい」と。そうして出来上がったのがアルバム「my life」です。その恩を忘れたことはありません。このレコード店が地元のミュージシャンに果たした役割はこれまでも、これからも変わることはないでしょう。感謝。店頭に並ぶには、あと1週間くらいかかるかもしれません。

7. コスモレコード (福岡県久留米市) 業種 - ロックとアニメに強い、商店街のレコード屋さん
今の地方都市にありがちな「元気のない商店街」にあって、メラメラと燃えているレコード屋さんです。僕の記憶が正しければ、店員さんは2人。ひとりはロックに滅法強く、もうひとりはアニメに滅法強い。いつも九州地区のライヴの即売にはメラメラと燃えながら、やって来てくれます。是非。店頭に並ぶまで、あと1週間くらいかかると思います。

今日はここまで。
またまとまってきたら、アナウンスします。

by 山口 洋  

2007年における、それぞれの火

2007/11/03, 16:59 | 固定リンク

11月3日 土曜日 晴れ 

 僕らのwebを担当してくれているやさくれ男、Y君から以下の記事、素晴らしいから是非、とメールあり。

http://natalie.mu/news/show/id/3965


 一読して、思った。2007年にミュージックビジネス、及びミュージシャンが抱えている問題点を、これだけ明確にあらわにしつつ、未来へのビジョンもも含めて語ることができる人間は、そうは居ない。天晴。俺も「勝手に、だけど」ひどく励まされた。これは何も音楽だけに限った問題ではない。俺は全国を旅して、いろんな業種の人間たちに会う(殆どが音楽を愛する人々で、我々はその一点で繋がっている)。心を込めて、モノを作る、あるいは売っている連中はほぼ同じ状況に立たされている。

 その一例。俺は林業を営む男と知り合いになった。輸入材に押されて、どんなに心を込めても、彼が育てた木はなかなか売れない。売れたとしてもひどく安い。商売にならないから、どんどん林業は廃れていく。山は荒れる。洪水の時に、山が果たすべき役割を果たせなくなる。しかも、彼が今、伐採している木は、彼の祖父、祖々父の代が植えたものだ。そして、伐採した後に植える若木が商品になるのは、彼の孫やひ孫の時代になる。つまり、彼はどんなに苦しい状況だったとしても、約100年後を見据えて、今日も山にひとりで入っていくのだった。そんな彼の日々に俺たちの音楽が流れていた。とても嬉しかったし、俺は果たして100年後っちゅー自分が生きていない時の事まで視野に入れてるだろうか、と自問自答せざるを得なかった。

 俺は佐野さんみたいに、的確な言葉で問題を語ることはできない。でも、アルバム「land of music」を作り、全国を一人で廻るうち、自分に出来ることを見いだした。マスのことはいつも分からん。ビジネスの才能なんて、まるでない。そんな俺に出来ることは「超現場主義」。だから、今回のソロ・アルバムは逆転の発想で、どこに頼ることもなく、自分でリリースすることにした。そうすれば、もう一度、何のために音楽を作り、それを人に届けるのかってことが本質的に理解できると思ったからだ。実験でもある。バンドでそれをやるにはリスクが多過ぎる。でも、ソロなら可能だ。多分。アルバムにはHWNR-001っちゅー品番を付けた。ヒートウェイヴ・ノーリグレッツ#1。メガストアはその役割を終えつつあった。稀に足を運んでみるとびっくりする。投げ売りだ。音楽の魂の残骸が安価で売られている。哀しかった。でも、自業自得だ。多分。

 誰であれ、この時代を生きる人々が抱えている問題は似ている。ならば、魂を入れて、モノを伝えている連中のところに俺のアルバムを置いてみよう、と。人は音楽だけでは生きていけないけれど、ある種の人間は音楽がなければ生きていけない。魂入ってるレストランとか、洋服屋とか、ジュエリーショップとか、もちろんレコード屋とか、そんなところに置いてみよう(もらおう)、と。そうすれば、単に音楽だけではなく、良いバイブレーションが勝手に連鎖していくはずだ。そっか、こんな食べ物があったのか、とか、そっかこのスーツはとても魂入ってるね、とか、エトセトラ。グレイトフル・デッドがやろうとした事の2007年バージョンは必ず、あると、俺は思っている。

 アルバムを発売して1週間あまり、その結果も応えも、これからだと思っています。いつもライヴで云うことなんだけれど、「それぞれが」「それぞれの場所」で「自分の火を絶やさないこと」。それが世の中を少しだけハッピーにするのだと、僕は思っています。

by 山口 洋  

how to record

2007/11/02, 16:30 | 固定リンク

11月2日 金曜日 曇り 

 「made in Aso」を聞いてくれた人々から「まるで、あんたが俺の家に来て、歌ってるみたいだ。しかも、山の中の空気や天候と共に」と云った感想が寄せられています。とても嬉しく思っています。受け取ってくれて、ありがとう。
 その中で、「どうやってこれを録音したのか」という質問が多かったので、みなさんの想像力を邪魔しない程度に説明しておきます。

 写真にあるように、このような状況で録音されました。基本的にマイクは2本。オフ気味に立ててあって、一本は歌をもう一本は主にギターの音を狙っています。とある曲の「虫の声」だけは演奏と同時に戸外に2本のマイクを立て、それを聞きながら、虫と共鳴しつつ演奏しています。つまり同時に「演奏?」していたのは無数の秋の虫です(季節は夏だったけど)。
 音楽のダイナミクスを殺す、コンプレッサー等は録音のピークを押さえるためにだけ使っています。つまり、できるだけ良いケーブルで、短い距離で、ダイレクトにレコーダーに記録する。よほどの場合を除いて、修正は一切施さない。そのようなコンセプトでした。大事なことは、「歌いたい」と思った時に、「歌いたい曲を歌う」ことです。ですから、電源はいつでも入れられ、即座に録音が可能な状態にしてありました。

 ライヴであれ、レコーディングであれ、僕は甚だ「状況」に引っ張られる男です。以前はどんな状況であれ、そこで一定のクオリティーを維持するのがプロだと考えていましたが、あまりにもアナーキーな状況や会場で演奏を続けているうち、「場所」に抵抗しても無駄だって事に気付いたのです。そこには「歴史」があり、いろんなものが相まって、空気を作っているのだから。そうすると、不思議と「音楽の神様」としか呼びようのないものがやって来るのです。雨が降ったら、必然的にそのような音楽にしかなりません。僕は雨や風を止めることは出来ません。敢えて、そのような音を拾うマイクを立てなくても、勝手に音は記録されてしまう。人工的な音と違って、それらが不快に感じられることはありませんでした。雷が落ちた時はさすがにびびったけれど。

 都会の地下にあるようなスタジオを否定はしません。ただし、僕に限って云えば、そこで奏でる音楽と山の中とのそれでは、bpmやノリが激しく異なります。食事も異なる(山の中では自分が作るか、誰かに作ってもらうしかない)ので、音楽も変わる。人はすべて、食べたもので出来ています。このようなやり方が可能になったのも、テクノロジーが進歩してくれたからです。僕らがデビューした当時、スタジオにある機材をすべて手に入れることなんて、到底出来ませんでした。音の入り口と出口さえ、しっかりした機材であれば、あとは「運搬可能!」な機材でどうにかなるのです。素晴らしい!

 説明しないといいながら、長くなりました。「不可能???」。そのような想いも受け取ってくれると嬉しいです。音楽はいつだって僕らの側にあると思っています。enjoy yourself!

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by 山口 洋  

続・アナウンス

2007/11/01, 20:13 | 固定リンク

11月1日 木曜日 晴れ 

 共にモノを作っている人物からメール「何かを変えたければ、自分が変われ」。かなり意訳なんだろうけど、いい言葉だねぇ、と発したガンジーの魂にふたりごちた。まさにその言葉を実感している日々。
 病と共生している友人のために、あっと云う間にメッセージが集まった。どれも奴への想いに満ちたものだった。人間って捨てたもんじゃないねぇ。

 「land of music」をめぐる映像作品の数々、ようやくアナウンスできるところまでこぎ着けました(って、俺は殆ど何もやってないけれど)。情熱に満ちた男どもの入魂の作品、愉しみにしといて下さい。トレイラー(予告編)がアップされています。なので、今は細かい事を書くのは控えておきます。それから、来年1月。バンドのツアーっす。今年は一人で演奏することが(あまりに)多かったんで、燃えとります。その後の「land of music」感じにきて下さい。

 「made in Aso」。いろんな感想が寄せられています。ありがとう。

by 山口 洋  
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