大人のtoy

2008/04/30, 18:32 | 固定リンク

4月30日 水曜日 晴れ 

 引き続き、広島です。今年でその歴史に幕を閉じる「広島市民球場」でカープの試合を見るのが、些細な俺の夢だったのだが、残念ながらやっていなかった。昨日、ボンバー石井が新しいカメラを買って、ゴキゲンに醜悪な夜を記録しているのを見て、俺もモーレツに欲しくなったから、同じものを買った。これは大人の「toy」だ。楽しい。

img08040022_1
by 山口 洋  

奈良しずかと宮島ひとみ、広島にて

2008/04/29, 18:31 | 固定リンク

4月29日 火曜日 晴れ 

 広島です。朝までトラックダウンを敢行し、ニューアルバムを完成させたリクオと新幹線で待ち合わせ。かく云う俺も朝まで働いていたのだが、道中眠れない俺につき合って、リクオは一睡もしなかった。すまん。
 いつもお世話になっている広島FMの生番組に出演した後、今日の会場「ヲルガン座」に入る。ここはオープンして間もないのだが、見たところスタッフは全員女性にて、かつて見たことのない細やかな気配りが隅々にまで行き届いていた。やっぱり男っちゅー生き物は「がさつ」なんだなぁ、と改めて実感。今日のチケットは売り切れで、果たしてこのスペースにそんな人数が入るのかと心配したが、彼女たちはてきぱきと机やテーブルを片付け、きちんと収容されている様に改めて感嘆する。
 ただ、問題は。問題はだね、今だからこそ語るけれど、ステージの両脇の壁にシカ君の頭部の剥製が鎮座しているのだった。俺は剥製が苦手なのだ。何かが宿っている。ビンビンに感じる。以前、ヨーロッパの古城を改造したホテルで、部屋にシカ君の剥製があって、泣きながら部屋を換えてもらったことがある。当たり前だけれど、客席がどんなに盛り上がろうと、シカ君たちは表情ひとつ変えない。彼らをこちら側に引き込むために、名前を付けてみることにした。俺のサイドに居るシカ君には「ひとみ @命名俺」、リクオサイドのシカ君には「しずか @命名リクオ」。インターミッションの間に彼らの本名がそれぞれ「宮島」と「奈良」だと判明し、彼らは晴れて「奈良しずか」、「宮島ひとみ」となったのだった。しかし、怖かった。
 今宵のライヴは今までのツアーのどの場所とも違っていた。暴走気味のリクオを俺が受け止める。新しい関係性だった。きっと、奴はアルバムを完成させて何かが吹っ切れたんだろう。そしてこの場所の持つエネルギーが俺たちをそうさせたんだろう。「ヲルガン座」は細やかな気遣いで、これからたくさんの文化を広島から送り出していくだろう。是非、ご飯を食べに、音楽を聞きに、立ち寄ってみんですか?本当にありがとう。

 いつものように、手伝ってくれている広島の悪友どもと夜の街に繰り出した。今宵は「大人な夜」になるはずだった。いつもの「S」に場所を移しても、静かに飲んでいた。が、しかし。その結末は、、、、、。酸っぱくなるので、このあたりで止めておこう。燃え尽きたリクオが気絶してくれたおかげで、ホテルに帰る口実ができた。ひひひ。

by 山口 洋  

into the wild

2008/04/28, 14:26 | 固定リンク

4月28日 月曜日 晴れ 

 印象的な話を聞いた。語ってくれたのはコワモテで有名な、かつ曲がったことが大嫌いな屈強の九州人。俺は敬意と畏怖の念をもって彼に接している。彼が渋谷の歩道橋を歩いていたら、前から中学生くらいの女の子が4人、行く先を塞ぐように歩いてくる。彼は「ちょっと、ごめんね」と優しく道をあけてくれるように頼んだ。すれ違ってしばらくして、背後から「キモいんだよ、あのオヤジ」みたいな台詞がこれみよがしに聞こえてきた。思うに、彼女たちは「云ってはならないこと」を本能的に察知していない。それが危険極まりない。言霊があることも、理解していない。それに年齢は関係ない。恐ろしい。
 俺は監督としてのショーン・ペンが好きだ。彼が描いてきたことは、いつだって俺の心の中にあるものと、ほぼ同じだ。その彼がジョン・クラカワーの「into the wild」を映画化していることを知って、ずっと完成を心待ちにしていた。この世界で「このまま」生きていくことに「本能的」な危険を察知したある若者が、荒野にたった一人で入っていく話。どちらにしても、この世で生きていくことは「into the wild」に違いないのだ。
 
http://www.afpbb.com/article/entertainment/movie/2302705/2280262
http://www.youtube.com/watch?v=2LAuzT_x8Ek

by 山口 洋  

アラバキにて

2008/04/27, 03:27 | 固定リンク

4月27日 日曜日 晴れ 

 はてさて、往復約11時間、バスに揺られて、アラバキに行ってきました。寒い中、声援をありがとう。しっかりと東北に根ざしたフェスになっているのが素晴らしいです。その努力に頭が下がります。4年も続けて呼んでくれてありがとう。バックヤードのミュージシャンのエリアは「おう、元気?」と年に一度の再会の場所になっています。今日も不意のラリアットを受けたと思ったら、それはハルク・ホーガンではなく、もじゃもじゃ君、佐藤タイジでした。あはは。
 機材のトラブルは多々あったけれど、主催者、オーディエンスの想いにのせられて、演奏することを心から楽しんだとです。本当にありがとう。

by 山口 洋  

リハーサル

2008/04/26, 19:02 | 固定リンク

4月25日 土曜日 雨 

 久しぶりにバンド全員揃って、一日限りのリハーサル。僕の楽器もしっかりメンテが施されて帰ってきました。何だよ、結局一緒かよ、とそのような突っ込みはご容赦を。隣のスタジオでは同世代の連中が同じフェスに出演するためリハーサル中。歳を重ねたなぁ、とお互いの顔を見つつ、ここまで来たら、行けるところまで行くだけです。多分。じゃ、東北の皆さん、明日会えるのを楽しみにしています。寒いらしいので、風邪ひかないようにね。

img08040017_1
by 山口 洋  

山の生活

2008/04/24, 17:13 | 固定リンク

4月24日 木曜日 晴れ 

 山の生活。巨大なファイルが送られてきたせいで、アナログ回線ではネットも不通になり、それもままよ、とテレビも何もない世界で、じっと作曲に取り組んでいました。それは某サントラのためのもので、今回は脚本を読み、それにインスパイアされつつ音楽を紡ぐ、楽しい作業でした。明日は都会に戻り、アラバキ・ロックフェス出演のためのリハーサルです。東北のイベンターGIPが情熱を持って続けている東北ならではのフェスです。東北の皆さん、久しぶりのフルバンドです。是非、足を運んでください。ゴールデンウィークはリクオと広島、大阪、近江八幡、名古屋を廻ります。気軽に遊びにきんしゃい。

by 山口 洋  

結(ゆい)

2008/04/18, 23:42 | 固定リンク

4月18日 金曜日 曇り 

 「うーん」と心から唸ってみる。都市生活で「失ったものと得たものは、どっちの方が多かったんだろう?」。

 大分県の山中にある、陶器と林業と梨園の里に、シークレットライヴをやるためにやってきた。そこには色とりどりの花が咲いていて、春の風が吹いていた。川沿いの道を歩く子供たちの表情は - 今や都会では殆ど見かけない - 実に子供たち然とした顔だった。音楽業界から激しく逸脱し始めた頃、ここでモノを作って生きる同世代の連中に会った。陶工も林業も、そのやり方はとてもプリミティヴだったが、100年先を見据えてモノを作り続ける彼らと、いつの間にかすっかり意気投合していた。どんな道でも突き詰めると、同じ場所に繋がっている。そして、彼らの日々に自分の音楽が流れているのが嬉しかった。
 陶工たちは昔から伝わる製法で、電気を一切使わず器を作る。土は近所の山から掘り出し、川の水で動く水車の力でひと月かけて粉砕される。それを水に溶かし、何度も濾過して粘土にする。ろくろは足で蹴ることで回し、独特の模様が刻まれる。完成した器に塗られる上薬も灰を利用したもので、裏庭ののぼり窯で焼かれる。すべての作業を一家でこなしていく。出来上がった陶器は使い込むほどに、深い味わいが増していく。山師たちは孫の代を見据えて山を守る。安価な輸入材に押される今、それは気が遠くなるほど根気を必要とする作業だ。小さなコミュニティーでは互いが助け合わなければ生きていけない。「everybody knows everybody」という環境で生きていくのはきっと大変なこともたくさんあると思うのだけれど、こうやって「結」の精神がきちんと機能しているのを観ると、この国も捨てたもんじゃない、と思う。地域の子供はみんなで見守る。多くの家庭で、じじばばと同居している。たくさんの知恵が受け継がれる。子供には子供の役目があって、親を手伝う。嫁たちは、苦労が絶えないだろうに、本当によく働く。ちなみに俺は聞いてみた。「一日、どれだけの米を炊くんですか?」。「うーん、一升かなぁ」と。 

 そんな彼らに請われて、音楽を届けることにした。会場は築50年の保育園の講堂。そこにゴザを引いて、体操座りで観覧する。俺を初めてみる人たちが殆どで、しかもおじいさん、おばあさんからちびっ子たちまで。約130人。ミュージシャンとして、今までやってきたことが多いに試される、やりがいのある場所。でも、音楽に導かれて、この場所にやって来れて、本当に嬉しかった。それは「gift」と呼ぶにふさわしいものだった。業界に揉まれていると、「大切なもの」が見えなくなることがある。でも、今日はそれをたくさん教えてもらった。間違っていなかった。言葉が書くのが陳腐に思えるほど、素晴らしかった。呼んでくれて、ありがとう。頼まれなくても、また行くぜ。

img08040015_1img08040015_2
by 山口 洋  

匠の技

2008/04/17, 18:10 | 固定リンク

4月17日 木曜日 雨 

 先日のスターパインズ・カフェのライヴでお亡くなりになった俺の古いギター・アンプ、ampeg VT-40を昨日引き取りに行ってきた。この道の匠の仕事場は、必ずと言っていいほど、ジャンクヤードのような趣を呈している。試奏してみて、びっくり。俺が手に入れた20年以上前と同じ音がする。どこをどう修理したのか、俺にはまったく不明だけれど、このような人物の技が我々を支えているのも事実なのだ。ついでに、このジャンクヤードにあったたくさんのアンプを弾いてみた。俺の機材は古すぎて、あまりにトラブルが多いので、金に糸目はつけず、びびっと来たものがあれば買おうと思っていた。けれど、どれもハイファイすぎて、どうしても好きになれなかった。俺は匠に尋ねてみた。「どーして、昔と同じものが作れないんですか?」と。いわく「文明の進化とともに、パーツのひとつひとつから不純物が取り除かれた。とてもクリーンでピュアなパーツになった。けれど、それが甘くて人間臭いサウンドに繋がるかと言えば、決してそうではない。その曖昧さがあの独特の音を産んでいることは否めないし、今や、その音を出すアンプを作ることは難しい。あなたのアンプはもう引退寸前のご老体だけど、この音がどうしても好きなのであれば、メインテナンスを常に施して、大事に使うしかないと思う」。なるほどね。
 俺がメインで使っている二つのアンプには新しいぶっといケーブルが繋がれ、でっかいコンセントが装着され、可能な限りケーブルは上質なものに取り替えられた。ギターもそうなのだけれど、俺はこ奴らをやっぱり一生大事にしようと思うのだ。あのサウンドが好きだし、長い時間をかけてたどり着いた場所だし、決して換えがきかないものだからね。

img08040014_1img08040014_2
by 山口 洋  

manufactured landscape

2008/04/16, 23:56 | 固定リンク

4月16日 水曜日 晴れ 

 映画「いま ここにある風景 - manufactured landscape」を観させてもらった。一言で書くならば、鮮烈な印象を残す - 今までに観たことのないタイプの - 素晴らしいけれど、考えさせられる映画だった。試写場を出たら、爽快な気分になったかと聞かれたなら、それはまったく「否」なのだけれど。一杯ひっかける気にもならなかったし、直後に食ったマズいトンカツも残す気になれなくて、無理に食ったら胃薬が必要だったし。でも、観ることができて良かった。

 カナダ人の写真家、エドワード・バーティンスキーが中国やバングラデッシュで「近代の産業」によって、異様なまでの変化を強いられた風景をスティルで撮影していくドキュメント。人件費の安さゆえ、今や世界中の電化製品を量産している中国の巨大工場、そのとどまるとこを知らない「成長」のために必要な電力をまかなうための「超巨大」ダムの建設現場、そこに沈んでいく町や文化と人々の暮らしの息吹。やがてダムの底に沈む町を、後に船が通過しやすいようにと、かつて住んでいた人たちが、金で請われて自ら破壊していくアイロニックな光景。成長著しい上海で、成り上がる人々と、地上げに決して屈しない老婆の表情の対比、エトセトラ。

 この作品に感銘を受けたのは、ナレーションやテロップによる作者の「主観」が徹底的に排除されていたからだ。それゆえ、時おり映しだされる写真が説得力を持って迫ってくる。人間の欲望によって削られた巨大な「鉱山」、あるいはコンピュターのスクラップの山。それらの写真はグロテスクな「美しさ」に満ちているのだった。頭の中にはでっかい「?」が浮かんだのだが、どう見ても美しいものは美しい。かつて「醜いけれど、美しい」というトーキョーについての歌詞を書いたが、その実感に似ていると言えば、分かってもらえるだろうか?言葉が足りないけれど、その中には確かに「残虐なまでの」美しさがあって、それは多分自分の心にも内包しているから「美しい」と感じるのだと、僕は思う。
 「yes / no」を一切述べないことによって、自分をも含め「誰もが無実ではないこと」が迫ってくる。現にこの文章を綴っている、先日買ったばかりのコンピュータは、カリフォルニアでデザインされ、他の国で部品が作られ、おそらく今日映画で観たような工場で組み立てられ、あのようなダムによって作られた電力によって動いている。3年もすれば世の趨勢についていけず確実にゴミになる。アイロニック。受け売りだけれど、このような問題には「learn - tell - do」の3つのステップが重要だと。始めに「学び」、誰かに「伝え」、最後に自分で実行するのだと。そんな意味で「不都合な真実」が分かりやすい映画だとするなら、この作品は「learn」するには余りあるものだった。胸に深く切り込んでくると言う意味で。最後にエドワード・バーティンスキーの言葉を。

「人間は今、居心地の悪い場所に座っている。
一度、手に入れたものを手放すことができず、
しかし、同時に、そのことが問題を深刻化させているとも知っているからなんだ。
良いとか悪いとかの問題じゃない。全く新しい発想が必要なんだ。」

 それでも人間は「全体的な視野(ホリスティック・ビュー)」、そして「思いやり」を持つことができると僕は信じていたいし、そのような人間で居たいと強く思います。

 この映画、東京都写真美術館ホールにて7月中旬ロードショーです。その後、全国で順次公開されます。是非。

追伸
 ところでこの映画、音楽が素晴らしかった。まるで細海魚が作ったのか、と思うほどに。資料を読むと、音楽監督はジム・オルークとも繋がっているのだと。なるほど、氏は魚作品のライナーを書いてたっけ。こういう連鎖を感じるのも悪くない。魚さん、たくさんの新作を出したところなのです。紹介はもう少し生活の中で聞き込んで、またいずれ。こちらも素晴らしいよ。

by 山口 洋  

life

2008/04/15, 22:35 | 固定リンク

4月15日 火曜日 晴れ 

 泳ぎ方を知らなかったのさ
 死を描くには生きるしかないのに

 誰もが自分の背中を見ることはできない

 ゲロの中から拾った宝石
 生き残るのにグロテスクな人種になるしかないのなら
 応えは否(ノン)だ

img08040012_1img08040012_2img08040012_3
by 山口 洋  

遅すぎたデビュー?

2008/04/14, 21:01 | 固定リンク

4月14日 月曜日 曇り 

 絶好調に筋肉痛。ペラペラなおケツの筋肉(あるのだろうか)までがコるに至っては、なるように任せるしかなし。ところで、今日の俺は風邪っぽかった。昨日までは喉が痛かったし。そして今日、突然鼻水が決壊したダムの如く溢れてきた。俺の意思とはまったく関係なしに。「氾濫」という言葉が実に正確。次第に鼻の周りが赤く腫れてきて、涙なのか、鼻水なのか不明で、俺の頭部にこんなに水分何処にあったの?誰が作ってんの?ほぼ、朦朧としてくるに陥ってハタと気づいた。これって花粉症?俺、44歳にしてデビュー?そうじゃないことを祈りつつ、今日もスタジオ作業に明け暮れています。でも、走るぜ。

by 山口 洋  

哀しい性と自主トレ

2008/04/13, 19:50 | 固定リンク

4月13日 日曜日 曇り 

 過日。コンピュータを買いに渋谷に行く。ネットで買えばいいのだけれど、どうにもあまり好きになれず。道中、昨日までにミキシングしたものを聞くも、「これやり直した方がいいじゃん」とあっさり決断し、このところ渋谷で最も気に入っているインド料理屋で激辛のカレーを食って、再び仕事場に戻る。哀しい性、アーメン。

 日曜日。複数のコンピュータのデータを新しいものに移して、またミックスに復帰。エンドレス。空いた時間に近所のグラウンドで自主トレ開始。投げる、打つはまだしも、決定的に走れない自分に気づいて凹む。そういえば、最後に全力疾走したのはいつだったんだろう?ううっ。

 デブにもハゲにもチビにもメタボにもならなかった。恵まれてるのかもしれん。しかし、とある温泉場の脱衣場で目の前の鏡を見て気づいたのだ。好々爺と呼ぶにはほど遠い、身体が干したイカのようにペラペラのじいさんが居るじゃないすか。俺の行く末はあっちだったのだ。俺は足腰を鍛えるために走るぜ、今日から。幸いにして、ヒートウェイヴの陸上部が先日結成され、来年の湘南国際マラソンに出場することが決まっている。マラソンなのにスタート500mで棄権した近所のY君みたいにならないように気をつけよう。

img08040010_1
by 山口 洋  

ワーカホリック

2008/04/11, 04:49 | 固定リンク

4月11日 金曜日 晴れ 

 気が短いんである。この仕事、さっさと終らせて、次の場所に向かいたいんである。魂は充分に込めたことだし。昼の12時から午前4時まで。モニターの前を離れることなく、効率を上げるために2台のコンピュータで違う作業をやりながら、音楽を仕上げた。終ったら、幻影が見えた。アナログの時代はテープを巻き戻す時間があった。一息入れて、背筋を伸ばす時間があった。コンピュータは効率的だ。けれど、没頭すると、始終頭を働かせていることになる。痛くて痒い。
 気が短いんである。俺は一生のうち、一体何台のコンピュータを買えば、気が済むんだろう?「下取り」とか「オークション」とか、まったく出来ない性格なので、誰かがもらってくれない限り、倉庫には古いコンピュータがどんどん増えていくことになる。そして、この「遅さ」が耐えられなくなって、明日新しいコンピュータをきっと買いにいくだろう。アーメン。

 とにもかくにも。この仕事は終わりだ。来週は山に帰ろうと思う。作曲に没頭したい。

 野球チームから背番号は何番にしますか?と。じゃぁ、29で。俺の敬愛する「カズ山本」の番号に決まってるじゃないすか。

img08040009_1img08040009_2
by 山口 洋  

ミックス完了

2008/04/10, 20:01 | 固定リンク

4月10日 木曜日 雨 

 空いた時間にやっていた、とあるミキシングを終らせた。かなり荒い演奏なのだけれど、実にライヴだ。実況録音盤として、酒池肉林の空間として、これはアリだと俺は思う。しばらく寝かせるなり、バンドのメンバーに聞かせるなりして、アイデアを煮詰めてみようと思う。

by 山口 洋  

re-write

2008/04/09, 11:51 | 固定リンク

4月7~9日 

 月曜日。早速スパイクを買いに行った。30年振りにそれを履いてみる。子供の頃、空の下で興じていたあれらの時間が、また形を変えてやってきた。心が喜んでいる。不思議な感覚。

 夕刻。横浜のサムズ・アップにモザイクを観に行く。トラッドがある種の伝統芸であるのなら、そこに埋没している人々が多い(悪いことだとは思わないけれど)中、彼等は既に自らのキャリアを確立しているにも関わらず、世界各地のトラッドを融合させ、未来に向けて昇華させようとしている。その心意気に、胸打たれる。アンディー・アーヴァインやドーナル・ラニーが気安く僕と話してくれるからと云って、彼等が僕にとって、偉大な音楽の師匠であることは永遠に変わらない。会場にふらりと現れた友部正人さんと久しぶりに再会し、ウディー・ガスリーの話をしながら、至福の時間を過ごし、駐車場の門限を過ぎて、家に帰れなくなる。サムズ・アップのオーナー、サフさんが愛車サーブを貸してくれなかったら、俺は横浜でrain dogになるところだった。
 
 無粋な男から電話があり、限りなく不快になる。そして男は友人をひとり失った。

 水曜日。吉祥寺でモザイクのオープニングをリクオと努める。演奏の中に感謝の気持ちを込める。今日に至る道程の中で、彼等からもらったものは計り知れない。その励ましも、叱咤も、音楽の素晴らしさも、すべて胸の中にある。彼等はヨーロッパに向けて旅立った。これから9日連続の公演なのだと。その情熱に頭が下がる。

 友部さんから新しいアルバム「歯車とスモークドサーモン」を頂いた。音楽を聞く前に、歌詞カードに刻まれた言葉を読んだだけで、思わずのけぞる。「年を取ることは ----- 誰の真似もしたくなくなる」。とてつもない詩人だ。近年、俺は言葉について、あえて深く考えないようにしてきた。言葉がメロディーを必ずブチ壊すから。でも、その可能性についてもう一度考えてみようと思う。
 

img08040007_1
by 山口 洋  

続・soso

2008/04/06, 23:27 | 固定リンク

続・soso

img08040006_1img08040006_2img08040006_3
by 山口 洋  

人生はsosoなり、入間にて

2008/04/05, 01:24 | 固定リンク

4月5~6日 快晴 

 リクオと埼玉県入間市にやってきました。ここsosoは米軍ハウスを改造したハコにて、以前川越市の「鶴川座」なる歴史ある小屋を運営していた連中が流れついた場所。代表のSはとってもナイスな奴なのだが、真面目すぎて余裕がないのがタマニキズだった。俺も似たところがあるんで、実は随分と行く先を案じてはいた。でも晴れてsosoは一周年を迎え、そんじゃぁ、祝いに行くぞと出かけた訳です。
 ところがどっこい、Sは随分と世間の荒波に揉まれたのか、肝の座ったいい表情をしていたのだった。いやぁ、こういう男の顔を観ると、嬉しくなるねぇ。パートナーはこれまた肝が座りすぎて「おかみさん」然としてるし。働いてる若者たちもいい顔だ。楽屋に猫は居るし、地元のお客さんたちにもすっかり愛されてるみたいだし、PAマンの仕事は素晴らしいし、食い物うまいし、カレーは売り切れるし、リクオはいつものように飲み過ぎるし、二日間違う演奏が二人に降りてくるし、オープニングの若者はいい個性を持っているし、隣はスタジオ兼レーベルだし、エトセトラ。僭越ながら、sosoを埼玉初の「Land of music」に認定します。素晴らしい。良く頑張った。俺も嬉しいよ。近くに立ち寄ったなら、皆さん、是非行ってみんさい。

 ところで、Sもおかみさんもリクオも俺も野球部出身。二日目はリハーサル前に野球したとです。ところがどっこい、足がもつれるわ、コントロールが定まらないわ、情けないにも程があるっちゅーの。そんな訳で、俺とリクオはこのチームに混ぜてもらって、5月に試合に出させてもらうことにしました。俺は明日、スパイクを買いに行きます。こんなに動けない自分が許せんとです。

 沢山エネルギーをもらいました。オーディエンスやスタッフや音楽から。ありがとう。音楽は素晴らしい。その一言に尽きます。ありがとう、アゲイン。

img08040005_1img08040005_2img08040005_3
by 山口 洋  

酒池肉林

2008/04/04, 19:26 | 固定リンク

4月4日 金曜日 晴れ 

 ずっと仕事場にこもってミキシング。音楽を聞きながら、頭に浮かんできた言葉は「酒池肉林」。理由は不明。どうやらスタジオ作業が長過ぎたらしく。明日はライヴです。いい口実にして、外に出て楽しんできます。

 アルバム「Land of music」からボックスセット「the Rising」に至るまで、有機的に繋がってきたメンバー、スタッフ、クリエイターたち殆どにインタビューをし、その数も20を越え、一応の区切りがつきつつあります。音楽、この国、世代、希望、サバイブすること、その他もろもろ。いろんな事が複合的に見えてくるように仕上がっています。スタッフ達の素晴らしい仕事ですけど。もし時間があれば、以下のリンクにあるそれらの声に目を通して、僕らがやりたかったことを今一度、理解してくれると嬉しいです。じゃぁ、何処かの会場でお会いしましょう。明日は入間です。米軍ハウスを改造した「small pink」。「the Rising」に関わってくれたそれぞれのクリエイター達も自分の現場で頑張っています。また何処かで繋がることを夢見つつ、それぞれの道(未知)を進んでいます。「the Rising」まだ若干数あります。ぐっと来た方は是非、これらの想いの集合体を楽しんで下さい。

http://d.hatena.ne.jp/theRising/

by 山口 洋  

桜吹雪とお灸

2008/04/03, 22:13 | 固定リンク

4月3日 木曜日 晴れ 

 海沿いの街は桜吹雪が舞っています。ところで、最近身の回りの人間達がシリアスに体調を崩すことが多く、身内の治療のために身につけたお灸が引っ張りだこです。俺の職業一体何?みたいな。このお灸、フルコースでやるには3時間以上かかります。どんな病気にも効くのですが、やる方もいろんなものを浴び、もぐさの煙にまみれて、ぐったりします。つくづく「病は気から」だなぁ、と。今日は都内に出張して、さきほど仕事場に戻りました。さぁて、今から音楽に復帰します。

追伸
「the Rising特設サイト」、沖縄でマルチに活躍する野田君との対談がアップされています。是非、読んでください。
http://d.hatena.ne.jp/theRising/

by 山口 洋  

寅次郎

2008/04/02, 18:06 | 固定リンク

4月2日 水曜日 晴れ 

 忘れた頃に観る寅さん。最高です。1983年、第32作目。俺は大学二年生でした。けれど、この風景はもう撮れないでしょう。それほどまでにこの国の移り変わりは速すぎるとです。劇中、寅さんが「さあてと、明日は出雲にでも行くとするか」と。アテもなくさすらう彼の行く先々の街を知っている自分は現代版の寅さんなのかもしれんと。失われていく、それらの美しい風景。できるだけ自分の眼に刻んでおきたいとです。

img08040002_1
by 山口 洋  

changing trains

2008/04/01, 18:04 | 固定リンク

4月1日 火曜日 晴れ 

 仕事場に不意の来客があったなら、迷わず江ノ島の突端にある茶屋に行きます。はまぐりとイカを肴にビールを飲みつつ、浮世絵の世界に沈んでいく夕陽を眺めるとです。夕陽と富士山と松と海。100点。

 さて、今日はモザイクを紹介します。俺の音楽の師匠、アンディー・アーヴァインとドーナル・ラニーが率いるこのバンド。アイリッシュトラッド、アメリカンルーツ・ミュージック、バルカンの音楽、その他もろもろ。それらを有機的に融合かつ進化させている末恐ろしいバンドです。アルバムはもちろんのこと、予備知識がなくても、ライヴに足を運んでみんですか?音楽のミラクルなまでの力を存分に味わってもらえると思います。詳細は以下に。

http://www.breast.co.jp/soulflower/itamihideko.html#h03

img08040001_1img08040001_2img08040001_3
by 山口 洋  
- end -