dancing in the luna park

2009/08/31, 19:45 | 固定リンク

8月31日 月曜日 暴風雨 


奇妙な旅は終わらない

何処へ行くのか 誰にも分からない

観覧車は廻り続けるだけで

決して止まることはない

自分だけが正気だと思っていた

それは狂気の始まりに過ぎなかった

頭蓋骨の裏のスクリーンには
いつも
トラウマの映画が映ってた

奇妙な夢を見続けてる
遊園地で彼は踊り続けてる

観覧車に宿る小さな瞳は

ゼロに向かって廻り続けてる

子供は言葉を失ってる

大人がそれを拾い集めてる

何だかはかない眺めだね

2人は凍りながら笑っている

孤独な人々の横顔は

決して不幸を嘆いているわけじゃない
まして夢を見ているわけでもなく

ただ踊り続ける それだけのこと

花のようにはかない日々だね
凍りながらにっこり微笑んでいた彼女
花に埋もれた墓場の下で

プリンセスは静かに朽ちてゆく

奇妙な日々は終わらない
何処へ行くのか誰にも分からない

全ては幻のように

浮かんでは消えてゆく

裏通りでは女達が

感心しない日々を送っていた

けれど擦り減るのをただじっと待っていた訳じゃない
ある冬の晴れた日に

孤独な人々の横顔は

決して不幸を嘆いているわけじゃない

けれど夢さえも見ないわけではなく

ただ踊り続ける それだけのこと

いつか全ての言葉が語り尽くされても

この空しい旅はどこまでも続いてゆくだろう
遊園地で踊り ほんの少し自分を忘れ
どこまでも踊り続ける それだけのこと



陽はまた昇る/Everyone is waiting for the sunrise

最終電車を待っている
君は冬のホームに立ち

全てを失った悲しみが
胸に拡がるのを感じている

放浪への憧れと

人恋しさのと狭間で
平隠な毎日を

君はいつも怖れていた

我が道を行くことだけが

誠実さだと疑わずに
小さな嘘 積み重ね
そして今や帰る場所もない

夜のために窓を磨き
帰らない君を待つひとがいる
癒されない痛みが

胸の中 彷徨っている

失くしたものの行方さえ

彼女は分からないままに

自分に足りなかった何かを
手探りで求め続けている

安らかな夜を過ごし
幸福を胸に感じていたのに

信じてる 待ち続けてる

そして明日の朝 陽はまた昇る

Everyone is waiting for the sunrise
Everyone is waiting for the sunrise

Everyone is waiting for the sunrise
Everyone is waiting for the sunrise

誰もがみな

分かれ道に立ち

ふりそそぐ 哀しみの上に
明日の朝 陽はまた昇る

Everyone is waiting for the sunrise

Everyone is waiting for the sunrise
Everyone is waiting for the sunrise
Everyone is waiting for the sunrise





たったひとりの友人


心に爪痕だけを残し
流れ星のように消えていった君は
俺にとってたったひとりだけの友人だった

歌わずにはいられない想い
描かずにはいられない日々の中
君はクレイジーで いつも輝いていた

誰ひとり触れることの出来ない その心の深い傷から
一瞬にして嵐を巻き起こす その熱い力を呼び覚まし
相手の魂まで見透かすような 鷹のように鋭い瞳で
死ぬまで彷徨い続けるのだと 俺に教えてくれた

あぁ 俺は歩いてゆく
この灰色の街を抜けて
君の魂が夜空を照らし続けてくれる限り

小さな舟に乗り
君は海へと流されていった
俺は岸辺を走りながら やがて君の姿を見失った

目を開けたまま夢を見てる
半分死んだまま生きている
全てを投げ出してしまいたくなることもある

ゴングに救われたボクサーに 今新しい風が吹く
夜の果てへと旅を続けているただの普通の男の
答のない日々にも 陽はまた昇る
33のホーボーマンはナイスガイを蹴散らし
ルナパークを照らす放浪の星を目指し続けている

あぁ 俺は歩いてゆく
この灰色の街を抜けて
君の魂が夜空を照らし続ける限り

あぁ 俺は歩いてゆく
この灰色の街を抜けて
君は俺にとってたったひとりの友人だった

COPYRIGHT BY
POLYGRAM MUSIC JAPAN, INC
FIVE-D Corporation
JADE MUSIC CO.,LTD

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by 山口 洋  

魔界への旅

2009/08/30, 15:43 | 固定リンク

8月30日 日曜日 曇り 

 毎晩オレが「保護」、あるいは「捕獲」されているバーは日曜日がお休み。なので、バーのマスター夫妻に誘われて、魔界へと小さな旅に出る。夕刻、古都の蕎麦屋でギタリストのライヴを観る。特殊効果一切なし。これぞライヴ。客もある程度の緊張感を強いられる。その人となりが次第ににじみ出てくる。人物固有の「ねじれ」によって、蕎麦屋は静かに魔界と化していく。「ねじれ」、「歪み」、「欠落」あるいは「欠損」、エトセトラ。そんなものは誰にでもある。けれど、それが表現の源泉である人の音はまっすぐで、少し痛い。ときおり時空が歪む。蕎麦屋の近所ででっかいコンサートが行われていたらしい。蕎麦屋のステージは入り口近くにあって、ギタリストの背後を観客たちが通り過ぎる。そのコントラストがあまりにシュールで、何とも云えない不思議な興奮を覚える。どっちが夢で、どっちがうつつなのか。善し悪しではない。蕎麦屋という魔界の中に居なければ、この風景は観ることが叶わない。要は足を運ぶか、運ばないか。違いはそれだけだ。
 オレは充分に酔っていたが、違う街でのコンサートに誘われて、また違った「魔界」の予感がしたので、ついていく。蕎麦屋とはまったく違った意味で、そこでは中年諸姉が狂乱状態になっていた。すべてを捨てて、踊り狂う猿、サル、さる。あの光景を文章化するのは難しい。
 時として、音楽は合法的な麻薬のようなものだ。人に「ねじれ」を意識させ、あるいは人々を全面的に猿にする。オレは演奏していて、ときどき「神」の存在を感じることがある。それはキリストでも仏陀でもないのだけれど、確実にそこに居ると感じることがある。目に見えているものだけが全てではない。一方的だけれど、オレは毎日誰かと「通信」している。
 テレビをつけて、選挙の結果を知る。この世も充分に魔界なのだけれど、何かが足りない。何かがひどく薄っぺらい。何もかもがあるのだけれど、何もない。時間とはただの観念に過ぎないのだと、この頃思うのだ。充分なふたつの魔界に翻弄されて、飲み屋をたくさんはしごして、渦に巻き込まれたまま眠りに落ちる。

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by 山口 洋  

エロスの中のメッセージ

2009/08/29, 11:25 | 固定リンク

8月29日 土曜日 晴れ 

 代官山にて。「peace music festa 09」のプレイベント。オレとリクオは出番を終えて、新良幸人とサンデーの演奏をステージ脇で聞いていた。本物だ。エロスは生きるエネルギー。三線も声もエロい。そして湧き出る音には艶があって、なまめかしい。まるで受粉した花弁に朝のしずくがついてるような風景。そしてサンデー君の太鼓は多くを語らぬ絶妙なグルーヴ。「寸止め」とでも云えばいいのか。奇跡的な組み合わせ。聞けば彼らは25年、一緒に演奏しているのだと。平和を声高に叫ばなくても、その音楽から勝手に受け取るものの中に、オレにとっては大切なメッセージがある。ありがとう。

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by 山口 洋  

2009/08/28, 21:47 | 固定リンク

8月28日 金曜日 晴れ 

 これまで歩んできた道は、自分を映す鏡のようなものだと思う。善きことも、そうではないことも。そこにはすべてが映っている。だから、どんな激しいつまづきであろうと、あるいは裏切りであろうと、いつか感謝できるようになる。その経験がなければ、気づかせてくれなければ、自分はどうなっていたんだろう。そう思えるようになる。何もかも失ったように見えて、実は何も失ってはいない。どんなに悲惨な生い立ちをしたとしても、愛されていない者はいない。本当の意味では。その経験が人を作る。内包する感情は大まかに云えば、二つ。「愛」と「怖れ」だけ。自分の軸となるもの、あるいは核(コア)のようなものが、チャプター2になってようやく見えてきた気がする。
 夜、眠れずに街を歩く。空や星はオレを愛してくれる。いつだって、許してもくれる。望むものは、おわらない「何か」。ただ、それだけだ。

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by 山口 洋  

予告通り

2009/08/27, 18:50 | 固定リンク

8月27日 木曜日 晴れ 

 元々はそんな場所だったのだが。
 昨日、殆ど引っ越し屋と化して、半年ぶりに「音楽制作」の場所と、「作詞作曲」の場所を確保した。素晴らしい。さぁ、仕事に集中するぜ。屋根裏はひどいことになってるんだけど。ま、いっか。見えないし。

 走り始めたときに、先達である敏腕編集者のS君にこう云われたのだ。「まずはランニングシューズを買ってください」。「ウィ、ムッシュ」。「それから、しばらくしたら必ず膝が痛くなりますけど、そこをゆっくり乗り越えたら、膝に筋肉が付いて、走るための膝になりますから」。「ウィ、ムッシュ」。
 なーんだ、近頃のランニングシューズのおかげで全然大丈夫じゃん、オレの膝。と、うそぶいていたら、今日突然それはやってきた。痛い。昨日、重たいものを運んだせいもあるだろうが、連日の飲み過ぎもあるだろうが、痛い。先達の意見はちゃんと聞こう。でも、走る時間は今のオレにはとても重要なのだ。空っぽにして、リセットして、毎日自分が歩む道を確認するために。ほんのり月が出ていたり、星が瞬いていたりすると、なおよろしい。願いをフィジカルに伝えることもできるから。だから、今日はゆっくり歩いた。不思議なものだね。いたわりながら、歩いていると、痛みが軽くなる。そして、見える景色も浮かんでくる言葉もぜんぜん違う。いろんなことを学ぶ今日この頃。

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by 山口 洋  

I believe, again

2009/08/26, 18:44 | 固定リンク

8月26日 水曜日 晴れ 

 一仕事を終えて、ふっと時間ができたり、晩夏にさしかかったり。そんな時は急に心の隙間に風が吹いたりする。情けないけど、生まれつきの寂しがり屋だからして、こればかりは抗っても仕方ない。いつものバーに一人で出勤。心地よい音楽を聞かせてもらって、他愛のない話をしたりして、帰って寝る。やり過ごすのにも年期が必要だね。
 さぁ、曲を身体に入れておこう。そうやって譜面を観て、吐きそうになる。オレは我流で音楽を学んだので、いつまでたっても、譜面とスピーカーから流れる音楽が合致しない。無理をすれば読めないことはないのだが、目で追っているうちに、一番大事にしている「流れ」が死んでしまう。だから、「身体に入れて」しまわないと心からは演奏できない。いくつかの言葉が風景と一緒に突然心に飛び込んでくる。「baby もう泣かないで / 人の世は短い / もう二度と偽らないで / 好きなように羽ばたいてくれ // 夜が朝に変わるまで soulmates / 風が光に変わるまで soulmates // baby もう聞かないで / たいした違いはないさ/ 運命に導かれて / すべてはつながってゆく // 夜が朝に変わるまで soulmates / 風が光に変わるまで soulmates」。タイトルが「ふたりの理由」だと、書いたのが佐野さんと知って、感服。深い。参った。「ねぇ、真実を 話すことは 勇気がいるよ 誰も傷つけずに / でも、君にだけは 知ってほしい 後になって 後悔したくない」。再び小坂忠さんに感服。ソングライターという種類の人たちは紆余曲折の末に、みんな似たような道を通るのだろうか?久しく日本語の歌を聞いていなかったけれど、人生の先輩でもあるソングライターが残してくれた言葉や音楽。それはオレにとっての希望であり、光でもある。と、ここまで聞いて、頭に浮かんできた言葉は「I believe」。オレは未来を信じる。そう思いつつ、グッと来ながら音源を聞いていたら、最後に入っていたのは「people get ready」で、「I believe」と歌われていた。嘘みたいな本当の話。何だか、徹頭徹尾、参ったけど、生きてるってことは素晴らしい。
 そしてオレは意を決して、仕事場を殆ど埋め尽くしていた、バンド30年分の資料が詰まった無数の段ボールを屋根裏に運び込んだ。数ヶ月ぶりに、日々の暮らしにスペースができた。

「今の自分のすべては、自分のこれまでの思考の結果である」。仏陀


「想像力がすべてだ。それは人生でこれから引き寄せるものの予告編なのだ」。アインシュタイン
 
 オレは未来を信じる。

追伸 歌詞の無断引用、お許しを。


by 山口 洋  

ほうろう2009

2009/08/25, 19:35 | 固定リンク

8月25日 火曜日 晴れ 

 9月の頭に行われるイベント「海さくらミュージックフェスティバル」で小坂忠さんと一緒に演奏させてもらうことになって、送られてきたたくさんの音源と一緒に入っていた自叙伝「まだ夢の続き」を読ませてもらった。先日、彼が歌っている姿を初めて観させてもらったのだが、そこには我々の世代が誰も持っていない「重戦車のような覚悟」があって、感激した。その正体が何なのか、未だに分からないのだけれど、「覚悟」を決めた、深くて暖かい、永遠の不良の声だった。紹介してもらい、握手しただけの関係なのだけれど、「この人は自分の手を汚して生きてきたんだ」と思った。オレに何が出来るのか、分からない。でも、一緒に演奏させてもらうことを、心から嬉しく思っている。

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by 山口 洋  

神の棲む森、大雪山にて

2009/08/24, 03:14 | 固定リンク

8月24日 月曜日 曇り 

 一日に3便しかない飛行機に乗り遅れた。こういうことは滅多にないのだが、4日で3本のライヴと移動。さすがに疲れていた。昼の便を逃すと、あとは夜しかない。ラジオの生出演も、Nさんのライヴもすべてキャンセル。あきらめて、悪友どもと大雪山の中腹にある十勝岳温泉に行く。北海道の森には神が棲んでいる。ほんとだよ。冬になったら、ニセコと富良野にスキーを持ってやってこよう。もっとうまくなりたい。短い北海道の夏はもう終わってしまった。もの哀しい。でも、その感覚は嫌いじゃない。短いから愛おしく思う。その彼らの心が好きだ。空はどこまでも広かった。いろんな話をして、冬に再会する約束をして、それぞれを確かめあって、オレは飛行機に乗って、東京に戻った。同じ国だとは思えなかった。こりゃ眠れないわ。結局、いつものバーに行って、飲んだ。帰りしな、オーナー夫妻の手作りのパンを手渡された。ちょっと泣けた。

 北海道の友人たち。本当にありがとう。

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by 山口 洋  

それぞれの車窓、旭川にて

2009/08/23, 03:03 | 固定リンク

8月23日 日曜日 雨 

 古くからの友人WとCと旭川を目指す。「金も病も痛みも苦しみも愛も/すべて詰め込んで/この人生にイエスと応えるためのエネルギーを」。自分で書いた歌詞が車窓と相まって頭の中に浮かんでは消えた。
 旭川のアーリータイムス。日本のフォークの殿堂。云うことなし。街の人々と音楽の関わり方。それが自然でとても好きだ。昨年、一昨年と訪れた女子校の生徒たちが、大人と子供の中間のような表情でライヴを観に来てくれた。嬉しかった。さんざんもてなされて、WとCと共にホテルT(友人宅)に乱入して、ダメ男論を展開するも、オレは気絶。

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by 山口 洋  

キヨシとの夜、札幌にて

2009/08/22, 10:17 | 固定リンク

8月22日 土曜日 晴れ 

 札幌の名門ジャズ・クラブ「くう」にて。いつもと変わらぬ体温で迎えられ、オレは一年分の想いを込めて演奏する。次はトリオで来たいなぁ、と切に。
 一年に一回しか会えない人が居る。だから、ちょっと無理をしてでも会いにいく。キヨシちゃんの店で流れる音楽は素晴らしい。今宵はケヴィン・エアーズで迎えてくれた。至福。云うまでもなくキヨシちゃんは素晴らしいギタリストでもある。来年は一緒に演奏しようと、男の抱擁をして宿に帰る。

追伸
函館のジャズ喫茶、「想苑」が正しい表記でした。すいません。

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by 山口 洋  

嫁姑戦線異状なし

2009/08/21, 17:09 | 固定リンク

8月21日 金曜日 晴れ 

 ホテル嫌いのオレは浜野某の家にお世話になっている。この農場は浜野、浜野嫁、浜野母の三人によって営まれているが、おかんはまるで湘南のサーファーのように日焼けしていて、今日はheatwaveのT-シャツを着用。実にチャーミングな人物である。嫁姑戦線異状なし。明日の花火大会に出店する食材を居合わせた全員で制作中。そこに何故か近藤某も加わって、宴になる。オレは例によって、お返しも何もできないから、くだらない歌を作っていっぱい歌った。人が暮らす家っていいなぁ。冷蔵庫にたくさん食材が入ってるのを観るだけで嬉しくなる。函館の海からの風は、もうほんのり秋の匂いがするよ。

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by 山口 洋  

人の想いが紡ぐもの、函館にて

2009/08/20, 17:03 | 固定リンク

8月20日 木曜日 晴れ 

 函館山の麓にある50年の歴史を誇るジャズ喫茶「草苑」にて、北海道ツアー開始。その昔、函館の「モボ」と「モガ」が精一杯のオシャレをして通う店だったのだ、と。
 首謀者、高血圧の浜野某とはもう長い付き合い。有機農法で絶品の野菜を育てている。地元に戻って約10年。横のつながりも出来てきた。平日のライヴと云うこともあって、オーディエンスはお腹をすかしてやってくる。そんな訳で、今日は「ロックンロールプレート」が1000円で提供された。いいねぇ、こういうの。その内容を観て、実際に食してみて、オレはひっくり返った。美味すぎる。まるで「函館うまかもん市」みたいだった。オレの舌を信じてくれるなら、それぞれに絶品。こだわり抜いた逸品ゆえ、興味のある人は喰ってくれたまえ。

野菜 - panの森 http://panwithin-farm.com/
ズッキーニ、ルッコラ、バジル、イタリアンパセリ、エトセトラ。何でも美味い。本日はラタトューユ、マッシュポテト、サラダ、ミニトマトを提供。開演前にミニトマトを20個は喰ったぞ。オレ。今年は残念ながら天候不良で不作だけれど、野菜ボックスの通販もやってます。

牛肉 - おぐに牧場 tel/fax 0138--77-7615
彼が育てた牛を流通に乗せることなく、直販。本日頂いたローストビーフにも牛の名前がついていた。今日の牛の名前は「まりこ」。アイスボックスにローストビーフを入れて会場にやってきた彼は、まるで「臓器移植」のために臓器を運搬する人みたいな顔をしていた。しかし、美味かった。あんなにマイルドな牛肉は食べたことがない。

チーズ - 山田農場チーズ工房 tel/fax 0138-67-2133
ヤギを急勾配の山間部で自由放牧、飼っている牛は一頭のみ。奴らは季節に応じて、そこらじゅうに生えているものを食する。よって、チーズの味も季節によって変わる。昨日、オレが喰ったものは人生初めての味だった。ヤギと牛と人と発酵と自然のコラボレーション。すごい。

パン - roca  http://score20.net
美味すぎて、形容する言葉が見つからず。

 ひとつ気づいたことがある。それぞれこだわって食材を作っている連中は、顔が作っているものに似てくる。おぐに氏は「牛」みたいな顔をしているし、浜野某は出来損ないのズッキーニみたいで、山田さんは一家でチーズみたいな顔をしてる。ほんとだってば。
 ライヴの話はちっとも書いてないけれど、音楽を通じて、同世代の新しい確かなリレーションが出来ていくのを観ていると、本当に嬉しい。それを嬉しそうに見守っている草苑のご夫婦の表情も美しかった。いい旅の始まりだ。

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by 山口 洋  

each word's a beat of my heart

2009/08/19, 15:14 | 固定リンク

8月19日 水曜日 晴れ 

 走り始めてどの位になるんだろう?二ヶ月くらいか。雨が降らない限り、多分4,5キロくらいをゆっくり走る。スポーツクラブでマシンの上を走るのは(走ったことないけど)、何だかハムスターみたいで嫌だ。なにがしかの「絶大な効果」があったとは思えないが、走っている時は何も考えない。それだけでも今のオレには充分。昔から走るのは好きだったけれど、すぐに膝が痛くなっていた。それも友達のアドヴァイスで、ランニングシューズを買うことで解決した。獣神サンダーライガーみたいな見かけが本当に好きになれないけれど(シンプルなデザインのもの、誰か作ってくれないかな)、テクノロジーは時に素晴らしいとも思う。何処に行くにも、このシューズを持ち歩いて、いろんな街を走っているうちに、時折襲われていた膝痛もまったくなくなった。
 昨日、都会に戻り、夜の街を走ってびっくりした。足取りが軽いのだ。この一週間ほど、山の中を走っていた。アップダウンもきついし、標高も1000メートル近かった。気づかなかったけど、ちょっとした高地トレーニングみたいなことをやっていたんだろう。なるほど。時間が全てを解決するとはこういうことか。疵もこんな感じで、癒えていくのかもしれないね。
 Mink DeVilleのヴォーカリスト、Willy DeVilleがNYの病院で亡くなったと。膵臓ガン。58歳。まだ学生だった頃、友達の家でよく流れていた。「each word's a beat of my heart」、マーク・ノップラーのギターが素晴らしい「southern politician」。そんな曲がとても好きだった。魅力的な悪党。誰かの歌じゃないけど、憎みきれないろくでなし。長田弘さんが「宝島」のジョン・シルヴァーについて「正義派の退屈さをわたしは宝島によって学んだ」と記しているのだけれど、まさにそのような人物だった。思い立って、彼のレコードを引っぱりだして、驚いた。彼の肩の上にはジョン・シルヴァーのフリント船長(鳥のあだ名)よろしく黒いオウムがとまっていた。あんたのファンは遠く離れたこの国にも居るんだよ、と。今夜はいつものバーにレコードを持っていって、マスターにかけてもらおうか、と思う。R.I.P。
 山の家から持ち帰った、母が遺した本を読んでいる。この人はオレと同じように、本に傍線や書き込みをしながら読む癖があるのだが、反応している部分の3分の1くらいがオレと同じ箇所で、オレがビビっときた箇所にはまったく無反応。なるほど、こうやって理解できたりすれ違ったりしてたのか、と今更ながら苦笑している。
 さ、明日から北海道。函館、札幌、旭川と廻ります。みんなに会えるのを愉しみにしています。

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by 山口 洋  

里山アゲイン

2009/08/18, 19:05 | 固定リンク

8月18日 火曜日 晴れ 

 都会に戻って仕事に復帰する前に、もう一度里山に寄っておきたかった。何処に居ても自分の居場所と感じるところはないのだけれど、あの風景と人々の暮らしは心からリラックスさせてくれる。日本家屋の畳を観ると、身体の表面積をできるだけ密着させたくなる。世界を巡って、結局、畳に恋する45歳。オレはお箸の国の人間なのだ。
 
 「いつでも帰ってこい」と云われるのは、流れ者にとっては無上の喜び。寅さんだって、迎えてくれる場所がなきゃ流浪はできぬ。谷あいに星が輝き、心づくしの料理が並び、とりとめもなく話をする。
 人を破壊するのは人で、人を救うのも人。都会にも田舎にも「魔界」から来たとしか思えない人物が居て、負の渦を巻き起こし、人々はそれに飲み込まれていく。その人物は血の繋がった人間だったりするものだから、何とかしようと思えば思うほどアリ地獄の中に吸い込まれていく。どんなに愛をもっていてもどうにもならないことがある。結局、人を理解するってことはとんでもないことなのだ。たまには自分がぶっ壊れる。でも、だからこそ面白い。「負」のものにチャンネルを合わせてはいけない。もがけばもがく程、更なる「負」が巻き起こる。これは同世代の悪友どもの共通した意見。戦争に反対するのなら、知識を得て、平和を願おう。まずは自分の心を愛で満たそう。同じ事実をどの角度からどう捉えるかによって、結果は驚くほど変わってくる。それを実感する今日この頃。
 それぞれに「正義」があって、言い分がある。それはそれで尊重しよう。けれど、自分が絶対に正しいのだ、と言い切る人を信用するのは難しい。何故なら、かつて自分が振りかざした「正義」が正しかったためしがないからだ。だから、「真実はいつか自由をもたらしてくれる」。それだけは信じていようと思う。
 「everybody knows everybody」。田舎のそのような状況の中では、この世の中の良い事もそうではないことも、凝縮、濃縮されてそこにある。ひどく分かりやすく、生々しい形でそこにある。流れ者から観ると、そこはヒントに溢れている。たくさんの事を教えてもらって、今日も畳の上で気絶するのだった。

 さぁ、明後日から北海道に行くぞ。畳とお箸の国からやってきた、まごうことなき中年男のロックンロール・ファンタジー。気軽に遊びに来てくれ。11月のバンドのツアーも発表されました。詳しくは「news」を。

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by 山口 洋  

窯出し

2009/08/17, 18:49 | 固定リンク

8月17日 月曜日 晴れ 

 先日、窯焚きに参加させてもらったことを書いたけれど、出来上がったものが届けられた。嬉しいねぇ。アルバムや曲を作ったりするのと一緒だね。オレは薪を投入しただけだけど。早ければ、月末には表参道ヒルズの店に並んでるそうです。(ごめん、店の名前は失念)興味のある人は行ってみてください。

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by 山口 洋  

受容

2009/08/16, 14:08 | 固定リンク

8月16日 日曜日 晴れ 

 「君が抵抗するものが、存在し続ける」。カール・ユング

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by 山口 洋  

「soulmate」と永遠の「rambling boy」

2009/08/15, 20:02 | 固定リンク

8月15日 土曜日 晴れ 

 「見えないものを信じられるか」。宇宙を見上げながら、自問自答する。信じてみようと思う。宇宙と自分。外のものと、内包するもの。それが時に同一であることも。一日を創造しよう。soulmate、そして永遠のrambling boy。
 
 「死者とは生きている者のみに存在する。例えば、書くとは自殺を生きることだ」。長田弘

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by 山口 洋  

stars

2009/08/14, 11:57 | 固定リンク

8月14日 金曜日 晴れ 

 青年を駅まで送り、この夏初めての高い空があたりを包んだ。世の中で何が起きているのか、オレは何も知らない。浦島太朗。寝転がって、満天の星空を見上げる。まるでウインクみたいにまたたいていた。5つの流れ星が流れた。「想いは届かない/願いは叶わない」と始まる歌を最近書いたが、本当の意味ではそうは思っていない。いつだって感謝の気持ちを忘れなければ、それが失われることはない。

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by 山口 洋  

人と人とを結ぶもの

2009/08/13, 15:25 | 固定リンク

8月13日 木曜日 曇り 

 真面目な話、密かにカンドーを覚えた。

 人里離れた山村で、昔ながらの盆踊りがあるから来ないか、と。村民に誘われた。約60人ほどの集落。場所と名前は秘する。
 この一年の間に、何処かの家で誰かが亡くなったなら、8月13日に村民総出で、その家の庭で踊るのだと。死者を迎えるため、そして、その家の者が寂しくないように。それゆえ、盆踊りをしない年の方が村にとっては平和なのだ、と。
 夕方から、村はそわそわしていた。正装は浴衣に団扇。おばあちゃんが一家全員に浴衣を着せていく。NYからやって来た青年にも、おばあちゃんが着せてくれた。いい光景だった。おじいさんを亡くした家に村人が集まり、踊りが始まる。驚いたことに、それはアカペラなのだった。村に口述で伝わる歌。一キロ離れた集落では、もうその歌は違うのだと云う。45歳のオレですら、この光景は観たことがなかった。3曲踊って、喪主(?)の挨拶。「これで親父も淋しがることなく、盆に帰ってくることができました」。ちょっと、オレはグっと来た。やがて宴が始まって、それはいつまでも続いた。どんなに人間関係に問題があっても、この日だけは誰の悪口も云ってはいけないのだ、と。青年の眼に、この光景はどう映ったのだろう。敢えて、オレは聞かなかったけれど。このおじいさんが亡くなることがなければ、オレはこの人たちに会うことはなかった。青年は遠く離れた母国の風習を知ることもなかった。そうやって、人は人と想いを紡いでいく。何のお返しも出来ないから、オレと青年はたくさん演奏した。5歳くらいの少年が何故か「ボヘミアン・ブルー」を知っていたから、気合いを入れて歌った。
 人と人とを結ぶもの。いつだって「生」は「死」の上に成り立っている。オレは自分の先祖に感謝して、もう一度、迎え火をやり直した。

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by 山口 洋  

迎え火と送り火の間

2009/08/12, 19:32 | 固定リンク

8月12日 水曜日 雨 

 昼と夜の狭間、青年と壮年の間、夢とうつつの間、思考と表現の間、沈黙と喧噪の狭間、愛と裏切りの谷間、生と死の間、祈りと慰めの間、雲と空の間、迎え火と送り火の間。

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by 山口 洋  

生意気ざかり

2009/08/11, 12:32 | 固定リンク

8月11日 火曜日 曇り 

 昨日の14歳に続いて、今日からはNYからやってきた、オレの兄貴分の次男19歳としばらく行動を共にする。奴は頭がキレて、年頃ゆえ、少し不安定で、それでいて生意気ざかりで、話しているととても面白い。
 夜の道を車で走る。ヘッドライトは多分30メートルくらいしか照らせないのだけれど、目的地さえ「何となく」見えていたら、どんなに遠い場所にだっていくことができる。彼の悩みはそのヘッドライトがたくさんありすぎて、いったいどのライトでこれからの道を照らせばいいんだろ?みたいなものだった。そっかー。オレが19のときは強力ではあったけど、ライトはひとつしかなかったからなぁ。贅沢ちゃぁ、贅沢。でも、走るしかないんよ、多分。じゃぁ、いくつかの好きな言葉を君に贈ろう。

「もしもわれわれが空想家だと呼ばれるのなら、そしてできもしないことを考えていると云われるのなら、何千回でも応えよう。その通りだと」チェ・ゲバラ
「世界の中で、完全に迷子になれ」ヘンリー・ソロー
「笑いとは地球上でいちばん苦しんでいる生き物が発明したものである」ニーチェ
「オレの代わりはいないんだ」勝新太郎
「人間は生き、そして堕ちる。そのこと以外に人間を救う便利な近道はない」坂口安吾
「もう終わりだと思うのも、さぁ始まりだと思うのも、どちらも自分である」フェリーニ 

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by 山口 洋  

窯焚き、そしてセーラー服と唐揚げ

2009/08/10, 17:14 | 固定リンク

8月10日 月曜日 晴れ 

 君は女子中学生(14歳)の作った唐揚げ(しかも二度揚げ)を食したことがあるか?オレはある。

 大分県日田市の山中に小鹿田(おんだ)焼の里はある。ここの焼き物は近代的な力を一切使わない。山から土を堀り、水車でひと月かけてそれを砕き、水と混ぜて濾過することによって粘土を作り、ろくろは蹴ることによって回し、「とびかんな」という独特の文様が掘られ、釉薬は灰を使い、のぼり窯によって、器になる。書けば簡単だけれど、信じ難いほどの原始的な作業の繰り返し。そして、すべての行程は家族によって分担される。
 そこの名陶工、坂本某はオレの悪友である。一日中heatwaveを聞いて、器を作り、日本一の称号を手にした変人でもある。山の家の洗面器を作ってくれたことで知り合ったのだが、あまりの奇人っぷりに一瞬にして意気投合し、オレはこの里で村人のために密かにライヴをやったりもする。余談だが、奴の家は寅さんのファーストシーンに出てくる。日田市が舞台の、確か後藤久美子がヒロインのやつだ。山田監督でなくても、ここが失われし日本の原風景だってことは、誰しもが理解するだろう。故筑紫哲也さんが幼少期に疎開していた場所でもある、と。なるほど。
 突然、奴に会いたくなったので、アポなしで訪ねた。奴は居間で仮死状態に陥っていた。聞けば、今「窯焚き」の真最中なのだと云う。オレは東京からやってきた格好のまま、急遽参加させてもらうことにした。これがね、とてつもない作業でね。窯の中の温度を知るのは炎の色と、体感するものと、わずかに垣間見える器の状態のみ。火勢はすべて投入する薪の量によってコントロールする。ド素人のオレも、薪投入係(大役)に任命されて頑張ったのだが、この熱量たるや、サウナなんて云うに及ばず。筆舌に尽くし難い「地獄」のような熱さなのである。悔しいので、「あぢーーーっ」とか「きちーーーー」とか口にはしなかったが、終わった頃には心も身体も燃えカスになった因幡の白うさぎ。オレんちの器の大半は小鹿田焼なのであるが、あの器たちはこんな末恐ろしい作業の末に出来ていたのかと知ると、もはや粗末にはできん。すごい。すごすぎる。
 作業を終えた後、寅さんが座っていたその日本家屋で、オレも仮死状態に陥った。そしてオレは唐揚げの匂いで目を覚ました。坂本某んちの末っ子Aちゃん(14歳)は窯焚きのときから、このオヤジ二人組にかいがいしくスイカを運び、絶え間なく麦茶を運び、何て気が利く中学生なんだ、と感嘆してはいたが、オレは目の前の地獄絵図と対峙することで頭が一杯で、そこまで気が回らなかった。まさか、とは思ったが、台所に目をやると、Aちゃんが頑張った家族と客人のために、唐揚げを作っていた。家のおかんはおかんで、朝から晩まで、とてつもない量の仕事があるのだ。そのような母親を観て育った彼女は何も云わずとも自然とこのような所作を身につけたのだ、と。オレは「セ、セーラー服と唐揚げ」と口にして、この国の未来を垣間みて、再び気絶した。
 田舎には都会には存在し得ない「しがらみ」がある。聞いてるだけで吐きそうになる人間関係が腐るほどある。けれど、「健全だ」と思えるものもたくさんある。どっちが良いとは一概には云えない。けれど、何も知ることなく、カネでいろんなことを解決して、寂しさを抱えて生きている都会人もたくさん知っている。オレは自分の手を汚すニンゲンで居たい。いろんなことを教えてくれる。タフネスの本当の意味を教えてくれる。机上の空論は信じない。この灼熱地獄を知ったなら、器に対する愛おしさが変わる。だいたい、何で土に熱を加えたら、固い器になるのかがますます不思議でならん。何でなん?と坂本某に聞いたなら、「そんな難しいこと分からん」とのたもうた。「多分、縄文人かなんかが、土に穴掘って、器を焼いてみて、それを発見したんよ」、と。
 結局、オレは日本家屋に泊めてもらった。嗚呼、懐かしき畳の匂い。大家族の匂い。ここの家の子供たちはオレの子供たちでもある。君たちに幸あれ。多謝&再見。
 

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by 山口 洋  

HW、沖縄に上陸す。

2009/08/09, 12:56 | 固定リンク

8月9日 日曜日 晴れ 

 ナガサキの原爆祈年式典を観ていた。市井の人々が心から祈る姿ほど、胸を打つものはない。もし、オレが老年までたどり着くことが出来るのなら、あのような人物でありたい。
 沖縄の雑誌の取材を受けた。もうすぐスタッフから発表されると思うけど、「結成30周年ツアー」を11月にやるのだ。僕らはフル・バンドでようやく沖縄に行く。諦めずに種を撒き続けて、人々の心を音楽の風が吹き抜けて、30年かかって、ようやくあの島で待っていてくれた人々にheatwaveが届けられる。本当に嬉しい。
 何でそんな簡単なことが、と思うかもしれない。けれど、僕らはレコード会社から離脱し、音楽事務所を離れ、スタッフも含めて、完全にフリーな人間の集まりだ。完璧に自由だけれど、後盾はない。コケたら、負債が降りかかってくる。冒険は必要だけれど、帰りの燃料は積んでおかねばならない。だから、地方はオレひとりで種を撒き続ける。状況が整ったら、デュオやトリオで再訪する。あくまでも、いつか4人のこの素晴らしいバンドを生で体験してもらうために。
 オレたちの活動は全てファンに支えられている。額に汗して働いた、その尊さに支えられている。だから、音楽の奇蹟を楽しんでもらうために全力を尽くす。明日からしばらく旅に出たら、ソロ・ツアーを再開します。函館、札幌、旭川。江ノ島で「海さくら」があって、秋田、弘前、静岡、加古川、広島、京都、吉祥寺、山梨、豊橋、奈良、岡山、まだまだ続きます。そして、11月にはバンドのツアー。詳細はしばしお待ちを。新しい曲も随分たまってきたよ。来年はデビュー20周年。新しいアルバムを出せたら、と思っています。
じゃ、何処かの街でね。多謝&再見。

by 山口 洋  

truth

2009/08/08, 12:17 | 固定リンク

8月8日 土曜日 晴れ 

 「いつか必ず真実が、君を自由にする日が来るだろう」。数年前に書いた歌詞。少なくとも、オレはそう思って生きてきた。
 事実は突然もたらされて、その内容に驚愕したが、すべてが符合して、腑に落ちて、オレは遂に解放された。ただ、ひたすらに長かった。険しかった。この世は何だって起こりうる。けれど、負の感情は何もない。あるのは感謝だけ。きっとここに至るまでのプロセスが自分を成長させ、注がれてきたたくさんの愛に感謝することを学んでいたんだと思う。さぁ、自分を愛で満たして、逃げることなく、後悔することなく、最前線で生きよう。オレは人を信じる。45の齢にして、ようやくチャプター2が始まったのかもしれない。
 深夜、自分に乾杯しようと、ひとりで近所のバーに行った。あいにく週末で混んでいて、静かに飲めそうになかったから、早めに帰ろうとしたら、マスターが黙ってオレに大好きな酒「paddy」を差し出した。明後日から旅に出るんだと云ったら、何も云わずにハッシュド・ビーフを持たせてくれた。彼はうちの冷蔵庫に何も入っていないことを知っていたのだろう。それは確かに愛だった。
 メディアに出れば、たった一回で済むことかもしれない。それが必要な時期だってことも分かっている。けれど生身の人間との出会いがオレを鍛え、そして励ます。どれだけ面倒なことがあろうとも、必要としてくれる人が居れば、そこに出向いて全力を尽くす。死ぬまでそれを続ける。自分の手を汚そう。額に汗をかこう。カネでは本質に到達しない。それが自分の原点だってことだけは忘れたくない。

http://blog.livedoor.jp/kumagaimakoto1972/

by 山口 洋  

ネフ・ロック・アゲイン

2009/08/07, 10:47 | 固定リンク

8月7日 金曜日 雨 

 今年最後の海水浴を満喫しようと思っていた。けれど、ひどい雨の音で目覚めて、それが叶わないことを知った。新潟と関東の間には「トンネル抜けたらそこは〜」で有名な長いトンネルがある。地元の人に云わせると、本当にそうなのだと云う。実際そこは何だかひどく切ない気分になる場所だ。物理的に「完璧に」隔てられているような。
 昨日、終わったばかりなのに、帰ったらクマガイ某からメールが来ていた。「また絶対来年やってほしいという声をすでにたくさんもらってます。とういうわけで少なくとも来年までは生きててください」。まったく、この男は言葉遣いってものを知らんのか。でも、云われなくても、そのつもりだった。来年はもっとみんなが自由に過ごせる場所になるといいね。ネフ・ロック・アゲイン。これはオレと大事な友人たちのフェス。来年も元気で会おう。

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by 山口 洋  

新潟にて

2009/08/06, 10:36 | 固定リンク

8月6日 木曜日 晴れ 

 夏の新潟、海の目の前で歌うのが好きだ。ここは唯一、半ズボンと裸足で演奏する場所。このエリアの夏には「生き急いでる」ような儚さがある。夏をいつくしむ人々の想いがある。でも、一般的に考えられているよりは、充分に暑い。
 去年、あまりに気持ちが良かったから、今年は頼まれなくてもやってくるつもりだった。ツアーの一環ではなくても。自分にとっては、人が云うところのフェスみたいなものだから。誰に頼まれた訳でもなく、キャンプしながらカレーをふるまう輩が居たり、浴衣を着て、自主的に手伝ってくれてる人たちが居たり、エトセトラ。ひどく、正しい。会場の海の家、ネフに所蔵されている書物をみて、なるほど、と思う。ユングの研究書、オーケストラのスコアの数々。そして、オーナーはカンツォーネを新潟弁で歌うのだと。首謀者はクマガイ某。記憶が正しければ、2年前、新潟のライヴの楽屋に突然現れた。奴がオレの目の前に現れなかったら、この日はなかったことだけは間違いない。
 会場は満席。風に吹かれて自由に歌った去年の記憶がありありと蘇ってくる。けれど、オレもみんなもオーディエンスも、去年とは違う。細胞も随分入れ替わり、いろんな経験もした。だから、この場のエネルギーを借りて、音楽の力で元気になってもらいたかった。たまたま今日が8/6であったり、友人の死があったり、エトセトラ。楽しんでくれたかい?オレはクマガイと同じく、永遠にジャック・ジョンソンにはなれない男。でも、こうやってこみ上げてくるものがある限り、前に進もうと思う。心から、ありがとう。

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by 山口 洋  

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2009/08/05, 14:46 | 固定リンク

8月5日

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by 山口 洋  

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2009/08/04, 14:45 | 固定リンク

8月4日

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by 山口 洋  

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2009/08/03, 14:44 | 固定リンク

8月3日

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by 山口 洋  

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2009/08/02, 14:43 | 固定リンク

8月2日 

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by 山口 洋  

2009/08/01, 19:02 | 固定リンク

8月1日 土曜日 晴れ 

 司祭の放った言葉が耳鳴りのように響いている。いわく「人生の本質とは長さではなく、どれだけ愛を分かち合えたか」である。私利私欲ではなく、どれだけ大きな愛を持ちえたか。それが自身のひかりになるのだ、とアナスターシャの魂が教えてくれた。

by 山口 洋  
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