月別アーカイブ: 3月 2012

大切なお知らせ#2

3月7日 水曜日 曇り ここにプロジェクトを記録したひとつの映像があります。フリーの映像ディレクターである柴瑠美子さんが、忙しい自分の日々を割いて、自腹で僕らに同行し、自らの意志で創りあげたものです。彼女に直接聞いたことがないので、不明ですが、何かが彼女を動かしたのだと思います。 気がついたら、彼女はそこに居ました。僕らがオファーを出した覚えもないし、確たるオファーを彼女からもらった覚えもない。プロジェクトを記録しておくことはとっても意味があることだけれど、映像プロダクションにオファーするには多額のお金が必要だし、だいいち仕事として発注する前に、大切なことは情熱なのです。それがなければ、何の意味もない。彼女はとっても控えめな人物なのだけれど、静かな「それ」を感じていたのは事実です。 ひばりさんのコンサートで東京ドームに出演したとき。待ち時間があまりに長かったので、初めて彼女とゆっくり話すことができました。彼女は決して高価なカメラを持っていた訳ではありません。多少高価な民生機とでも云えばいいのか。テレビ局がロケに出るときのカメラは一台1000万はします。でも、本当に大切なことはその金額ではありません。情熱です。自分の心の真ん中に揺るぎのない「それ」さえあれば、どんな高価なもので撮影しても叶わないものを記録することはできます。ただし、困難な道のりではありますが。僕はその楽屋で、彼女に偉そうにこう云いました。「君には情熱があるけど、勇気が足りない。いつも引き気味にズームを使って撮影している。それじゃ、訴求力が薄れるだけだ。ズームなんてものはないと思って、君の心でフォーカスして、身体そのものでズームしたら?」。ノーギャラで自主的に参加してくれてる人に随分ヒドいことを云うなぁ、と自分でも思ったのだけれど、それは僕の愛だと受け取って欲しかったのです。何となく、彼女に響いたであろうことはその反応で分かりました。 初めて彼女が編集したものを観たとき。そこには彼女の心が写っていました。それが、どれだけ僕を励ましてくれたことか。これからも、このような形で人と関わっていくことは決して間違っていない。そう教えてくれました。ただし、youtubeに先にアップされたものは、映像のクオリティーがマスターに比べて低かった。だから、偉そうにまたこう云いました。僕らクリエイターは自分の仕事に誇りと勇気を持って、最後まで手を抜いてはいけない。お手軽に何でもできる時代だからこそ、最後の最後まで魂を込めなきゃだめだ、と。彼女は昨夜ロケ先の秋田から急遽戻り、仲間たちとHDバージョンを制作し、自分のクレジットを入れ、さきほどアップしてくれました。心から、ありがとう。 この作品は彼女の「MY LIFE IS MY MESSAGE」そのものだと受け取っています。是非、観てください。彼女に云った手前、僕らは音楽に全力を尽くします。何かを感じてくれたなら、是非ライヴの会場に足を運んでください。

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大切なお知らせ #1

3月6日 火曜日 晴れ これから3/12のMY LIFE IS MY MESSAGE vol.5に向けて、お伝えしたいことがたくさんあります。一度に書くとひじょーにクドいので、3日に分けて伝えようと思っています。どうぞ、よろしく。 まず、昨年の3月11日からの約一年間。僕がこのblogに書いた文章や写真を加筆修正した本「陽はまた昇る」、通販を開始しました。詳細は以下のリンクからどうぞ。 PCはこちら 携帯はこちら もちろん、3/12の渋谷duo、その後のsolo tourでも手にして頂くことができます。通販で手にしてくれた方には、プロジェクトのパンフレット最新号vol.3「相馬の今」特集号と、そうま・かえる新聞を同封します。是非、読んでください。この本の定価は3000円です。一冊につき500円がプロジェクトを通して、福島県相馬市の復興のために使われます。どうぞ、よろしく。 ————————————————————————————————– それからMY LIFE IS MY MESSAGEのSOLO TOUR、追加スケジュールです。ツアー・タイトルにあるように、これは通常のツアーではなく、「相馬の今」を伝えるために、私一人で、できるだけ細かく廻ります。体力が続く限り。とはいえ、真ん中に「音楽」を据えて、決して堅苦しいものにするつもりはありませんから、気軽に足を運んでください。一緒に音楽を通じて、この国の未来を考えましょう。3/12と合わせて、来場してくれたオーディエンスには、プロジェクトのパンフレット最新号vol.3と、そうま・かえる新聞を差し上げます。パンフレットはクロエ社の全面的なサポートによって作られました。感謝。 日程だけ記しておきます。 MY LIFE IS MY MESSAGE – solo2012 3月20日(祝·火) 豊橋・HOUSE of CRAZY 3月22日(木) 奈良・蔵武D 3月24日(土) 高知・ULTRA ROCK BAR J’s 3月25日(日) 高松・RUFFHOUSE … 続きを読む

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リハーサル開始

3月5日 月曜日 雨 都内にて3/12のためのリハーサルを開始しました。渡辺さんはベースを忘れる、僕はカメラを忘れる、マネージャーは激しく遅刻する。みなさん、そろそろ脳細胞に問題が発生するお年頃かもしれません。でも、音楽には何の問題もありませんので、ご安心を。 お伝えしたいこと、山ほどあるのですが、雑務に追われて書く時間がありません。明日以降ってことで。悪しからず。  

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起立する魂、Paul Brady

3月4日 日曜日 雨 20年くらい前。アイルランドはドニゴール。僕が愛する小さな街で、彼の歌う「the homes of Donegal」聞きたさに、そのCDを手に入れた。その時も、彼と僕は同業者だったが、僕は単なるファンに過ぎなかった。まさか、その歌を一緒に演奏する日が来るなんてね。 誤解のないように書けば、震災からのいろんな事は「激しく」僕を鍛えた。以前だったら、彼から突然「赤紙(表現が悪かったらすいません)」が来たら、歓びながらもびびっていたと思う。あまりに偉大なミュージシャンだから。でも、今は違う。僕は僕であって、以上でも以下でもない。人生は一度きり。彼も人間、僕もニンゲン。その瞬間に賭けている姿で、何かが伝えられるのなら、喜んで馳せ参じる。第一義的に音楽は金ではない。はじかれた弦の音が減衰しながら消えていく。その美しさとはかなさを、彼なら知っていると思うから。 驚くべきことに(写真参照)、ステージには大まかに云ってマイクが一本のみ。その下に付けられた二本のAKG414はあくまでもサポート用のもの。歌もギターも、共演者である僕の声もギターもすべてそれ一本でまかなうことになる。ギミックなし。PAエンジニアも、演奏者も、力量がなければ、到底不可能なセッティング。まるで落語の世界。寄席に行ったことのある人は知ってると思うけど、総じて音は小さい。だから、観客は集中して聞くことになる。人の耳は素晴らしく良く出来ている。足りない成分は補うのだ。 振り返ってみれば、音楽はそもそもそのように演奏されてきた。PAはどうしても聞こえない音を増幅するために開発されたものだ。けれど、いつの間にかそれは人を威嚇するための装置になった。引き算ではなく、足し算が音楽の形になった。僕もそのことに辟易としていた。そして今や、ライヴでさえ、多くのミュージシャンがイヤーモニターを装着する。確かにモニターするのは楽だし、表音のコントロールも容易だ。けれど、本来音楽は魂の震えが空気に伝染していくものだ。人の魂そのものが空気を震わせなければ、それは音楽ではない。ポールは懐古趣味ではなく、進化の果てに64歳にして、そのシンプル極まりないシステムを作り上げた。天晴としか云いようがない。 かくいう僕らも、ロックバンドとしては、ステージ上の音は小さい。コロガシと呼ばれるモニターから返ってくる音が大嫌いだ。けれど、ポールのそれはステージ上では生音だけなのだ。さすがに僕も心配だった。ところが、いざステージに立ってみると、彼のエナジー、ダイナミクス、息吹、テンション、ピッチ、エトセトラ。すべてが聞き取れた。そのスポンテニアスな演奏に、瞬時に反応できることに驚いた。僕は彼の魂が起立しているのを真横で観た。「おおっ」と思った瞬間に、僕も何かを送り返している。考えることなく、感じているだけ。大げさに言い換えるなら、信じるって言葉の本当の意味とでも云うか。音楽をやっていて良かった、と心底思った。 彼は64歳。信じられない。認められて有名になった今も、音は抗い、尖っていた。聞けば、未だにFEARがあるのだと。ほんとかよ?彼の年齢に到達するまで僕はあと16年あるけれど、確かな力を与えてくれた。バックステージに響きまくっていた彼の魂は「俺の後をついてくるな」と云っているように僕には聞こえた。それは励まし以外のなにものでもない。ポール、ほんとうにありがとう。 追伸 彼を支えたスタッフ、手に汗を握りながら、最善の仕事をしたハコのスタッフに最大の敬意を。いつの時代も大切なものは「愛」だと教えてくれました。感謝MAX。

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魔界にて

3月3日 土曜日 晴れ 今日は写真の場所に居ました。先週まで居た標高3500メートルとは対極の場所です。いやはや、どっちも魔界だ。いろんな意味で。 僕の親友んちの娘たちが大学と高校に入学したお祝いに「よっしゃー、そんなに行きたいなら某所(写真の場所)に連れてっちゃるー」と約束したのが多分1年半くらい前。「連れてく」ってことは飛行機もホテルも何もかも任せとけってことなのですが、できた娘たちの兄が既に何もかも手配済み。こんなはずじゃなかったのにな、と3人を羽田に迎えに行って、いざ魔界へ。 エンターテイメントとは自分で考える「余白」があることだと思っていた僕が浅はかでした。徹底して、与えて、与えて、与えまくる。受け手は何も考える必要なし。ある種度、肝を抜かれました。凄いな、この現実と云う非現実。 ともあれ、人に酔って疲れた子供たちが「やっぱり田舎の方がいい」とぼそっと呟いたのを聞いて、感性が素晴らしいなぁ、と。何ごとも経験だなぁ、と。ここに来なければ、自分の故郷の素晴らしさは見えなかったかもしれないんだから。 都会の魔界に疲れたのが切なくて、思いきり甘いものを食べさせてあげたら、一気に表情が明るくなる。僕の親友は同じ年なので、僕がこの子たちの親であってもおかしくない訳です。たった一日の疑似父親体験だったけれど、学ぶことはたくさんありました。ありがとね。でも魔界はあと20年はいいや。

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覚悟

3月2日 金曜日 雨 長かった。 何がって、今年に入ってから、ずっと悩んでいた。被災地から毎日のようにもたらされる現実、そしてこの国にはびこっている楽観的な無関心。その狭間の中で、出来ることを全力でやってはいたが、intoしすぎて客観性を失ってしまっていたのだろう。自分たちが取り組んでいることが果たして正しいのかどうか、それを疑うに至っては、僕は国外に逃亡するしか道はなかった。でも、僕はまだ逃亡できる立場に居る。だから、本格的に追いつめられてはいない。ただし、あのまま留まっていたら、確実に頭をヤラれていただろう、とは思う。 甚だ不器用だとは思うけれど、僕は全力で向かっていって、壁に当たって、悩んで突破しなければ次には進めない。納得できないことを無理にやったり、まぁこの位でいいんじゃないですか、みたいな感じで生きていると、すぐに壊れる。そんな意味では、とても弱い。情けないけど。 どうしても分からなかったことは、自分たちの暮らす国がとんでもないことになっていて、今この瞬間に苦しんでいる人がたくさん居るのに、どうしてそれが他人事のように、もはやなかったことのように思えるのかってことだった。次第に僕は街に出るのも、人に会うのも億劫になってきた。だから、誰も居ない異国の崖に行って、滑った。考えないことによって、本能で考えた。その瞬間だけは生きている実感が取り戻せた。 誰かを変えようとすることが不遜であることくらい分かっていた。それで何度も失敗してきたし。でも、心の何処かでうっすらと他人に「期待」はしていたんだと思う。 今日、尊敬するある人と話していて、はっきりと見えた。まるで、霧がとつぜん晴れていくみたいに。自分の本能が「NO」だと叫んでいることを、僕は「YES」だとは云えない。同じように、自分が正しいと思っていることは、例え周りに人が居なくなったとしても、それを曲げることは出来ない。これは生き方、そして信念の問題。それは僕が人間として、一番大切な部分。彼の口癖を借りるなら、「自分の心が何処を向いているのか」、それだけだ。 世界と向き合うほどに人は孤独になっていく。それは心からの実感。どこまで行っても人は一人。ただし、独りではないけれど。やっていることが正しいのなら、ある意味で人が離れていく、無関心になっていくのは当然なのだと僕は気づいた。でなきゃ、こんな世の中になるわけがない。 覚悟を決めた。最後の一人になったとしても、正しいと思ったことを叫び続けられるかどうか。金でも名誉でも私利私欲でも、何でもなく。一人の人間として。僕の頭の中にあることは、「思いやりのある社会にしたい」ただ、それだけだ。それが間違っているとはどうしても思えない。 去る者は追わない。 ウザいと感じるのなら、嫌ってくれて構わない。ただ、何かが響いたのなら、それぞれが新しい風になって欲しい。僕はそう願っています。3/12はそんな気持ちでステージに上がり、未来の風景を中空に描きます。 祈ったり、願ったり、待っていても、あまり意味がないことを学びました。大人がやるべきこととは、創造力を駆使して、結果を出すことです。 追伸 ここまで書いたところで、尊敬するシンガーから連絡があり、とつぜん3/12に参加したいと。何だかなぁ、人生って不思議だなぁ。とっても力をもらいました。もし、決まったらアナウンスします。

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音楽の季節

3月1日 木曜日 晴れ はてさて。3月になりました。ミュージシャンになります。3/12は渋谷duoで今年初のHEATWAVEで。その後、数ヶ月かけて北海道から沖縄まで、一人で全国を廻ります。新しく書き上げた本「陽はまた昇る」、持って参ります。プロジェクトの新しいパンフレット、かえる新聞。来てくれた人全員に手渡せるようにしたいと思っています。是非。 MY LIFE IS MY MESSAGE – solo2012 3月20日(祝·火) 豊橋・HOUSE of CRAZY 3月22日(木) 奈良・蔵武D 3月24日(土) 高知・ULTRA ROCK BAR J’s 3月25日(日) 高松・RUFFHOUSE 3月27日(火) 福山・POLE POLE 3月29日(木) 大阪・knave 4月8日(日) 千葉・ANGA 4月14日(土) 横浜・THUMBS UP 4月15日(日) 静岡・LIVEHOUSE UHU 4月17日(火) 京都・拾得 4月19日(木) 広島・音楽喫茶 ヲルガン座 … 続きを読む

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