月別アーカイブ: 9月 2014

レコーディング航海日誌#047

9月9日 火曜日 雨 ライヴとレコーディングは使ってる脳味噌が違うらしい。何だか、メルカトル図法みたいに、脳が裂けそう。「脳が裂けそう」って響き、好きかも。あ、オレだけ? そろそろ精神力も限界か。集中力が持続しない。愉しいことをやっている「はず」だから泣き言は云わないけど、幻影も観るようになったし、そろそろ休まなければ。 とはいえ、厳然たる締め切りが刻々と迫ってくる中で、「休む」という行為にはかなり勇気が必要で、その勇気がなくて、今日みたいにズルズル作業した挙げ句、一歩も前に進めない日は、かなり気が滅入る。まぁ、長い目で観たら、無駄足ってものは何ひとつないんだけど。 記録によると、何度も作ってはぶっ壊し、作ってはぶっ壊し。そもそも曲がダメなんじゃね、とか、演奏がダメなんじゃね、とか、いやいやオレそのものがダメなんじゃね、とか。そ、そんなことはないはずだ。すべて、厳しいチェックを乗り越えてきたものしか生き残ってないんだから。 どうあがいてもダメなときは何かが間違っている。直感を信じるんだ。ブコウスキーがそう云ってたぞ、ヒロシ。 今日はネガティヴ・ダイアリーになりつつあるね。すまん、すまん。 昨夜は雨が降る中、深夜に走りに行って正解だった。そんなバカなことをしているのはオレひとりではなかったってのも良かった。すれ違うだけだけど、奇妙な連帯感が生まれるんだよね。何かなけりゃ、雨の中、真っ暗闇を走ったりしないよ。笑。 さ、地球にこの気持ちをアースしてもらいに行ってきます。ほんと、地球は偉大だよ。キツめに負荷かけて走って帰ってきたら、何を悩んでいたのか思い出せない。オレが極度のO型ってのもあるかもしれないけど。 血液型で人を判断するのはどうか、とは思うけど、O型気質ってのは確かにあって、オレの場合、両方の祖父母から全員O型っちゅー恐ろしい家系なのです。たまにはくよくよしようよ、みたいな。いや、してるかも。 どっちでもいいや。行ってきまーす。

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レコーディング航海日誌#046

9月8日 月曜日 雨 レコーディングに復帰。 主観と客観を限りなく繰り返して。スピーカーの間に亡霊を観たりもして。とある岩石みたいな人物が僕に語った言葉が頭蓋の裏に張りついていたりして。 「主観、すなわち客観」。 雨の日は「走る」という行為ができなくなるから辛い。小降りになったから、夜だけど、走りに行こうかな。 僕の立場から見れば、それは僕が正しいのだし、君の立場から見れば君が正しいんだと思うよ。つまり何が正しいのかって議論の大半には意味がないってことさ。

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岐阜県可児市にて

9月6日 土曜日 雨 「才能とは継続する情熱のことである」。 CHABOさんとのツアーを通じて、僕が受けとったたいせつなメッセージ。きっとどんな職業や立場であれ、通じていることだと思います。 —————————————– すべてのはじまりは、聞こえない微弱な電波を、どうにかして聴こうとした長崎の少年の情熱でした。 もう20年以上前、僕は深夜の生放送で2時間番組をやっていました。とうぜん、僕の喋りがイケているはずもなく。ただし、選曲には情熱を注ぎました。僕はラジオに育てられたからです。今考えるとフィッシュマンズの佐藤さん、伊藤銀次さんも同じ帯でやっていたからして、当時としてもかなり画期的な番組だったのかもしれないです。深夜にはスポンサーのプレッシャーがあまりなかったのです。野獣解放区、みたいな。その番組は全国ネットでしたが、長崎にはネットされていなかったんです。でも、その少年Oは熊本からの微弱な電波をキャッチして、音楽を聴いていたんだ、と。 それから10年くらい経って、元少年Oはギター職人となって僕の目の前に現れます。確か浜松のお寺だったなぁ。「ギターを作らせてください」。それがヤイリ・ギターとの出会いです。岐阜県可児市に工場がある、その素晴らしいギター・メーカーについてはここを参照してください。 とにもかくにも。震災があり、ヤイコさんが居てくれて、高田蓮くんが実は岐阜と縁が深い人物だったりして、すべての点の偶然は必然の円になっていきます。真ん中には音楽とギターと、そして愛です。 可児市文化創造センター。全国を旅する僕らは、ほとんど市民が利用していない豪華なハコモノを目にすることがあります。でも、ここは違う。今日も市民で溢れていました。ロビーにはレンタル可能なヤイリ・ギター。市民が利用できる格安の音楽スタジオ、別のホールでは「市民カラオケ大会」の準備中。音楽(ジャンルを問わず)、演劇、映画、落語、エトセトラ。ありとあらゆるエンターテイメントが「市民のために」提供、いや還元されています。スタッフの情熱によってここが企画、運営されているのは、見れば分かります。今日の僕らのコンサートは音響、照明、すべて会館のスタッフでしたが、自分たちのハコを愛し、その上で特性を知り尽くしていました。モニター・マン(ステージ上の僕らにそれぞれの音を返してくれるステージ脇に居るエンジニア)は終始ノリノリ。難しい顔をして仕事をしている人が殆どの職種なのに(神経を使う仕事なんです)。ほんとうに、この仕事好きなんだろうなぁ、と。その情熱は力に変わります。ヴァイブレーションを創ります。 この写真を観てください。オーディエンスに会場案内をしてくださっていた可児市のきれいどころの面々。すべて市民のボランティアなんだそうです。僕らも斜めに立ってみました。出演者、華がない。笑。 ライヴの内容は記しません。そこに来てくれた人のものだから。ヤイコさん、蓮くん、二人の音楽は素晴らしかったです。すべての情熱がなければ、今日の必然はなかったのです。点のまま、何も起こらずに終わってしまうのです。どこで誰が受けとってくれるのか。それは分かりません。だからこそ、目の前のことに全力を尽くす。その情熱が未来を創る、唯一の方法だと思います。 関わってくれたすべての人に。ありがとう。でっかい、ありがとう、です。 今月はもう一度岐阜に行きます。佐藤タイジが主宰する中津川のソーラー・ブドウカン。すべてソーラーパネルの太陽光で電気が賄われます。一緒に未来を創りましょう。激アツいぜ、岐阜 !!!!!! ついしん そういえば、岐阜にはこんなお方も居たなぁ。ほんとにね、山も川も美しい。周囲を富山、石川、長野、愛知、三重、滋賀となんと6県と接してるんだそうで。可児市の名物は「さといも」なんだって。 更に追記 福井とも接してるんだそうで。ご指摘ありがとう。日本は広いぜ。  

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レコーディング航海日誌#045

9月5日 金曜日 晴れ 4曲目、出荷。 2つの案件を同時に進行できない「男脳」ってやつはどうにかなんないんですかね。目の前のことに全力はいいとして、同時に長期的ヴィジョンって云われてもね、無理みたいな。脳味噌、ふたつ欲しい。いや、脳味噌半分女性になればいいのか? 僕のソロ・ツアー、新しく発表があった(みたい)です。ほんとうは年内に50箇所行くつもりでしたが、無理でした。1年にアルバム2枚だもんね。そりゃ、無理か。 でもね。旅に出たら、出たで、確実に活性化する何かあるんです。 ソロ・ツアーのスケジュール、まとめておきます。詳細はこちらを。 〜NEF ROCK FESTIVAL 6〜 9月20日(土) 新潟・海カフェ ネフ 開催時間変更 開場/開演=16時/17時 会場の都合により、開場/開演時間が変更になりました。 10月4日(土) 横浜・THUMBS UP 大好きなサムズ。関東近郊のソロはこれで最後かな。土曜日だし、気軽に来んしゃい。 10月11日(土) 那覇・桜坂劇場ホールB 10月12日(日) 石垣島・すけあくろ 年に一度、沖縄と石垣に行くのは自分へのギフトでもあります。たのしみー。 10月18日(土) 山梨県都留市・高部座 オープニングアクト=河口修二 高部座は一見の価値あり。それは来た人のお楽しみってことで。オープニングを務めてくれる修ちゃんは素晴らしいギタリストです。もちろん一緒にやりますとも。頼まれてないけど。笑。 10月19日(日) 長野・ネオンホール オープニングアクト=ジ・オーパーツ 木の響きが素晴らしいネオン・ホール。ジ・オーパーツ。オレ、ファンなんです。乱入希望! 11月22日(土) 札幌・円山夜想 ほっかいどー。札幌の素敵なお店です。もう寒いよねぇ。スノボ、積んで行こうかなって、オレ、動機が不純? 「The Night of SOEN」山口洋 … 続きを読む

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レコーディング航海日誌#044

9月4日 木曜日 晴れ スタジオ・デイズ。still 全力中年。3曲目を出荷。 ところで。 走るってことはなんて素晴らしいんだろう。僕はマラソンを完走するためや、3時間を切るためにはもう走らない。ただ、日々のために。自由で居るために。こころと身体を整えるために。ネガティヴなものをアースしてもらうために。判断を誤らないために。エトセトラ。 書けば、いろいろあるのかもしれないけれど、ほぼ毎日走るのは意外に難しい。モチベーションを保つのはほんとうに難しい。ただ、日々、黙々と続けることはね。とっても鍛えられる。 でも、そこも乗り越えたらしい。 さいきん、アイデアの殆どは走っているときにもたらされる。些細なインテリアのことだったりもするけど、メロディー、歌詞、エトセトラ。 この状態で湧いてくるアイデアが素晴らしいのは、無理矢理作ったものじゃないこと。欲やエゴがない。 走りながら、今を生きる民への「ファンファーレ」を創りたかったのと記号化できた。もう、僕のことなんて、どうでもいい。表現欲とはまったく違う場所に居るらしい。初めての感覚。ようやく、漠然としていたものがくっきり見えてきた。 帰って、風呂に入って、「秋カレー」を作っていたら、秋の虫が鳴いていた。悪くなかったよ。

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レコーディング航海日誌#043

9月3日 水曜日 晴れ スタジオ・デイズ。スタジオっつーか、工場っつーか、職場つーか、何だろね。楽器にまみれた空間。地震が来たら、楽器に押しつぶされる。それ、あんまり本望じゃないDEATH。そんなことのために、九州の山の中に家があるのに、まったく帰る時間もなく、家は、草はいったいどんなことになっているのやら。トホホ。 ときどき、ライヴでも話すけど、オレのおじいさんは二人とも完璧なスキンヘッド。オヤジもマッドサイエンティストかドン・キング系のそれ。つまり、オレはその道から逃れようがなかったのですね。だから覚悟はしてた。でも、50歳まで何とか、何とかなってるのですね。奇蹟。 何のケアもせず、走るときに紫外線を浴びまくる。これが髪に甚だよろしくないとヘア・メイクのKが警鐘を鳴らすのです。そ、そうなん?そんなこと早く云ってくれよーーー。オレは慌ててランニング用の帽子とサングラスを買いました。too lateか。確かに、歯と目と髪だけは鍛えられんもんね。 で、優しいKが頭皮ケアグッズを送ってくれたのです。ううっ、おまえ、優しいなぁ。宮古島の海に何度も投げ飛ばしただけのことはある(アメリカだったら即逮捕だったと思う)。それにしても、商品名「現実頭皮」って。これはギャグ?それとも戒め? 頭皮ケアグッズの中に「歌舞伎パック」も入っていたので、早速人生で初めてパックしてみた。きもちいーんだね、パックって。癖になりそう。ところで、オレが歌舞伎役者にはなれないことを、この写真で証明しておこうと思う。歌舞伎役者っていうより、こんな生き物居るよね? K、ありがとね。 って音楽の話を一切書かないのも「現実頭皮」DEATH。

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レコーディング航海日誌#040~042

9月2日 火曜日 秋晴れ ようやく、ようやく。1曲完成した。長かった。そして今までに作業したものがチェックのためにメンバーやスタッフに出荷された。おそらく、ここからもういくつか山を超えなければならないだろう。 何のために音楽を創るのか。 確かに、表現していないと頭がどうにかなりそうな世界に生きてはいる。それができなきゃわたしはクズだ。そして、経験がこころの中で渦巻いて、架空の風景を描く。もはや、動機はエゴイスティックなものではほとんど、ない。この風景が誰かの、何かの役に立たないだろうか、と、夢想するのだ。わたしが生きている理由はそれだけ。 ずっと、生きづらかった。これまでもこれからも居場所はないと思う。やればやるほど、孤独にしかならない。わたしと同じように感じている人のための音楽を創りたい。それでもこの世は生きるに値することを証明したい。 ある人に云われた「force」という言葉が刺さったままだ。その人にまったく悪気がないことを知っているから恨んだりはしない。ただ、わたしは「force」と云うある意味での強さを身につけなければ、ここまで生きてくることができなかった。で、「force」を否定されることは、「死ね」ということに等しい。降伏しかできなかったわたしはここに音楽を創る動機が生まれる。「イノセントと云う残酷」という言葉が生まれてくる。わたしは音楽を創らなければ、生まれてきたことを呪うことしかできなくなる。それは嫌なのだ。どうしても。 そんな曲が完成した。もういい。わたしは乗り越えた。音楽を創ることで。だから、誰かの役に立って欲しいと切に思う。 ——————————————- 弘前のバンド、CREEPSの新譜が届いた。わたしは彼らのファンだ。あの美しく厳しい街でなければ、この音楽は生まれなかっただろう。そして、彼らの音楽はいつも、ひどく、情けない。その情けなさはリアリティーを伴って、わたしにポジティヴな風景を見せてくれる。今から走ってくるけど、決してそのBGMにはならないところも素晴らしい。

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リハーサル

9月1日 月曜日 雨 9月かぁ。 今日は9/6日にヤイリ・ギターがある岐阜県可児市で行われるコンサートのための一日限りのリハーサル。それを理由にして、本日、レコーディングは中止。外に出て、誰かと音楽する。ミュージシャンにとって、こんなにハッピーなことはありません。 まず。お願いした訳でもないのに、矢井田瞳さんも高田漣くんも、それぞれのヤイリを持ってきてくれました。じゃ、この写真を観てね。左からヤイコさんの、漣くんの、オレの。   さらにヘッドをアップで。 ギターは口ほどにモノを云い。漣くんのは父上が使っていたものです。何だかね、漣くんが選んでくれた曲にまつわるエピソードとか、それに応える矢井田さんとか、エトセトラ。素晴らしかったのです。音楽って凄いね。ミュージシャンは素敵だね。それらを間接的に繋いでくれた可児市とヤイリギターに感謝です。 きっと、お二人が当日MCで語ってくれると思うけど、偶然はゆっくりと時間をかけて必然になっていくんですね。感慨深かったです。これ以上は語りません。来ようかどうか、迷っている人は是非きてください。ファーストタッチの瑞々しさに勝るものはありませんから。 ————————————- 沖縄のハーベスト・ファームの野田くんがインタビューしてくれました。彼はCHABOさんとのツアー、青森県弘前市まで観にきてくれたのです。彼もまた寡黙だけれど、偶然を必然に変えることができる人です。そして、つい数日前、CHABOさんと下地勇くんのライヴの楽屋で再会しました。あはは。何だかなぁ。君、いったい何処に住んでるの?ありがとう。次に会うのは僕のライヴで那覇かな? 本日、ぐっと来たソローの言葉。 「みんな」という言葉にまどわされてはならない。 「みんな」はどこにも存在しないし、「みんな」は決して何もしてくれない。

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