残像との付き合い方、吉祥寺にて

4月29日 火曜日 雨

断じて器用ではないくせに妙に小器用。わたしはかようにややこしい。昔、シャコが嫌いだとのたまう女性が居て、「何故に?」と問うたなら、「ひっくり返したら、ややこしいから」と応えられ、妙に納得したことがある。そんな感じ。

閑話休題。

わたしは甚だ状況に左右されやすい。よく云えば、スポンテニアス、つまり即興性に長ける。悪く云えば流されやすい。長所は短所で、その逆もまたしかり。

ARABAKIのホスト体験はかなり強力なものだった。「東北」というキーワードがなければやれなかったと思う。それが自分に向いていないことは知っていた訳だから。でも、やって良かった。やらなければ得られない、たくさんの経験をもたらしてくれた。トシを重ねることで、「主観、即ち客観」という言葉の意味も分かってきたが、ステージでホストを努めるってことはかなりの部分で客観的な頭を使う。つーか、自分なんてどうでもよかった。それもまたいい経験だったんだけどね。

ところで、今日はソロ・ツアーに復帰したのだ。ARABAKIの残像がしっかりと脳味噌に残っていた。それゆえ、主観的な立場に戻るのは難しかった。でも、もうオレはそれを知ってしまったのだ。純血ではない(笑うところです)。ならば、その上で、主観も客観もない世界に行くしかない。

まったくオーディエンスには関係のないことだけれど、そんな意味で、今日はとっても新しいライヴだった。時間はかかったけれど、最後は今までにない形で完全に音楽にintoしていた。ほぼ「無」だった。考えていたのではなく、感じていただけ。

こんな風にLIFEは転がっていく。今月ツアーを開始しなければ、無茶なスケジュールでアイルランドに行かなければ、ARABAKIでホストをやらなければ、エトセトラ。今日のオレはなかったってことです。

意味のない経験はない、とあらためて。

自分のことばっかり語ってごめんね。愉しんでくれたかな?今日、リハーサルの後に決断したんだけれど、バンドのアルバムに向き合おうと思います。分かってる道なら、行く意味がないもんね。険しければ、そうであるほど燃えるのです。シンプルなところにたどり着きたい。

来てくれて、ありがとう。このソロ・アルバムがバンドのアルバムへのパスポートになるような、そんな音楽が頭で確かに鳴っています。

——————————————-

ついしん

九州に行かねばならず、ネット環境の有無も不明なので、おそらく明日じゅうに「地獄アワー」更新すると思いマックス。

画家の展覧会に行ったよ。

画家の展覧会に行ったよ。

オレも変わるし、奴も変わる。そして変わらないものもある。

オレも変わるし、奴も変わる。そして変わらないものもある。

言葉はほんとうに必要ない。

10日までやってるよ。詳細は数日前のblogを参照してちょ。

10日までやってるよ。詳細は数日前のblogを参照してちょ。

オレの現場だ。

オレの現場だ。

集中すると、客席はこんな風に見える。

集中すると、客席はこんな風に見える。

来てくれて、ありがとう。アルバムを手にしてくれて、ほんとうにありがとう。

来てくれて、ありがとう。アルバムを手にしてくれて、ほんとうにありがとう。

 

—————————————————

写真家の三浦麻旅子さんが今日の写真を送ってくれたとです。感謝です。

撮影、三浦麻旅子さん。以下同。

撮影、三浦麻旅子さん。以下同。

 

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

残像との付き合い方、吉祥寺にて への8件のコメント

  1. さだ より:

    最初は諦めてた今日の吉祥寺
    ひょんな事から行けるかも?
    色々障害はあったけど
    本当に行って良かったです
    どの曲も今も僕のハートに響き
    まだ残ってます!

    1ラスカルくらい(笑)握手してもらった手は
    温かく力強かったです

    今サインしてもらったCD聴いてます♪

    また必ず行きます、素敵な時間をありがとう

  2. うっちゃん より:

    私も先日『Songs of Experience』を手に入れ、繰り返し聞きました。ライヴで聞いていたあの曲が、さらにイメージを越えた曲に昇華されていた。やっぱりただでは済まないソングライターです。
    しかしながら、フルバンドのHWが聞きたい。ソロ・ツーピースをライヴを50本演じたら、フルバンドのHWのライヴを2、3本ぐらいと心から願う。求め過ぎかな…
    『LIVE FOR SOMA CITY 』は、一曲目のドラムの音で感涙したよ…(被災地に生きる友人談…私も同感。)
    血が滾る男たちの魂の結晶が、未だに私の憧憬です。早朝から濃いな…すみません。

  3. のり より:

    4~5年ぶりにライブに行きました。
    歳だし腰痛持ちなので椅子があって助かりました(笑)
    久しぶりの生の演奏は本当に気持ちよかった♪
    山口さんのMCも僕は大好きなので、和ませて頂きました^^
    アルバムも買いましたよ。(サイン会には参加で傷残念だったけど・・・)
    初めから会場で買おうと思っていたのですが、予習と復習が出来ないのが辛いところですね。帰りの電車で復習したかった~~
    そんな訳で久しぶりに楽しい場を有難うございました。
    前回行ったライブも山口さんのソロでしたので、次はバンドの音を聴きたいな~と思ってます。
    HWのアルバムも楽しみにしてますから♪
    ツアーも頑張って下さい!

  4. Kumiko より:

    曲から見える景色の素晴らしさを感じ。
    表現の深さは愛と情熱の中にありました。
    全ての経験が血となり肉になり山口洋(さん)の生み出すグルーヴを熱くする。
    いつも心を揺さぶられ もっていかれます。
    そんなミュージシャンはそうはいない。
    明日への活力と愛あるメッセージを沢山受け取りました。素晴らしかった。誰も居ない庭 ウルっときたワンU^ェ^U有難うございました。

  5. Y. Omori より:

    ライブお疲れ様でした。ライブ前、時間あったので向井さんの個展も拝見させていただきました。ご本人ともお話できました。「今の彼はいいよ」とおっしゃってました。間違いなかったです!ライブ、ぐっときっぱなし、でした。あの時間を共有できたことに感謝。さ、がんばって仕事しますか!

  6. 小島 勝 より:

    ライヴ、本当に楽しかったです。
    特にファイヤーバードでの『Everything』は、背筋に電気が走って鳥肌が立ちました。
    『Songs of Experience』、日々のサウンドトラックにします。

    サイン会では自分の膝痛にアドバイスまで頂き、感謝です。
    ハーフマラソンを走れなかったぶん、この日は山口さんの歌声とファイヤーバード君にアースして貰えました。気持ち良かった!
    また、走ります。

    山口さんに握手してもらった手、もったいなくてラスカルしていません。
    もう一生ラスカルしません。ラスカルのゼロ行進。
    ・・・・・冗談です(すいません、『ラスカル』言いたかっただけです)。

    本当に素晴らしい夜をありがとうございました。
    ヒートウェイヴの新しいアルバムも楽しみに待ってます!

  7. 桃子 より:

    ギネスのようなライヴと音のような絵画でした。
    洋さんの扉から色んな世界が広がって繋がって行く。
    潤います!ありがとー♪

  8. toshie, tokyo より:

    向井三郎さんの個展には最終日に伺うことができました。切り取られた一瞬のように想像していましたが、本物は風が通り抜けるし、樹木の皮のざらざらした手触りも、地面の湿り気も、感じたのでした。以上、ど素人の感想でした。

    ライブは遅れて到着したので、ステージに集中する客席を横からいっぺんに見ました。すごくよかったのですね。みなさんの雰囲気が表情が。ちょっと見とれてしまいました。アラバキには今年も行けなかったけれど、どれほど素晴らしかったのかがわかるくらいに素晴らしい山口さんでした。そして、なんか新しい山口さんでした。ありがとうございました。

toshie, tokyo への返信 コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>