3月13日 水曜日 雨
僕にとってのレジェンド、PAUL BRADYがどのような人か、と問われるなら、彼の歌から引用させてもらって「Living The Mystery – 人生の神秘を教えてくれた人」と応える。
だって、20年以上前にアイルランドはドニゴールの小さなレコード屋で彼の音楽に出会ったとき、こうなるとはまったく思っていなかったからだ。ご多分にもれず、僕にもその間に激しい、いや激しすぎる浮き沈みがあって(中略)、今や少しだけ「人生の神秘」を生きる方法を知っている。PAULはジェリー・ガルシアよろしく、愉快なクマちゃんみたいに見えるときもあるけど、まったくもってそれだけの人物ではない。とてつもないクマちゃんなのだ。ジェリーとは違う意味で。
では、人生の神秘を生きるにはどうしたらいいのか?それはね。徹頭徹尾、いいバイブレーションを出し続けるのです。どんなにネガティヴなことも、自分の創造力、体力、精神力を使ってポジティヴなものに変化させるのです。自分にできることは人の目なんか気にせず、進んでやるのです。汚れ仕事であればあるほどやるのです。そうすれば、エネルギーが循環していくのを感じます。そして、運命ってやつが向こうから歩いてくる。望んじゃダメなのです。ほんとうに向こうからそれが歩いてくる。そしてその運命の正体はいつも自分自身ってことを知るのです。だから、そんなに難しいことじゃない。
ポールはこのような人じゃありません。でも、僕はこの20年間に彼の音楽を通じて、そんなことを「勝手に」学んできたのです。僕が彼とステージに立っているのは、昔、コントロールできずに振り回されてきた「エゴ」ではなく、「人生の神秘」から音を奏でるためです。この世を生き抜くための「エネルギー」を循環させるためです。言葉を交わさなくても、僕らにはそれが分かります。
昨日、僕より若い世代のミュージシャンが来てくれて、食い入るようにライヴを観てくれていたのです。それがね、ほんとうに嬉しかった。僕が何かをしなくても、それはまた拡がっていくものなのです。PAUL、ほんとうにありがとう。元気でいてね。
追伸
ポールがどうして日本のオーディエンスが自分を受け入れてくれるのか分からん、と云ってたけど、そりゃあなたが「人生の神秘」を知ってるからに決まってんじゃん。
Living The Mystery (Paul Brady)
Well the man’s name is Sunshine
And he come up from the town
Said he bring a proposition
For a man when he’s down
Gonna buy me an aeroplane
Gonna teach me how to fly
Gonna take me to America
Gonna make Mama cry
And when I hear that lonesome train whistle blow
Then I know it’s time for me to go
I been round this cold hard town too long
There’s so many roads a man could go
Roads that glisten in the night like diamonds
Oh how I long to be
Living the mystery
Living the mystery
男の名前はサンシャイン
その街からやってきた
落ち込んでるやつのために
提案があると云う
飛行機を買おう
どうやって飛ぶのか教えよう
アメリカに行って
ママを泣かせてみよう
そして
あの哀しい汽笛が聞こえるとき
私は旅立つときだと知る
この寒くて険しい街に長居しすぎた
ダイヤモンドのように夜に光る道、そして道
焦がれているのは
人生の神秘を生きること
人生の神秘を生きること
初めまして。磔磔では 山口さんの背中の壁側で観ていました。
Paulはゲロゲロ声の大先輩に 三曲カヴァーされています。
http://grooveshark.com/#!/s/Arthur+McBride/3UtM9W?src=5
http://dylanchords.info/35_gaibty/arthur_mcbride.htm
http://grooveshark.com/#!/s/Mary+And+The+Soldier/1RN2Th?src=5
http://dylanchords.info/46_bs8/mary_and_the_soldier.html
http://grooveshark.com/#!/s/Lakes+Of+Pontchartrain/2ZUGGX?src=5
http://dylanchords.info/00_misc/lakes.htm
Bobが扉を開けてくれたから Paulは知る人ぞ知るシンガーなのは勿論、Irishの大声と繊細な技術には誰もが圧倒されてしまいますよね。
その点は CheiftainsやClancy Brothersも同様だと思います。
人生の神秘は traditional songsの中に自然と含まれているものです。
P.S.
http://tinypic.com/view.php?pic=a9qhg&s=6 http://youtu.be/vIbWUcys2iM
“Is This a Sam Cooke parody, right?” He said “Yeah”
Sam Cookeの原曲は何だかお分かりですか? これぞ伝承歌手の成せる業です♪
こちらのblogでポールさんのことを知って曲を聞きはじめたのですが、ずっと懐かしさを感じてて。どうしてかしらと思ってたら、今日ふとポールさんの歌が曾ばあちゃんの歌と重なってることに気づいた。幼いころ、悲しいこととか怖いことがあったりすると曾ばあちゃんは膝の上に私をヒョイとのせて、よく地元民謡を歌ってくれた。世界で一番安心できる場所で、私は彼女のじつに男気あふれるダミ声の歌を聞いていたのだけれど、ごくたまに声の音色から彼女の人生を感じる一瞬があって、子供だったからなんとも不思議な気持ちになった。その歌には哀しみや切なさをも含むデッカい愛と、祈りがこめられてた。ポールさんの歌には、私のなかでそんな曾ばあちゃんの歌とリンクするものがあります。…って、こんなこと言ったらポールさんに失礼かな。PS:ポールさんと野崎さん、ほんとの親子みたい!