北国の休日、函館にて

2010/12/27, 20:45 | 固定リンク

12月27日 月曜日 雪 

 僕はホテル暮らしが大嫌いだ。だから、弘前では「ホテルヒロシ」に函館では「プチホテル・シャトー浜野」に泊まる。両者の雰囲気はまったく異なるのだけれど、居心地いいったらありゃしない。「プチホテル・シャトー浜野」には新しい住人、コーギーの「コタロウ」が増えていて、犬好きの僕には拷問に等しい。お前、どうでもいいけど、可愛いすぎる。滞在してる間に、奴のハートをわしづかみにしてやる。お前の欲しいもんなら、何でも買ってやると、金で心を買おうとする自分の卑しさに呆れる。ワン。
 しかし、このツアー中。僕はたった4キロしか走っていないのである。マズい。マズすぎる。ずっと天気が悪かったから仕方ないんだけれど、今は一番追い込まなきゃならん時期なのだ。カキンコキンに凍った函館の道をゆっくりと10キロ走った。とてもじゃないけど、スピードは出せない。でも、バランス感覚を養うには丁度良かった。僕が走っている間、弘前から駆けつけてくれたサイトー・ヒロシとおかぴーは楽器とCDのパトロールに出た。早い話が全員オタクなのだ。
 居合わせた全員でおかぴーを空港まで送る。ゲートに消えていくおかぴー。あれで金属探知機のブザーが鳴ったら、オチとしちゃ最高だよな、と見守っていたら、合計3回。激しいボディーチェック。まったく、期待を裏切らない男だ。
 
 何だか、いい旅だったなぁ。過酷だったけれど、ストレフリー。それは各地の主催者の尽力によってもたらされたものだけれど。たくさんの愛を僕らは受け取った。これを音楽に詰め込んで、またみんなに届けに行こう。しかし、おおはた君との演奏は無茶苦茶に愉しい。既に「とつぜん南に行きたくなったのだ」とか「とつぜん九州に〜」みたいなオファーも頂いております。ありがとう。でも、このツアー、行き先を決めるのはおかぴーの直感なのです。それがいいなぁ、と。「ヒロシさん、極端に南に行きましょう」とか彼が云ったなら、きっと実現するでしょう。寒いときの北の国のひとたち、本当にありがとう。身体は疲れてるけど、心はカイロのように暖かいよ。

キャプション
1. プチホテル・シャトー浜野で恒例の朝食を頂くホモ3人衆とそれを見守る我らがコタロー。
2. コタロー近影。お前、可愛いにもほどがある。そんなつぶらな瞳で俺を見つめたら、拉致るぞ。
3. 夜はサイトー・ヒロシの友人の差し入れで、カニカニウニウニイカイカ大パーティーになった。美味い。美味すぎる。このカニのコウタロウ(命名山口洋47歳)はサイトー・ヒロシの友人によって、見事なまでにさばかれて、我々の胃袋に収まった。しかし、サイトー・ヒロシがカニの脳味噌をすする絵は、原始人が主人公のホラームービーにしか見えなかった。

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by 山口 洋