東京タワー

2005/09/26, 22:43 | 固定リンク

突然、東京タワーに登りたくなったのです。もちろんリリー・フランキーさんの本の影響もあるでしょう。でも、地方出身者にとってこの街が一番落ち着かないのは、煮詰まった時に、自分の暮らしを俯瞰する山や丘がないって事なのです。福岡市には立花山(登るのがキツいけど、その分達成感あり)、三日月山(簡単に登れて、見晴らしも抜群)、油山(車で行ける)、愛宕山(ちょっとした丘みたいなもん)、博多パラダイス(名前がイケてる。今は違う名前かも)、福岡タワー、エトセトラ。自分のその時の体力に合わせて、俯瞰の度合いを調節することが出来ます。夕暮れ時になって、街の灯りがともっていくのを眺めていると、「ま、いっか。明日は何とかなるだろ」ってな気分になるのです。そんな訳で、約35年振りに登りました。東京タワー。この建造物は妙に人間臭いのです。殆ど鉄で出来てるくせに、愛嬌と凛々しさを兼ね備えているのです。真下から見上げると、「わしゃ長い間、ここに立っとるんじゃ、どこからでもかかってこんかい」と云ってるみたいです。バカほど高いところに登りたがるってのは、読んで字の如しで、無論一番高い展望台に行きましたとも。ちょっと怖かったけど。
あの、世界中いろんなところに行ったんすが、こんなにバカでかい都市は見たことがないです。ある意味ブラックホール、ある意味荒野、そしてある意味で人々の営みが愛おしく見えます。トーキョーに比べたら、エンパイア・ステートビルから見るマンハッタンは小さなものです(もちろん違う良さがあるけど)。夕暮れ時だったこともあり、一番星、二番星みたいにあっと云う間に灯りがともっていきます。それぞれの灯りにそれぞれの事情があることが、末恐ろしくもあり、妙に愛おしくも思えるものです。
タワーを降りて、街を歩く頃には「ちっちぇー、俺」と云う気分に満ちていて、それがまた何故かネガティヴなものではないのです。
そんな訳で、ちっちぇー俺がお届けするロックンロール・ダイアリー。今日から少しだけリニューアルです。今までは俺が原稿を書いて、スタッフK君がアップすると云う、ヒジョーに原始的な方法が取られていましたが、この度、直にアップできるようにしてくれたって訳です。ま、長く続けるには無理しないのが一番なので、書きたくない時には書きませんが。それからトラックバックってやつもありません。モノ申したい輩はいつものように掲示板にどうぞ。何よりもこれからは時々、音や映像のファイルをアップするかもしれません。今日リハーサルでこんなグルーヴが産まれたぜとか、新しい曲の断片とか、ね。今後とも、どうぞ、よろしく。

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by 山口 洋