(no title)

2005/09/25, 00:00 | 固定リンク

昨日から立て続けに長年愛用してたものが壊れ始めた。そんな時期なのかもしれんね。訳もなく。例えば、10年愛用してたヘッドフォン。それはレコーディング・エンジニア達の意見を汲んで作られたもので、どんなにスタジオのスピーカーがボロくても、このヘッドフォンは言わば、俺の「耳」と化していたので、信用できた。それ故、壊れると痛い。仕方なしに、同じ「ようなもの」を買ってはきたが、音は似て非なるものだった。モノは何でもそうなんだけど、気に入って長年愛用してると、それが製造中止になる。仕方ないけど、そうなると換わるものを探すのに苦労する。
俺がギタ-を手にした頃、住んでた小さな街にはヤマハのピックしか売ってなかった。だから、必然的にそれが俺の指と化してしまった。そのピックと爪の両方を使って音を出す方法を自然に覚えた。言わば、それも歴然とした楽器で、あれがなければ自分の音は出ない。ところが10年程前、突然それは製造中止になった。ヤマハに抗議したら、100万円単位だったら作りますけど、と云われた。何処の世界に「ピックに100万円」出す奴がおるんかい。仕方がないので、ローディー君たちがいろんなツアーの度に地方の楽器屋を廻ってくれて、在庫を全部買い占めた。その数、おそらく3000枚。自分たちが作ったものには責任を持って欲しい。と云うか、そんなメーカーの方が最終的にはユーザーに支持されるってのが俺の考えなんだけどね。

by 山口 洋