何故かカリフォルニア

2005/09/24, 00:00 | 固定リンク

起きた時から頭の中がカリフォルニアだった。左にギルドの12絃、右にテレキャスター、真ん中にスチールギター、そしてドラムはジム・ケルトナーで、唯一ついてる歌詞は「カリフォルニア」で、ヴォーカルにはたっぷりテルレイのショート・ディレイがかかっていた。これだけ明確に音楽が見えていることも珍しいので、試しに録音してみることにした。2時間後、立ち上がってきたものは頭の中にあった景色そのものだった。最後に50年代に作られたリッケンバーカーのラップスチールを録音していたら、そのヘッドの部分にLos Angelesと描かれていて、笑ってしまった。何なんだろ?俺の日々は?何で突然カリフォルニアなんだろ?自分でもまったく心当たりがないんだけれど、まれに、最初に浮かんだものをたぐり寄せていくと、書き上げた時にその理由が分かることがある。「トーキョー・シティー・ヒエラルキー」って曲がまさにそうで、最初からそう歌っていたが、何故そんな歌詞なのか、自分でも全く分からなかった。けれど、書き上げた後、「ヒエラルキー」って言葉が元々は「天使の階級」を示すための言葉だって事を誰かから聞いて、びっくりした。歳を重ねる度に全ての偶然は必然のような気がしてくる。だから、何処に辿り着くのかも分からないけれど、日々の中で旅を続けているんだと思う。

by 山口 洋