ラジオの収録とLondon Calling

2005/11/18, 23:28 | 固定リンク

11月17日 金曜日 曇り 

 夕方、ラジオの収録。ディレクターS君の発案で「寒さ」、あるいは「北の」音楽についての特集。何のかんの云って、アマチュア時代から細々ともう20年くらいラジオの番組をやらせてもらってる。時代の趨勢に関係なく、俺にとっては素晴らしいメディアだっちゅー想いは今も変わらない。今の俺があるのは、FMのおかげだとも云えるしね。あの時、あの曲がラジオから流れてこなかったら、と云う出会いが無数にある。だから恩義もある。送り手となった今も、ひょっとして俺がかけた曲で誰かの人生が変わるかもしれんっつー可能性だけは心の中に留め置いてる。実際自分がそうだった訳だし。聞いてる人には分からないだろうから、喋ってるブースから見える景色はこんな感じです。ディレクターS君をリスナー代表として、ある事、ない事語りかけます。何か届くといいな、と思いながら。
 さて。都会に戻ってくると、腹の底から怒りがこみ上げてくることが沢山ある。1979年にバンドを始めてから、一度たりとも、楽だったことなんてない。いつだって越えなきゃならん山ばかりで、逆にそのおかげで今の俺があるとも云える。時代はいつも変わり続け、乗り遅れた者は「時代遅れ」と失格者の烙印を押される。ただ、俺が伝えたい事は、いつの時代も輝きを失わないはずの「人間の本質」ってもんがある。花に触れて心を動かされ、恋をして天に昇り、たまにモーレツに傷つき、人間ってものに深く感動して、たまに裏切られる。本当に人間は面倒臭くて、大バカだけど、たまに素晴らしい。だから諦めないし、妥協はしない。俺の頭の中にはピンチになると流れる「London Calling」再生スイッチがある。それも最初はラジオから流れてきたものだ。ジョーが俺にこう云った。「火を絶やすんじゃない」。I agree ! そんなに簡単に出来ないって云うなよ。やってみなきゃ分からんだろ?俺が云ってることが嘘だと思うんなら、目ん玉かっぽじって、遠藤賢司さんのライヴを観てみなよ。諦めるなよ、流されるなよ。俺もその「火」を絶やすつもりはない。

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by 山口 洋