移動日 - 新しいアルバム制作への補足

2005/11/27, 23:23 | 固定リンク

11月27日 日曜日 曇り 

 今、ツアーバスは高速道路を東京に向けてひた走っています。流れゆく車窓を眺めながら、「何処かに辿り着かない道はない」と訳もなく思います。
 
 車内でいろんな話をしたので、ここで「2006HWニューアルバムプロジェクト」について補足しておきます。
 
 簡潔に書くなら、このプロジェクトはどこかのレーベルや会社の資本によってではなく、スタッフまで含めたバンドの力と、それを支えてくれるファンによって、まずは音楽制作が成り立っていることを目指しています。「back to basic」。作り手が居て、聞き手が居る。真ん中に音楽があって、愛とハピネスがある。それがビジネスとして成り立っている。その基本を取り戻したいという発想のもと立ち上げました。まずは足元を固めた上で、我々の音楽を聞いたことのない人々にも伝えにいくつもりです。自力で活動していくことは「規模の縮小」を意味するものではありません。逆です。ちょっとおこがましいけれど、このままでは沢山の良質の音楽が死滅してしまうと云う危機感もあります。僕にとって、心ある音楽を作り続けている多くのミュージシャンが、今この問題に直面し、それを何とかしようとフントーしています。どこまで行けるのか、不明ですが、今自分たちに出来ることに全力を尽くしてみようと思います。いつもながら、根拠のない自信に満ちています。何故なら、音楽の可能性をいつまでもバカみたいに信じ、そして感じているからです。無限大だと思うのです。自分たちが諦めてしまわない限り。スマイリー原島兄の言葉を借りれば、「音楽はヴェンチャーじゃねぇ、アドヴェンチャーだ」。まったく同感。
 このアイデアは元々旧知の事務所の社長からもたらされたものです。そして「エイブル2」と云う映画を小さな映画館で観ていた時、閃くものがありました。その素晴らしい映画は、趣旨に賛同した多くの人々の資金で創られていました。内容が素晴らしかったのはもちろんの事、エンドロールで無数の市井の人々の名前がクレジットされているのを観た時、訳もなくこみ上げてくるものがありました。時間はかかるかもしれないけれど、あの映画はきっと多くの人々の心を動かすでしょう。いつまでも日本中の小さな街で上映され続けるでしょう。僕はハリウッド映画を否定しません。先日も「チャーリーとチョコレート工場」を観たばっかりだし。ただ、そうでない方法で創られた映画があってもいいと思うのです。
 多くの方の賛同をお待ちしています。何か不明な点があれば、遠慮なく質問してください。web等でお応えする事も可能だと考えています。
 
 高速道路を東京に向けてひた走っています。流れゆく車窓を眺めながら、「何処かに辿り着かない道はない」と訳もなく思うのです。

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by 山口 洋