札幌にて

2006/02/12, 13:46 | 固定リンク

2月12日 日曜日 厳寒 

 あのね。寒い。「寒い時期に北に行くのが好き」なんてうそぶいたのは、どこのどいつだ。あのね、寒い。道がかちんこちんに凍ってて、ちょっと身の危険を感じるし、空気が異様に乾燥してて、喉のダメージもある。荷物は重い。既に全身筋肉痛になってるし。トホホ。ツアーはまだ一本終えたとこなのである。
 札幌。会場の「くう」は、昨日の「あみだ様」とは180度趣を異にしていた。し、しまった。電車の中で、今日は突っ込まれても大丈夫なように、セットリストを考えていたのだけれど、「くう」は昨日とは違う意味で、音楽の愛に溢れていて、店主に突っ込まれることなく、一音一音を大事に演奏できる空間だった。何でだろうね?そのお店が音楽を愛してるかどうか、それだけは店に入った瞬間に分かる。まだ二日目だけど、両日ともそんな場所でやらせてもらってんはとても幸福だ。後に知ったのだけど、オーナーご夫妻は「全国音楽利用者協議会」と云う組織を運営されてて、理不尽な某著作権団体と交渉を重ねておられたのであった。「おかしいことはおかしい」。このような態度がどれだけ、俺を励ますことか。興味のある人は「くう」のサイトにアクセスしてみて下さい。
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~sphere/
 外はとても寒かったけど、音楽をやっている間はとても幸福だった。それは足を運んでくれた人々や、お店の意思が俺を引っ張ってくれたからだ。今回、敢えてBGMはお店に任せることにしてるんだけど、開場の際はジョニ・ミッチェルが、終演後はウォーレン・ジヴォン、エリック・カズ、ピーター・ウルフがかかってた。それはね、引っ張られる。嬉しいもんだよ。
 少しはあったまってくれたかい?俺は、いろんな人から毎日エネルギーをもらってます。本当にありがとう。次はトリオで来れたらいいな。小さな音でも充分に楽しめる素晴らしい空間だよ。このツアは確かにハードだけど、今のところ、それを上回るだけの、何かが自分の中に蓄積していくのを感じています。
 また「くう」での再会を誓って、俺は日本一の飲み屋に行った。また、その場所も音楽への愛に溢れてる場所なのさ。友人たちとくだらん話をして、いい音楽を聞いて、いつまでもそうしてたかった。
 明日は弘前に飛びます。支えてくれた、多くの人々。足を運んでくれた人々。本当にありがとう。受け取ったものは、頭の中にある新しい音楽に込めます。多謝&再見。どうか、お元気で。

一部
1. ハピネス
2. The homes of Donegal
3. 灯り
4. 誰も居ない庭
5. ノーウェアマン
6. Carry on
7. パラノイア・ボヘミアン・ブルース
8. 33
9. I have no time
10. Still burning

二部
11. 遠い声
12. フールとクール(ballad of middle age)
13. カリフォルニア
14. それでも世界は美しい
15. 歌を紡ぐとき

Encore
16. パンダマン・イン・ユァ・ソウル

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by 山口 洋