旅立ちの前に

2006/02/08, 23:08 | 固定リンク

2月8日 水曜日 晴れ 

 背負えて、軽くて、なおかつ丈夫なギターケースをネットで吟味して買った。考えてみたら、今まで楽器のケースはよりヘビーデューティーになる一方だった。俺のグレッチのケースなんて、象が踏んでも絶対に壊れないし、外国のエアラインの人間が、持ち主が見ていないのをいい事に空港のバックヤードで投げようもんなら、ギターが壊れる前に、そいつの身体がぶっ壊れる。つまりケースってもんは俺じゃない誰かが、運ぶ事が前提になっていた。で、実際のところ、久しぶりに自分で運ぶってことになったら、こんな重たいもの、持てるかい、って。勝手だ。最近とんとご無沙汰だけど、世界中をウロウロしてる時はいつも超身軽ないでたちだった。そこがどんな気候の国であれ。そんな意味で、必要最低限の機材って何だ?ギター、ハーモニカ、ケーブル1本、以上。スタッフが居るときゃ、あれやっといてね、あ、この曲であれ使う(かもしれない)んで、用意しといてね、よろしくー。みたいな男の豹変っぷりに、自分でも驚く。ディランの30周年コンサートのバンドを「ほぼMG'S」が努めてた。いろんなゲストが出てきて、彼等をバックに歌うのだけれど、音楽プロデューサーのG.E.スミスが曲によって、ギターをとっかえひっかえしてるのに比べ、元祖MG'Sのスティーブ・クロッパーは最初から最後まで同じテレキャスターを弾いていた。格好いがった。いがったんだってば。MG'Sの歴史の中で、きっと鍛えられてたんだろうね。 つまりは「本当に大事なものは何やねん(何故か関西弁)」ってことを見つめてみたいと思ってる。甚だ極端ではあるけど。そんな意味では、旅と音楽ってものが久しぶりにイコールで結びついてるツアーなんである。期待と不安とスケジュールの恐怖と酒量と体調。いろんなものがごちゃ混ぜになってます。はい。みんな迷わず来て下さい。
 話は変わって。早めのバレンタイン・プレゼントを頂きました。禁断のパッチでした。パッチって九州弁?早い話がモモヒキです。「2月の北海道の寒さを知らねーだろー」と某ミュージシャンに脅された俺がびびっていたからです。嬉しいんだけど、一度足を通したが最後、二度ともうそれなしには生きていけないような。ビミョーな感謝の気持ちです。ってお前ここに書かなきゃ誰にも分かんねーだろ?確かに、さもありなん。失礼。

by 山口 洋