病院送り

2006/03/12, 23:14 | 固定リンク

3月12日 日曜日 曇り 

 身体をだましだまし、あるいは根性にて、どうにかツアーを続けてきたけれど、ここに来てもうどうにもならず。夜は熱で眠れず、飯を喰うこともままならず、喉は焼き切れたような状態が続いていた。でも俺はプロフェッショナルだ。途中で投げ出すことだけはしたくなかったし、中途半端な演奏はしたくなかった。ただ、歌に魂が込められなくなったら、その時は潔くステージを降りようと思っていた。
 福岡に着いて、友人の付き添いで病院送りになった。でも、行ってよかった。俺はずっと風邪だと思ってたけど、喉の炎症に細菌が入って、熱が出てることが分かった。事情を説明して、何とかツアーを続けられるようにお願いしたら、今日は休診日で、外科のお医者さんしか居なかったにも関わらず、親身になって、治療してくれた。何処からか、多分内科のお医者さんも来てくれた。点滴も含めて、3時間。まっすぐ歩けなかった俺が、「腹へった」とうそぶくまでに回復していた。後で知ったことだけど、病院の休日窓口の警備員さんが、俺を知っていてくれた。いろいろ骨を折ってくれたのだとしたら、本当にありがとう。俺は医療の世界のプロフェッショナルっぷりにちょっと心うたれました。で、エネルギーを充電するために、もつ鍋を喰った。真面目な話、10日くらい前から味が分からなくなっていたし、2日くらい満足に飯も喰っていなかった。筑豊のソウル・フード、もつ鍋は美味かった。五臓六腑に染みた。
 そんな訳で、ツアーは続行します。まだ完璧な体調ではないので、美声ではないし、ひょっとして椅子に座って演奏するかもしれないけれど、歌に魂は込められます。だから、観に来て下さい。

by 山口 洋