may her rest in peace

2006/05/31, 16:59 | 固定リンク

5月31日 水曜日 晴れ 

 昨日の明け方近く、空が白み始める頃。ハナが死んだ。と云うより、親バカを承知で書けば、召された。目の前で魂が抜けていく様をずっと見ていた。俺にも奴にも、飼い主と人間と云う意識はあまりなく、毛がもじゃもじゃの、そこに居ることが当たり前の、ハナと云う生き物だと思っていたから、急に居なくなられても、正直なところ、その意味が理解できずに居る。奴は俺に似たのか、とてもヘタレだったので、「Z」に激しく特徴のある、E.YAZAWAのタオルに包まれて、友人も見守る中、荼毘に付された。この季節なのに、良く晴れた日。鶴見川沿いの火葬場から立ち上る色のない煙を見ながら、「あぁ、奴は昇っていったんだ」と思った。そして、心にぽっかり空いた穴に新緑の風が吹きぬける。多分、それを埋めてくれるのは、時の流れでしかない。

 当たり前と云ってしまえば、それまでだけれど、奴は一度も俺を裏切らなかった。俺がどんな気分の時も、荒れていても、ふさぎ込んでいても、騒いでいても、いつも同じ体温で、穏やかに尻尾を振るのだった。たかが犬、かもしれん。でも、俺はこの一点に於いて、奴を心から尊敬しているし、それを俺が煙になる日まで変わることなく、心にとどめておきたい。願わくば、俺もそのような人物でありたい。ハナ、ありがとう。R.I.P。

追伸
 沢山のメールや励まし、ありがとう。それらはすべて、奴に伝えました。

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by 山口 洋