ツアーの話その2

2006/07/05, 20:16 | 固定リンク

7月5日 水曜日 曇り 

 昨日は素晴らしい魂と対峙して、今までに知ってる類いじゃない、不思議な感動を覚えた。その魂は良く知ってるはずのものだったけれど、実のところ俺は何も知ってはいなかった。またひとつ、深く学んだ。心の底からありがとう。
 
 中田英寿選手の文章には、老成と達観、瑞々しさ、再生、経験、伝承、人生の目的、そして20代男子ならではの心持ちが混在していて、興味深かった。何にせよ、熟考の末に書かれたそれは決意と感謝に溢れていて、素晴らしかった。「自分探し」と云う、俺が書けない単語を選んでいるところに「逆イエローカード」をもらった気がした。何にせよ、アゲイン。彼の人生は彼のものだ。ありがとう。

 「now and then」。もうすぐリハーサルが始まります。既にお伝えしたように、1部は新しい曲を、2部は今までの曲を主に演奏しようと思ってます。「明日のために靴を磨こう」。実のところ、再録音するまで、この曲があった事すら忘れてました。でも、あらためて今のバンドで演奏してみて、失ったものと得たもの、変わらないものと変化したもの。いろんな事が音楽に含まれていることに気づきました。昔も今も、ツアーに出る前の日に靴を磨く習慣は変わりません。
 「ミスター・ソングライター」。その曲をやってくれとのリクエストに応えてみると、書いた時に自分の胸にこみ上げてきたものが、相変わらず自分の中に存在してることに気づきました。「あんた、何をそんなに熱くなっとるん?」みたいな。俺の一存じゃ、何とも云えないけど、もう一回バンドに投げかけてみようと思います。全てのリクエストには応えられないけど、聞きたい曲があれば、何なりと。

by 山口 洋