across the highway

2006/12/24, 23:39 | 固定リンク

12月24日 日曜日 晴れ 

 ずっと前から大好きな音楽を奏でてくれてるミラクルなミュージシャンが居る。彼の音楽の背後に、観たことのないウディー・ガスリーの幻影を観ることもある。2004年に本国で、彼の居るグループのチケットを買おうとしたら、どこもソールドアウトで買えなかった。そんな彼から聞いた話。
 彼は自分の楽器を2本と、手荷物を抱えて、帰国するために、国内某所から新幹線に乗った。品川でNEXに乗り換えて、成田に向かうはずだった。品川に辿り着くと、目の前に「NARITA 」と書かれた赤い電車があったので、飛び乗った。でも遅い。どう考えても「ナリタエキスプレス」にはほど遠かった。降りたのは錦糸町かなんかで、人々の助けで、東京駅まで戻り、ようやくNEXに乗ることができたが、今度は降りるべきターミナルを間違えた。ひどい二日酔いだった。云っておくけど、成田にはターミナルは2つしかない。でも間違えた。ターミナル間にはバスが走っていて、係員に「ターミナル1?」と聞いたら、彼は「はい」と答えたので、そのバスに乗った。でも様子がおかしい。バスは高速道路に乗って、どうやらカラオケらしきものが始まった。それは北海道行きのバスだった。彼は必死に窮状を訴えたら、高速道路で下ろされた。ぐはは。仕方なく楽器2本と荷物を抱えて、高速道路を横切った。(あり得ねぇ!)挙げ句、運良くヒッチハイクで止まってくれたタクシーに乗って、成田に戻ってみたら、飛行機は3時間遅れていて、乗ることができたっちゅー話。ぐはは。
 そんな彼からメールが来たら、今日は何故かサンタの格好をしていた。ぐはは。懲りないっちゅーか、何ちゅーか。でも、彼の横顔には少年と哲学者と耐え抜いた風雪と、音楽への限りない愛がある。それがひどく僕を励ますのです。ありがとう。でも、乗り物には気をつけてね。

by 山口 洋