midnight at the oasis

2007/06/03, 23:29 | 固定リンク

6月3日 日曜日 晴れ 

 公私共にお世話になっているMさんがチケットを手配してくれて、エイモス・ギャレット観たとです。下北沢に突如現れたオヤジ共の行列。もちろん並びましたとも。会場には加齢臭が漂いそうです。ほんとです。ジャケットで知ってる彼と風貌は違う人になってたけど、音は「あの音」やったとです。感涙。ギターは実のところ甚だ不完全な楽器なのです。ピッチはかなり曖昧です。それがいいとです。俺のグレッチなんて実のところ不協和音の一歩手前の状態です。それを弾きこなしてこそ、自分のサウンドになるとです。そんな意味で、子供の頃から「何じゃこの音は?」と不思議で仕方なかった彼のサウンドは、強靭な指から繰り出される常軌を逸したまでのチョーキングやサムピックを使うこと、タッチ、リズム感、その他もろもろ。それらが混然一体となって、作り出されていたのでした。すげぇ。俺はタダのギター小僧と化して、彼のテレキャスターを見つめていたとです。至福。
 音楽ってね、音だけじゃないとです。彼が流れるようにギターを弾きながら、落ちてきた老眼鏡を上げる仕草にぐっと来たり。あまりにも幸福そうな客の顔にぐっと来たり。ライヴは素晴らしいすね。久しぶりに客として、音楽を心から楽しんだとです。あ、それから日本人のサポートも素晴らしかったとです。決して出しゃばらず、絶妙な立ち位置で彼の音楽を支えていました。心から拍手を送ります。ブラボー。

by 山口 洋