日々雑記、そして山形にて

2007/06/21, 19:16 | 固定リンク

6月21日 木曜日 晴れ 

 大阪、伊丹空港の待ち合いロビーにて、これを書いています。
 先日爆発事故のあった渋谷の温泉施設は以前の仕事場のすぐ近くにあります。瀟酒なビルが出来、それが女性専用の温泉施設だと知り、はたまた「天然温泉」だと告知されるに至って、頭にでっかい?マークが浮かんだことを覚えています。都会に暮らす人々の多くは疲れています。だから、そのような施設も必要かもしれない。けれど、表現のしようのない違和感をも同時に覚えるのです。何故1500メートルも掘って、挙げ句、罪のない人々が亡くならなければならないのか。人間の「欲」にはどこまでも果てがないのか?
 昨夜、曽我部恵一君の歌をステージ脇で聞いていました。イケてない男の独白が始まり、サビでただ「東京」と歌われるその歌はまるで映画のようでした。不思議な感触だったのです。後で彼に尋ねたなら、新宿から下北沢に向かうタクシーの中で、東京に暮らしの中心を移してからの数年間がフラッシュバックのように蘇ってきて、あっと云う間に書き上げた、と。おそらく、時々湧きあがってくる、どうしようもない違和感のようなものが我々に曲を書かせるのだと思います。そんな意味で、昨夜のイベントからいろんなエネルギーをもらいました。ありがとう。

 大阪伊丹ー山形線の機長はとってもユニークな人で、機内から見える風景をいちいちアナウンスしてくれるのです。そのおかげで隣の人と仲良くなったりします。あんまりアナウンスが多いので、「ちょっと、真面目に操縦してよ」とも思ったけれど、世知辛い世の中で、こういう人に出会えるのは嬉しいものです。そうそう、山形空港はさくらんぼ畑の真ん中にあるのです。(写真参照)機長は着陸寸前まで、そのアナウンスに大忙し。飛行機を降りる際に機長にサムズアップしておきました。

 山形のこの小屋は、ツアーを続ける者にとっては「止まり木」なのです。いつ行っても心のこもった食事が待っている。外食せざるを得ないミュージシャンにとって、この心遣いがどれだけ嬉しいことか。ここの主はもはや俺の姉貴と化しているのだけれど、その想いが若い世代に引き継がれているのがとっても嬉しかったのです。今日は沢山の若いミュージシャンと演奏したす。君たちに幸あれ。ありがとう。山形。

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by 山口 洋