アイヌ語に「愛」って単語がないこと、苫小牧にて

2007/07/06, 23:38 | 固定リンク

7月6日 金曜日 晴れ 

 もうすぐ午前5時だ。俺は昼前には旭川に向かわなきゃならない。イカれてる、とは思う。

 苫小牧にはツルさんと云うスキンヘッドのとんでもないイカレポンチが居る。最悪な事に、初めて会った時から、俺はこの男が大好きになってしまったのだった。彼の武勇伝が知りたければ、この音楽バカが巣食う愛しきハコに足を運んでくれたまえ。この街にこの場所は欠かざるべきもので、30年の長きに渡って、守り通した譲れないものがある。多分。

 昨夜から彼と俺はずっと一緒に過ごしていた。風呂も入ったし、真面目な話もしたし、アイヌ語について教えてもらったし、何故か客に出すためのサンドイッチを一緒に作り、共に音楽も奏で、終演後にはパスタも作り、何故か皿まで洗った。イカれてる。でも、俺はこの男の目に宿るものが好きだし、彼を慕って集まってくる人間たちに地方都市の奇蹟を観たりもするのだった。さんざん飲んだし、これ以上うまく書く自信ももうない。ひとつだけ云いたいのは、ありがとう。あんた達は最高だよ。アイヌ語に「愛」を意味する言葉がないことは、それを云うまでもないからだって、教えてもらった。そんな人間に俺もなりたい。ありがとう。

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by 山口 洋