月の庭でルナティックに踊る、三重県亀山市にて

2007/10/28, 22:39 | 固定リンク

10月28日 日曜日 晴れ 

 三重県亀山市までの道中、「名阪国道(だったけ?)」と云う高速道路のようでそうではない、一般国道を走っていた。何か、腹に無理矢理入れておくか、と、とあるパーリングエリアに立ち寄った。今では考えられないことだけれど、そこには演歌が流れていた。食堂では由緒正しいおばさん達が働いていて、「みなさんの安全を心から祈っています。どうぞ、お腹一杯食べて下さい。おかわりは自由です(しないけど)」と記してあった。何だか、いいぞ、ここ。好きだぞ、俺。そこで食したものは正しい「おばちゃんの味」が」した。母を亡くした俺には沁みる味だった。そして、車に戻ろうとしたら、一心不乱にゴミを拾うおじいさんが居た。彼こそが、その食堂の支配人だった。彼は本気だ。嘘じゃない。その光景を観ていて、じんわり目頭が熱くなった。何だよ、居るじゃん、この国にもまだ、こんな人間が。

 亀山だ。オーガニック・レストラン「月の庭」だ。ここの店主マサルとは随分いろんな無茶もしたし、遅れてきた青春を共に謳歌もした。勝手だけれど、自分の家みたいにくつろげる。ハードだったツアーの最終日がここっちゅーだけで、俺は救われたような気分になる。でも、マサルは俺たちが会わなかった間、体調を崩していた。奴はこのライヴの2日後に入院して手術を受けるのだと。俺に出来ることは、魂を込めて音楽をやることだけだ。喉は完全にイカレてはいるが、魂を込めることはできる。美声じゃなくて(もともとそうじゃないけど)申し訳ない。でも、この場所が育んできたものと、気恥ずかしいけど、俺とマサルとその仲間たちとの友情と、素晴らしい食事と、エトセトラ。愉しんでくれたかい?何だか、昼間に続いて、歌っていて俺は目頭が熱くなった。

 マサルと俺はあまりにも無茶な生き方が、互いの身体に相当負荷をかけていたことを反省した。そして、奴が元気になったなら、新しいやり方で面白いことを続けていこうっちゅー話になった。云うまでもなく、ここはLand of music。代替わりした新しいスタッフたちも本当に素晴らしかった。ありがとう。本当に嬉しかったぜ。

img07100025_1img07100025_2img07100025_3
by 山口 洋