師匠来たりて、熊本にて

2008/06/14, 12:43 | 固定リンク

6月14日 土曜日 雨 

 楽屋に俺の師匠、野田敏が突然現れた。彼の歌に打たれたのは俺が18の時だ。それから有名無名を問わず、いろんな人間と演奏したが、あの日の感触が、俺にとってはマキシマムであることは変わらない。彼の歌がなければ、今ここに立っていることはなかった。ヴァン・モリソンよりも俺に与えた影響は遥かに大きい。彼の歌は埋もれたままになっている。俺が観た日本最高のバンド、メインストリートの演奏を「確実に」記録した音源も無いに等しい。彼は52歳になった。記録するなら今しかない。そして俺にはもはや、業界のしがらみもない。とりあえずは今年の秋に、彼と彼の故郷、熊本でライヴをやることをその場で決めた。そして、二人でアルバムを作ることも、決めた。今の時代にこそ、彼の歌は必要だ。俺にはその確信がある。

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by 山口 洋