「道」

2008/07/19, 03:23 | 固定リンク

7月19日 土曜日 晴れ 

 竹馬の友、と云うか、気恥ずかしいからあんまりこんな言葉を使いたくないんだけれど、無二の親友である絵描きの友人の個展を観に、銀座まで行った。
 ここに何度か書いたかもしれないが、14歳の誕生日に、俺は奴からギターを習った。俺は奴に絵を伝えた。互いの才能はあっという間に交錯して、俺はミュージシャンに、奴は絵描きになった。親友とは云ってみるものの、奴とは3年に一回くらいしか会わない。でも、それでいいのだ。会わなかった時間の空白は互いの作品が埋める。会っても、はずむ話もない。けれど、互いに無言で励まし合って、ここまで来たんだと思う。奴はいつも「日常の中の永遠」を追い求めているように俺には見える。このまま行くと、お前、仙人になるしかないぜ、と余計な心配をしていたのだが、今日観た作品は、人間の醜さやエロス、灰汁、暴力性、危うさ、エトセトラ。そのような要素まで内包しているように、俺は感じた。強い力をもらった。自分の中の暴力性や危うさ。それをしっかりと見つめたときに、生まれてくる包容力がある。面倒臭いと云われようと、俺はそのような人物で居たい。
 当たり前だけれど、奴の絵が持つ筆致。それは写真には写らなかった。すまん。是非、多くの人に足を運んで欲しいと、思ったが、今日が最終日だった。すまん、アゲイン。でも、生きていて、作り続けてさえいりゃ、また道が交わるときがくるさ。ありがとう、向井。来月、酒を抱えて、遊びにいくぜ。

追伸
 普段、このサイトの掲示板に何が書かれようとも、人々には自浄していく力があると信じているので、自由な場であるためにも、反応しないことにしているのですが、「heatwave無期限活動停止」なんてことを書かれた日にゃ、根も葉もないデマは困るので、「きっぱりと」否定しておきます。俺はもうすぐ創作活動に入ると思います。来年はバンド結成30周年を迎えます。それを祝うかどうか、まだ決めてはいないけれど、新しい音楽に向かいたいと、身体の芯と魂がそう申しております。奴がキャンパスに向かい続けるように、僕は音楽に向かい続けます。そこんとこ、よろしく。

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by 山口 洋