豊かな復讐

2009/01/16, 22:46 | 固定リンク

1月16日 金曜日 晴れ 

 「もっといい時代があるかもれしれないが、これは我々の時代なのだ」(サルトル)。

 電車の中で、よしもとばななさんの新刊「彼女について」を読んでいて、心が震えた。ショーン・ペン監督が描いた世界と同じく、それは僕にとって「魂の救済」について書かれた本だった。このような作品が同じ時代に生み出されているのを知ると、もはや嫉妬を超えて、心の底から、ふつふつと今日を生きる活力が湧いてくる。書物や音楽は日々を生き抜くためのリポビタンDだと思う。昨日のライヴと云い、この本と云い、素晴らしい表現を前にすると、ニンゲンでいることも悪くない、と照れずに云える。不況だ、リストラだ、エトセトラ。でも、世界にはこんなに素晴らしい魂もあるじゃん。ブラボー。
さ、曲書こ。

by 山口 洋