完走、人々の力

2009/10/04, 19:38 | 固定リンク

10月4日 日曜日 晴れ 

 人生初レース。朝6時に起きて、10キロレースの会場へ行く。野郎共4人で参戦。しかし、あまりの人の多さにびっくりする。こりゃ1000人は軽く超えてるな。世のマラソン人口ってすごいのね。
 実のところ、オレの状態はと云えば、訳も分からず短期間にがむしゃらに練習したせいで、両親指はうっ血して微妙に緑に変色してるし、膝は一歩間違えたら、コキっといきそうな状態。おまけに今日は走った後移動して、ライヴだから無茶はできない。でも、ゼッケンを手渡された時点で何だか燃えるものがある。スタートした直後にS君は視界から消えた。速すぎる。サーフィンの先生Y君もすぐに見えなくなった。ああ、そして近所のヨシ君までも。オレ、ビリじゃん。ここはオレがいつも走らせてもらってるコースなので、云わばホームなのだけれど、こんなに沢山の人々と走った経験がないので、自分のペースがつかめない。遅い人と速い人がダンゴ状態で入り乱れていて、ペースを急に変えさせられる度に、膝やふくらはぎにピキっとヤバそうな痛みが走る。それもどうにか落ち着いてきて、折り返し地点に近づき、S君とすれちがった。こりゃ無理だわ。到底追いつけない。Y君、うーん無理かも。でもヨシ君。その差、500メートルだな。何とかなるかも。人間は不思議な生き物で、目標を見つけると俄然やる気が湧いてくる。このくらいの無理なら今日だって可能かも。追われる者より、追いかける方が随分楽なんだね、たぶん。途中で、何で金を払ってまでこんなに苦しい想いをしてるんだろう、とか、人は何故野の花のように生きられないんだろう、とか意味不明なことを考えたけれど、沿道の人々の声援には本当に励まされた。共に走っている人たちの顔もオレと同じように苦しそうだし。人間ってバカだなぁ、とか、すごい生き物だなぁ、とか。いろいろ。
 仮想敵(ごめん)ヨシ君のおかげで、折り返してからの気分は随分楽になった。8キロあたりで、ようやくヨシ君を抜いて、ゴール。65着、記録は55分。しんどかったけど、己と闘うのは愉しかった。今回、野郎共は全員1時間を切ったので、次はハーフマラソンを目指すことにする。来年の3月にフルマラソンを本当に走ることができたら、その時、初めて自分を褒めてやろうと思う。まだまだ道は遠いよ。メゲないけどね。
 
 もともとは兄貴分に云われた一言がきっかけだった。「お前の光を取り戻せ。走れ」。それから数ヶ月、晴れの日も雨の日も、バカみたいに、ただがむしゃらに走ってきた。もちろん今からマラソン選手になれる訳もなく、自分の光が今どうなっているのかも分からない。ただ、諦めない強さと、前を向いて、見えないものを信じて進む力。それは身に付いてきたと思う。i believe in you。オレはメゲないぜ。一歩づつだけど、必ずたどり着いてみせる。

 家に帰ってシャワーを浴び、オレは山梨県都留市を目指した。眠い。でも、とってもいい空間だったから、詳細は明日にでも。

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by 山口 洋