ゲンちゃんの解剖学、大切なアナウンス#3

2009/10/23, 18:16 | 固定リンク

10月23日 金曜日 曇り 
 
 身の回りで、続々と走る人が急増中。一度あの感じを体験したら、止められるはずもなく。奥が深いし、金かからないし、自分の好きな時に出来るし。オレひとりで秘密の巻物を独占しているのはもったいないので、毎晩「出勤」するバーの蔵書にしてもらって、みんなでそれを共有することにした。
 
 ところで昨夜、バーでこの街のスーパーランナー、ゲンちゃんに会った。彼は1キロを4分15秒で走る。凄すぎる。これ幸いと、ゲンちゃんに質問責め。彼はお金をかけずに独学で知識を身につけたと云うのだが、身体に関する考察はもはや、解剖学だった。事実、彼は人体解剖図を見て、筋肉や骨格の流れを勉強したのだと。唖然。例えば膝のある部分が痛いとする。それはすなわちその箇所がイカれているのではなく、骨に上下でジョイントされている筋肉そのものが炎症を起こして骨に癒着しているから起こる痛みである。そう彼は説明しながら、オレの骨から筋肉をひっぺがすような感じでゴリゴリとマッサージを施してくれた。すると、本当に痛みは消えるのだった。自分の身体と45年もつき合ってきたけれど、オレは何も知らなかった。面白い。果てには毛細血管の育て方から、ピッチの刻み方、ストレッチの方法まで、ありとあらゆることを教えてくれた。ありがとね、ゲンちゃん。でも、一番好きだったのはオレが「何でそんなに真剣に走り始めたん?」と聞いたなら、彼が「失恋」と即答したこと。まったく、男っちゅー生き物は。あはは。

 な訳で、ゲンちゃんの教えを反芻しながら、15,4キロ走って参りました。ゲンちゃんストレッチを導入し、ゲンちゃんマッサージをゴリゴリ施し、冷水と温水で、毛細血管を育てました。面白い。

 さて。今日はツアーに関する三度目のアナウンス。

 この数年、ずっと我々をサポートしてくれている代官山のジュエリー・ショップ「knife acoustic groove」の中野さんが、ツアーに合わせて「heatwave結成30周年記念モデル - 希望を載せて飛ぶための羽根4号」を渾身の力で制作してくれました。彼の店にはオレの1958年製のレスポールJr(本物)と昔使用していたアンプ、ampeg VT-22が常に展示されています。弾きたい人は遠慮なくどうぞ。
 彼とオレはモノ作りに対する気持ちで繋がっています。日本のシルバー職人は圧倒的な力量を誇るのですが、安価な外国製に押されて、その世界も大変な状況になっているそうです。今回の4号は彼が考えられるすべての感性をつぎ込みました。ひとつひとつを熟練職人が手仕事で仕上げ、模様の入らないピュアなターコイズを使い(そのため傷がつきやすいそうなので、他のものとじゃらじゃらつけるより、一点で身につけるのがおすすめだそうです)、「座」を作って、そこにマウントし、オレが書いた「espoir」のプレートが裏に埋め込まれています。会場ですぐ首から下げられるように、レザーループが付属しています。これは彼の店でももちろん手に入れることが出来ますが、30周年を祝って、会場で手に入れた方が安くなるように提供してくれました。詳細はまたいずれ。男性はもちろんすが、女性にぴったりのサイズだと思います。イカツイ野郎共にはもうひとつ別の「一生モノ」をオレのリクエストで作ってもらいました。そのアナウンスもまた、いずれ。制作過程などは彼のblogにアップされるそうなので、読んでみてください。

http://k-a-g.com/

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by 山口 洋