peace

2009/12/17, 12:38 | 固定リンク

12月17日 木曜日 晴れ 

 初めて買ったマラソンシューズ。サイズが少し小さくて、おかげで足は血マメだらけになったけれど、オレに走ることを教えてくれた思い入れのある靴。人様にお古の靴をあげるのはどうなのよ、と思いながらも、もらってくれる人が居るのなら、タンスの肥やしになっているよりはいいか、と。感謝を込めて洗ったら「オレはまだ使って欲しいんすよ」と云ってるように見えた。靴は走り始めた友人のもとに嫁いだ。良かった、良かった。

 親父の写真を持って、バーに静かに飲みに行ったら、マスターが缶ピースを用意していてくれた。心遣いが嬉しかった。居合わせた喫煙者のお客さんたちが、こぞって缶ピースを吸ってくれて、店の空気は一気に極悪になった。ヘンな弔い。でもこれぞ弔い。こうやって親子は28年経って、杯を交わした。ありがとう。

 どうも貧血っぽい。血の製造が運動に追いついていない模様。でも、ニンゲンは生き延びるためなら、無意識に必要なものを摂取する。頂いたロースト・ビーフをまたもや原人喰いした模様。42キロを走った代償は意外に大きくて、得られるものもかなりあるんだけれど、これは月に一回、無理のないところでやらないと身体が潰れると実感。

 マラソンコースの15キロほど向こうに米軍の基地がある。ときどき平和な空を切り裂くように戦闘機が飛んでくる。その音たるや、筆舌に尽くし難い。暴走族の出す音はまだニンゲンが出しているバカな音だと思える。けれど、戦闘機の音はこの世の終わりを示すように、圧倒的に人を威圧する。それまでの一切の思考をゼロにしてしまう。日常的にこれが頭上を飛んでいたなら、オレは確実に頭がおかしくなる。慣れたくない。想像しよう。何でこんなモノが必要なのか。

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by 山口 洋