おだやかな暮らし

2009/12/15, 21:01 | 固定リンク

12月14日 火曜日 晴れ 

 泣き虫です。最近、アラレもなく、よく泣きます。

 今年、一番響いた曲はと聞かれたら、カオリーニョ藤原の「人生の花」と、おおはた雄一君の「おだやかな暮らし」。ふたつの曲は突然、心の中に入ってきて、カンドーだか、励ましだか、哀しいんだか、嬉しいんだか、訳の分からない感情をもたらして、気がついたらいつも号泣。違うことがあるとするなら、カオリーニョの曲は定点で聞くとよろし。おおはた君の曲は移動しながら聞くと、効果倍増(別に泣きたかないんだけどね)。オレはフェリーニの「道」を観ると、毎回同じシーンで寝てしまう。同じように「自転車泥棒」を観ると、同じシーンで号泣してしまう。ふたつの曲はそれと同じだ。オレにとっては。

 欲しいものは おだやかな暮らし
 あたりまえの 太い根をはやし
 好きなひとの てのひらがすぐそこにある
 そんな毎日

 別に歌に自分を当てはめてる訳でもない。何だろう。この歌を聞きながら、昨日のタエコの事を思ったり、どうして人はこんな些細な幸福さえ手に入れられないんだろう、と思ったり。何故、手に入れたときにはそれを幸福だと感じないほど、人は強欲なんだろう、と思ったり。でも、こんなに平たい言葉で、胸を衝くのは彼の偉大な才能だと思う。

 まだリハーサルも何もしていないけれど、おおはた君と演奏するのを本当に楽しみにしています。つーか、単純にオレが聞いてたいんよ。隣でね。年末で大変だと思うけど、迷わず来てください。

 ちょっとした理由があって、「HW30thアニバーサリーツアー」のマルチトラックの音源を聞きました。他人事みたいにいいライヴだった。観客の愛を音からあれほど感じたことはないす。それに応えるバンドの熱量も半端じゃなかった。素晴らしい。今は気持ちが前を向いているので、それらをミックスするモチベーションは低いんだけど、あのツアーに足を運べなかった人たちのために、行くことが叶わなかった、東北、北海道、四国、山陰、北陸の人たちのために、音源化しようか、とも考えています。

by 山口 洋