レース前日

2009/12/05, 14:05 | 固定リンク

12月5日 土曜日 曇り 

 3度目のレース前日。明日はハーフを走るので、軽めの調整。ゆっくり走りながら、筋肉や関節、ひとつひとつに状態を聞いてみる。完璧じゃないけど、レースに向けて、仕上げていくことも随分覚えた。最初はまるで「明日は特攻出撃」みたいな気分で緊張して眠れなかったが、ようやく慣れて、自分の練習がどれだけの結果をもたらすのか、目標を決めて、それを実現する。そんな気持ち。適度な緊張感もまた気持ち良し。嫌いなバナナも喰うし、自分に勝つためなら何でもする。マラソンの友、ヨシミにまた負けるようなことがあれば、通算0勝3敗。前回3秒差で負けた屈辱を胸に、このひと月頑張ってきた。スーパー負けず嫌いの男との闘いもまた楽し。奴は関西人なのだが、走り終えた後の勝利のコメントが毎回ムカつくのだ。「折り返しのとき、既にオーラのないヒロシさん観て、何て慰めようかって考えながら走ってましたわー。わっはっはー」、あるいは「ヒロシさん、もう歩けないほど疲れてるじゃないすか。オレ、まだこのままぜんぜん走れますわ。わっはっはー」みたいな。てめー、覚えてろよ。30キロ走はオレの方が4分速いんじゃ。明日は九州人のド根性を見せてやる。

 昨夜はお菓子屋のボンが「田舎風アップルパイ」を持ってきてくれた。美味かった。遂にオレはスウィーツに目覚めてしまったらしい。未知の味覚領域。何だか舌の知らなかった部分がビンビンに感じる。甘さを。多分、終戦直後の「ギブ・ミー・チョコレート少年」状態なんだろう。今日に至るまで殆ど喰ったこともないくせに、ボンに「オレみたいなスウィーツ嫌いの連中も喰える甘さ控えめのものを開発したら売れるんちゃう?」とか云ったりする。毎日、ありがとね。ちなみにボンも明日の10キロに出場する。ケントーを祈る。

 周囲で続々と走る人が急増中。いろんなことを質問される。オレはただ熱いだけの初心者だっちゅーに。でも、それぞれのペースでそれぞれの目的で走ればいいと思う。過激にメタボってる人は歩くことから始めればいい訳だし。逆にその方がきれいなフォームを作るんじゃないかと思うし。オレみたいに訳も分からずがむしゃらに走ることだけはおすすめしない。振り返ってみると、確かに走ってないとやってられない理由はあったのだけれど、靴箱にあったスニーカーを履いて、心臓が破れそうになるくらい全速力で走って、休息もまったく取らず、雨の日も風の日も走り続け、膝の痛みで階段を登ることもままならず、こりゃ壊れる。そこまで来て、ようやく学び始めた。「オレも走ります」。「私は歩きます」。そんな連絡が良くあるけれど、お願いだから、靴だけはいいものを買ってください。店員さんのアドヴァイスを聞いて、見かけで選ばず、適したものを買ってください。とりあえず必要なものはそれだけです。オレの爪はもう4本死んでます。初期の無茶苦茶な練習と、合わない靴を履いていたせいです。アシックス社は根性入れて、日本人に合うものを作ってるなぁ、と思います。どうか、ひとつよろしく。

 はてさて。走ることは天候にも左右されるので、毎日の天気を気にして、その時間を選びつつ、新しい曲も書き、オファーがあったたくさんの曲も身体に入れつつ、12/26のおおはた君の音源も届いたので、ライヴの内容も考えつつ、音楽に向き合っています。1月の後半は「on the road,again」で昨年廻りきれなかった九州地区に行きます。お楽しみに。3月は魚ちゃんと二人で、新しい曲を抱えてツアーしたいなぁ、と。そんでもって、フルマラソンを走って、新しいアルバムのレコーディングを開始したいと思ってます。

 てな訳で、今日は13曲の譜面とカクトーしています。吐きそうです。譜面は書いた人によって癖があるので、長年の間に生み出した「山口式記号譜面」に書き直します。これはオレしか読めません。つーか、こんな風に書かないと、現場で即座に反応できないのです。五線譜に書かれていると、どうしても目で追ってしまって「音楽」を楽しめないのです。ふにー。

by 山口 洋