魂の飛沫を浴びること

2009/12/28, 00:40 | 固定リンク

12月28日 月曜日 晴れ 

 小坂忠さんの1メートル横でギターを弾くってことは、シンガーとしての42年分の魂の飛沫を浴びることでもある。喜びであり、光栄であり、責任も重い。それに応えるためには、とにかく音楽を身体に入れておくこと。後は歌に身を委ね、素晴らしいバンドに呼応して、オーディエンスに音楽の素晴らしさを伝えること。ただ、それだけ。
 人生に於いて、幸か不幸か、オレもいろんな経験を重ねてきた。昔ならキンチョーのあまり指が硬直してたかもしれん。でもね、本当に楽しかった。その状況の中に居ることが。彼の歌には、自分の手を汚して生き抜いてきた男の「覚悟」と「約束」がある。それは同じ職業のペーペーであるオレにとっては「希望」に他ならない。歌を歌うってことはこういうことなのか、とあらためて教えられる。バンマスのKYONさんにはバンドを導いていく術を教えられた。人を信じること。オレはまだまだ足りない。
 終演後、「happy birthday」が突然鳴り響いて、サムズ・アップのスタッフからケーキが運ばれてくる。へぇ、誰か誕生日なんだ、と思っていたら、そこにはオレの名前が記されていた。今年3度目です。本当にありがとう。

 深夜、ひとりで故人の墓参りに行く。伝えたい感謝の気持ちがあったから。暗闇の墓地は何故か心が安らぐ。

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by 山口 洋