beauty is in the eye of the beholder

2010/12/13, 13:48 | 固定リンク

12月13日 月曜日 雨 

 ようやく人間らしい暮らしを取り戻したところで、燃え尽きた感じがある。目覚めて、空を見上げる。こりゃ雨が降るな。自分の身体に聞いてみる。「走るか?」。「ゆっくりならもう大丈夫だろう」。たかが12キロ、歩くのに毛が生えたようなスピードで走ってみる。まだダメだ。どうにもならず。上半身と下半身が別の人格を持ってるみたいにバラバラだ。全身鉛のようだし。今の身体は自分の手に負えない。紹介してもらった鍼灸院に電話してみる。あいにく、今日は予約で一杯。ふむ。そうか。ならば、自分の暮らしを美しくすることにしよう。大好きなロニー・レインをかけてみる。田園風景が拡がっていく。「beauty is in the eye of the beholder」(美は見るものの目に宿る」。お腹すいたな。近所の美味しそうなハンバーガー屋に行ってみよう。実際、それは美味かったのだが、かなりブ厚いハンバーガーで、喰おうと口を開けた瞬間、くちびるのかさぶたが「バリッ」と音を立てて裂けた。ままよ。もうすぐ僕はミュージシャンに戻れるだろう。
 
 「heavenly」。物語のない人生なんてない。昨夜、一晩中「speechless」を小さな音でかけながら眠ってみた。いわば人体実験。その音楽は夢とうつつと現実を行き来するのに適していた。そのうち自分が何処に居るのか不明になる。「nowhere」で「now here」。僕の持論だけれど、優れた音楽は眠るのに適している。そして僕らの音楽は良く聞くとクドい。対峙するには少しの忍耐が必要で、その行為に慣れたなら、スピーカーの間にそれぞれの風景が浮かび上がってくる「はず」だ。僕らはそこに「espoir」、「エスペランザ」、あるいは「ひかり」を込めた。多くの人が感じているようにこの音楽はカテゴライズ不能だと思う。でも、そもそも枠にはまるような音楽ならば、やる必要もないではないか。僕らがやらなくても、代打は既に存在しているのだから。見ず知らずの人と知り合いになって、「どんな音楽やってるんですか?ロックですか?」と聞かれて、いつも応えに窮する。「あ。僕の、あるいは、僕らの音楽です」としか応えようがない。どんなに困難でも、心からの歓びと情熱を持って前に進もう。本気で何かを成し遂げたいと思うのなら、それが叶わないほどヒドい世の中に生きているとは僕は思わない。今日も何人かの友人が感想を寄せてくれた。受け取り方が様々なのが嬉しい。書いてくれて、ありがとう。

富山県高岡市から
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愛知県渥美半島から
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東京都杉並区から
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by 山口 洋