川越にて

2006/01/08, 23:00 | 固定リンク

1月8日 日曜日 曇り 

 川越にある小屋、鶴川座が100年に渡る歴史に幕を下ろすことになった。出来たばかりの小屋にはない何かがここにはあって好きだった。芸人の汗や涙や泣き笑いの名残りとか、かつて映画館だった頃の息吹とか。この世には努力しても、どうしようもない事がある。例えば、この小屋が無くなることがそうなのだけど、きっと足を運んだ人の胸の中には、それぞれの鶴川座が刻まれているはずだよ。終わりはまた始まりでもあるのだから。
集まったミュージシャンたちはそれぞれに円環を描くように音楽を奏でていた。みんなそれぞれにエゴを持った人たちなのだけれど、そんな事よりも、水の流れのような、フロウを自然に創り出していたのが素晴らしかった。こんな時、人って生き物は信じるに足ると云うことを実感する。それもこれも、鶴川座の歴史と、集まってくれた人と、何とかこの場所を残そうとフントーした人々の想いが創り上げたものだと思う。ありがとう。また何処かの空の下で。

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by 山口 洋