2006/01/15, 23:17 | 固定リンク

1月15日 日曜日 曇り 

 映像のクリエイターである友人からこんなメールが届いた。

私事ですが、
先日、先輩から今月末での解雇を告げられました。
立ち上げから参加した3人だけの会社で、今後もどういう契約形態にすれば、一緒にやっていけるかということを相談していたつもりだったので、少しびっくりしました。

社を離れることになるケースを想定してなかったわけではないですが、(結果としてそうなる可能性も高いと思っていたのですが)2週間前になって、他人のような口調で告げられたことに動揺しています。
 
 個人的感情と経営者としての立場は一致しない。いつもの僕ならこういうケースで心を閉ざしてしまうのですが、先輩の気持ちも想像して(僕の身勝手な行動に腹は立てたでしょうが、応援してくれているとは思うので)あと2週間、気持ちよく勤めようと思います。
 
 今、この時代にこのような体験をしている人々は沢山いると思う。けれど、だからと云って、彼のクリエイターとしての生命が断たれた訳ではない。「ハピネス」は人の数だけ種類があってしかるべきだと僕は思う。やりたい事に夢中になれる幸せ。僕にとって、それ以上の「ハピネス」はない。
 明日からの東京でのレコーディングに備えて、山の中で録音したものをどうすべきか、撮影した写真を観ながら考えていた。自分で云うのも何だけれど、スピーカーの間から立ちのぼってくる景色が素晴らし過ぎて、泣いた。風景の中に求めていた「切なさ」と「ハピネス」と「エスポアール」があったからだ。こんな時、人生や関わっている人々に感謝したくなる。本当にありがとう。友よ、暗闇の中だからこそ、見えてくる「光」がある。それさえあれば、きっと大丈夫さ。
 

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by 山口 洋