ツアー初日 苫小牧にて

2006/02/11, 23:15 | 固定リンク

2月11日 土曜日 晴れ 

 初日の行軍は「心配のあまり」2日のみ帯同するチビと、記録係のOとの3人での旅と相成った。千歳に着くやいなや、寒かった。我々にとっては常軌を逸してる寒さだ。でも、それもまたよかろう。14年振りの苫小牧。かつて「歌の宅配便」ってのを始めた場所もここだったし、何だか縁がある。
 今回、ポストカードを作ったから、行く先々で、いろんな人に実際に出してみることにした。それもまた楽し。
 会場のアミダ様は29年の長きに渡ってこの街で良質の音楽を提供してきた。オーナーのツルさんって人は会った瞬間にタダ者ではないな、と思ったけど、同時にこの人は人間として、とってもまっすぐな人だな、といつもの直感がそう云った。このツアーの醍醐味。それはその街の「顔」とか裏の「顔」とか、そんな人たちに会えることにある。実際のところ、小さな街で小屋を29年も続けてるってだけで、その人は並大抵じゃないのだ。
 ライブを始めた途端、びっくらこいた。何かを奏でるたび、あるいは歌うたび、ツルさんが突っ込んでくるのだ。音楽生活26年、こんなオーナーは初めてだ。でも、その突っ込みは決して無意味なものではなかった。ちょっとね、じーんとした瞬間もある。とにかく俺が彼を好きになったってことだけは間違いない。お客さんも、遠方から来てくれた人も居るし、この「店」のお客さんも混じってる。それが嬉しかった。だって、考えてもみくれ。今、都会でその小屋のお客さんが混じってることなんて皆無に等しい。実際のところ、あまりにも空気が乾燥していて(それは誰のせいでもない)、喉はボロボロに近かったけど、初日から、このツアーの醍醐味を味わった。俺、この店が大好きになったんで、「また来る」って云ったら、ツルさんに「no thank you」って云われちゃった。はは。さいこーだよ。
 このライヴの開催のために骨を折ってくれた、地元のシンガー杉本、それからBariちゃんと演奏した。それもまた、楽しかった。彼女たちの声は俺の声より、乾燥した空にとっても響いていたよ。
 何だかね、初日からこのツアーをやって良かったと思ったんだよ。オーナーの心意気、それを取り巻く人々、エトセトラ。きっと大変だと思うんだけど、東京の音楽業界が見失ってるものが、ここには確かにある。終演後、ツルさんの手料理を喰ったら、美味すぎて、ちょっと泣けた。俺が新人バンドのプロデューサーだったら、絶対この店をブッキングするね。彼が受け入れてくれるかどうか不明だけど。
 ありがとう。苫小牧。また勝手に帰ってくるから、よろしく。尽力してくれた多くの人たちに心から感謝します。ありがとう、アゲイン。多謝&再見。

 このツアー。その日のセットリストを掲載することにします。同じライヴは二度とないから。

 1. ハピネス
 2. 君を連れてゆく
 3. OLD MAN (ツルちゃんに捧げる)
 4. パラノイア・ボヘミアン・ブルース
5. 銀の花
 6. Tokyo city hierarchy
 7. 風にハーモニカ
 8 . Sweet heart / She's Hurt
 9. カリフォルニア
 10. フールとクール ( ballad of middle age)
 11. 歌を紡ぐとき
 12. Still Burning

Encore
13. I shall be released (w/杉本千恵)
14. Irene good night (w/杉本千恵)
15. unknown (w/Bari)
16. unknown (w/Bari)
17. 満月の夕

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by 山口 洋