悪癖卒業

2006/03/23, 23:35 | 固定リンク

3月23日 木曜日 曇り 

 昔から、アルバムの制作が終わったりすると(たいていマスタリングが終わった夜なんかに)、マネージャーに向かって、「俺のポケットに一万円だけ入れといてくれ、でもって、貴重品は君に預ける」と言い残して、夜の街に消えた。一仕事終えると、屑になりたくなる。訳が分からんくらい酒を浴びて、翌朝、植え込みの中で自分を「発見」したりする。つまり、酒で全部洗い流したくなる。でも、何だろ。今回はそう思わなかった。携帯電話の電源を切って(繋がらないと嘆いているあなた、ごめんね。もうすぐ復活するから)、友達と飲みに行っただけで、「もういいや」と思った。もうあんな飲み方は出来んし、第一さすがに一万円じゃ屑にはなれん。そんな事より、手紙を書いて、犬を洗って、何色か不明なものになっている車も洗って、仕事部屋を片付けて、いろんな事を片付けて、すっきりしたい。
 で、悪友様と飲みに出かけた。古いロックバーで飲んでた。いい感じだ。でも、音楽がデカい。もう俺は音楽を聞きたくはなかった。と云う割にはしっかりボトルがほとんど空にはなっていたけど。二軒目に行った。静かに飲んだ。日付が変わる前には家に帰った。今日のテーマは「うまく行かねぇのは社会や環境のせいじゃねぇ」だった。友人は新しい雑誌を立ち上げた。このご時勢で大変だと思う。でも、心から成功を祈る。

by 山口 洋