沈黙の塔

2006/04/15, 19:18 | 固定リンク

4月15日 土曜日 驟雨 

 未だ太陽は微笑まない。ずっと、ずっと霧の中。洗濯しても乾かないから、もう着るものがなくなった。生乾きのパンツって、屈辱的に気持ち悪い。
 
 昨夜遅く、ようやくひとつの曲をモノにした(はず)。山から都会に戻る車の中で、急に湧いてきてから約半年。ずっと温めていたアイデアが実を結ぶと、やはり嬉しい。山よ、ありがとう。俺が極度に集中できるのは約1時間。それを「1ラウンド」と呼んでいる。都会では3ラウンドが限界だけど、昨日は8ラウンドくらい闘うことができた。

 新しい曲に取りかかった。主人公は深夜、自室のコンピュータに向かい、世界にアクセスする。自分にログインして、朝ログアウトする。彼の頭の中には「バベルの塔」に良く似た形の、巨大な「沈黙の塔」がそびえている。いつかてっぺんまで登って、そこから見える景色を感じてみたいが、入り口さえ分からない。なんて事をずっと考えていたら、自分がその世界に完全に没入していた。宅急便のおじさんが「こんちわー、宅急便です」と声を掛けてくれた時、何が起きたのか分からなかった。つまりは生乾きのパンツと沈黙の塔と霧の世界に生きています。にゃん。

img06040013_1
by 山口 洋