ブルーの理由

2006/05/07, 22:21 | 固定リンク

5月7日 日曜日 雨 

 ボクシングの話の続き。いろんな人の意見を見たよ。ありがとう。確かに現状じゃ、誰もボクシングを観ない。それは理解してる。深夜放送された「世界戦」。素晴らしい試合だったが、場所は後楽園ホールで、あり得ないくらい深夜の放送だった。詳しくは知らないけど、チャンピオンが純日本人じゃないからなのか?でも繰り返すけど、素晴らしい試合だった。
 どの世界でもそうだと思う。音楽の世界も同じだよ。永い間にいろんな人を観てきたんだ。昔、とある芸能畑の事務所の社長って人物に云われた事がある。「君の夢はなんだね?」、「一生、音楽を創り続けることです」。「ふーん、それじゃ成功しないね、君には具体的な夢がなさすぎる。具体的な夢ってのは、六本木の交差点を曲がったところにある、あの車屋に置いてある、あの黄色のポルシェを次のアルバムの印税で手に入れたい、とかそう云うことだよ」って。幸か不幸か、今も昔も、俺にはそんな「夢」も「野望」も何もない。何をもって「成功」と呼ぶのか、価値感なんて、人それぞれでいいと思うけれど、俺のこの「野望」のなさが、人生をややこしくしてるのもまた事実なんだけどね。
 
 このところの「ブルーの理由」を自分で発見して、笑ってしまった。そりゃブルーにもなるわな。ははは。スタジオに行って、久しぶりにバンドのリハーサルをした。山で書いた曲は悪くなかったけど、歌詞も含めて、全面的に見直す必要があった。山じゃ、ずっとギターを指で弾いてて、その宇宙の中に住んでいた。でも、単純に俺のスケールが小さかった。バンドの人たちはデカかった。そのスケールが。久しぶりにバンドに負けじとピックで弾いたら、腕がつりそうだったよ。何でか、知らんが、今はエレクトリック・ギターを弾きたいとは思わない。きっとそんな時期なんだね。

by 山口 洋