言葉とメロディー
2006/07/29, 23:10 | 固定リンク
7月29日 土曜日 晴れ
多くの人に、「歌詞から先に書くんでしょう?」と云われる。そんな事はない。稀に(本当に稀に)言葉とメロディーが魔法のように同時に降ってくることがある。そんな時はあっと云う間に完成する。いつもいつも、それを願ってはいるけど。大抵の場合、漠然とした風景が目を閉じると見えてくる。そんでもって、ギターを握って、何分かの間にそれをメロディーにする。そこまでは楽しい。でも、そこからは道なき道っつーか、悪路に次ぐ悪路っつーか、その風景を言葉にするのに七転八倒する。目を閉じれば、見えるんだから、言葉にする必要はない。サントラ作ってんのは楽しい。それじゃ人には伝わらない。誰が主人公なのか、そいつは幾つなのか、性別は?性格は?その日の天気は?考えだしたらキリがない。まぁ、確かにちょっとした映画監督のようではあるが、主観と客観を繰り返すうちに訳分からなくなってくる。言葉は俺が発明した訳じゃないから、必ず手垢がついている。メロディーも同じ。100%俺が発明しました、なんてことはない。でも、それも仕方がない。ブルースだって何だって、そうやって進んできたんだから。その組み合わせと、閃きの中で、オリジナリティーを追求する。気がつくと、大量の言葉を書き散らしていて、収拾がつかなくなってくる。どんなに削っても、捨てられない言葉が出てくる。勢い、メロディーをブチ壊してまで、採用したい言葉が勝つことになる。結果、「歌詞から先に書くんでしょう?」っちゅー、質問に繋がるんだろうね。あぁ、こうやって俺の思考までループしてる。
フジ・ロックから日帰りしたのは、恐怖の締め切りが迫っているからだ。まずは俺が歌う曲じゃないからして、言葉の数がびっちり合っていなければならない。胃が痛い。でもシンプルな言葉の中にある力をずっと探している。言葉に長けている人たちのアイデアも聞きつつ、探している。年齢にいくつ差があったとしても、ある物事に対して、見えている景色はほぼ同じだった。それが不思議で、興味深かった。だから、誰もが知っているシンプルな言葉、、、、、。嗚呼、それが難しい。アーメン。
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