最終日、広島にて

2006/10/01, 23:32 | 固定リンク

10月1日 日曜日 雨 

 ライヴを終えて、飲んで、ホテルに戻る。出会った人々の事を思い返しながら、それを綴り、膨大な数のメールに目を通して、酒を飲んで無理に眠ろうとするも、結局眠れず。意識を失ってるのは、いつも朝。昼前にホテルを追い出され、飛行機か車か列車に乗って、次の街へ。空港か駅からホテルに向かい、部屋で仕事の出来る体勢を整える。たまに歌詞を書き、必ず絃を換えて、今日のメニューを考え、歯を磨いて、会場に向かう。沢山の再会があって、短いリハーサルをして、本番を迎える。俺は毎日でも友人たちは一期一会。夜の街に出て、最近は大人な酒を飲んで、ホテルに戻る。一日に無数の握手をハグを繰り返す。それが俺の日々。今日でとりあえず、今年のツアーは終わりだ。人生は一回きり。No regrets。
 このツアーは本当に一人で廻っている。マネージャーもローディーも物販のスタッフも居ない。機材も限りなくシンプルになっていく。いろいろあるより、最初から何もない方が策に溺れない。ギターとPAをつなぐケーブルは1本しか持っていない。ハーモニカもだんだん減って3本になった。チューナーなんて、そんな重たいものは持ちたくない。今回もヤイリのギターは何のトラブルもなく、俺の酷使に耐えてくれた。ありがとう。一彦も昨日はギター2本を抱えてたけど、今日会ったら、1本に、エフェクターは3つが1つに減ってた。はは、何だか笑える。誰かが、各地に友人が居ていいね、って云ったけど。本当にそう思う。日本全国、どこに行っても彼等が俺を助けてくれる。本当はひとりひとりに再会して礼を云いたい。でも出来ない。だから、音楽に魂を込める。ありがとう。君たちが居てくれなかったら、今頃、俺は路頭に迷ってた。俺は一人だけれど、独りじゃない。昨日は祝電と弔電を打った。祝いにも弔いにも行けなかった。でも仕方ない。

 目覚めたら、雨だった。それもよかろう。

 広島にて。ツアー最終日。だと云うのに、俺は観客との距離を掴みかねていた。藤井一彦が乱入してくれて、俺は何を力んでたんだろ、と本来の姿を取り戻した。ありがとう。広島もまた、多くの友人達が尽力してくれてた。本当にありがとう。それぞれの人生はそれぞれの新しい方向に向かってる。願わくば、幸あれ。結局のところ、大人しめとは云え、充分に狂乱の「ヒロシズ・ナイト」が某場所で繰り広げられ、ホテルに戻って、これを書いてるのは充分に朝だった。

 何とか、ツアーをやり終えた。出会った人々に心から感謝を。多謝&再見。

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by 山口 洋