ありがとう

2006/11/22, 17:07 | 固定リンク

11月22日 水曜日 曇り 

 山は紅葉も終わりに近づき、本格的に冬の匂いがします。数日前に、魚先生は東京に戻っていきました。風邪ひいてないといいけど。馬刺が美味かったと、メールが。そりゃ良かった。僕は東京に戻る準備と、家の冬支度をしながら、曲順を考えています。前回の更新の際に、「おっしゃーーーーーーーーーっ」と書いたけど、山にこもって、音楽だけを見つめていたミックスはかなりの修正を必要としていて、そのままイケてたのはわずかに1曲のみ。とある2曲に関しては根本から創り直すあり様。けれど魚先生の意見はしごく説得力のあるもので、この時代にエヴァー・グリーンなものを求めて、我々は作業に没頭していました。そんな中、デザインを担当している渡辺某が山を訪ねてくれ、ジャケットを見せてくれました。それはウォームなものを求めていた僕のイメージより、はるかにクールで、当初戸惑いを感じていたのですが、「ヒロシの頭の中は今、こうやろ?」という奴の言葉と共に、必然的に音楽がそっちの方向に引っ張られていきつつあります。奴はリズムを録音した後の作業を殆ど把握していなかったにも関わらず、最終段階に及んでイメージを形にして、方向づけをする。いつも我々のアルバムにproduced by heatwaveと記されている「総合的」な意味はそこにあります。
 このアルバムは曲順によって、受ける印象がどのようにも変わってしまいます。難しいところです。残された時間はあとわずか。その中で出来ることをやり尽くしてみようと思っています。ジャケットも音楽も、この時代に生きる人々のサウンドトラックとして響くように。おそらくもう一度微調整のために、音楽に向かうことになると思います。
 残念なのは、大事にしていたカメラが壊れてしまったこと。この山での日々を記録していたものは、そのまま自分の心象風景でもありました。音楽に合わせて、それもいつかみんなに見て欲しかったんだけど。

by 山口 洋