Dream harder

2006/11/27, 17:08 | 固定リンク

11月27日 月曜日 雨 

 午後8時を過ぎる頃。新子安のビクターのマスタリングルーム。尊敬する小鐵さんのマスタリングが施されて、アルバムは完成した。氏は63歳になられるのだが、若輩者が奏でるロックンロールに、これほどまでの音楽的理解を示されると、もはや感嘆するしかなかった。ちょうど一年くらい前、このプロジェクトを始める際に「dream harder」とマイク・スコットの言葉を借りて記したのだが、一年の歩みと云うものは、アイロニックなことにその言葉のままだった。はは。もう一回同じ事をやれと云われたら、「non!」と即答するだろうけど、歌の中で主人公が語っているように、後悔は微塵もない。分かれ道に立つたびに、迷わず自分たちの行きたい方向にシフトしてこれたのは、沢山の賛同、支援してくれた人々の想いが背中を押してくれたからだ。クレジットを希望した人の数1300人あまり。でも、実数はそれだけではない。それらの人々の想いが幾重にも積み重なって、このアルバムは作られた。スタジオで一通り聞き終えて、最初に湧いてきた感情は「音楽には力がある」と云うことで、それはかけがえのないもので、同じ分だけの「ありがとう」という気持ちだった。居合わせた人々と握手を交わして、久しぶりに夜の街に消えた。穏やかないい酒だった。
 ありがとう。さぁ、受け取って下さい。

by 山口 洋