コソ練

2006/12/02, 00:51 | 固定リンク

12月2日 土曜日 晴れ 

 やったことのないタイプの音楽を演奏することになって、一人コソ練に励む。珍しい。だって分かんないんだよ。難しすぎて。こうやって読めない譜面とにらめっこしながら唸っていると、いつの間にか、自分たちが音楽を作る方法を確立してることも良く分かるけど、相当アナーキーなやり方で続けてきたことが白日のもとにさらされる。通常、スタジオで録音する際には、共通言語として、アシスタント君やエンジニアには簡単なものにせよ、譜面が配られたりする。ウチの場合、その場でどんどん変化していくので、いつの間にか、そんなものを用意しなくなったばかりか、エンジニアに催促されるまで、曲のタイトルすら伝えていなかったりする。今回の場合、沢山の人が参加して、複雑な和音になってるからして、効率良く共通言語を持つためにも、譜面っつーもんは必要なんだ、と痛感。でも、頭が硬化してる俺には「おたまじゃくし」と音楽がどうしても結びつかない。モノにならなかった野球とか絵とか、そんなもんに限って、ちゃんと教育を受けてたりするのに、自分が心血注いでやってきた「音楽」は、まったく何の教育も受けてなくて、ギターを弾くことにしろ、歌うことにしろ、それを書くことにしろ、アレンジにしろ、録音技術にしろ、すべて我流と見よう見まねでやってきたんだなぁ、と。それで良かったけど、ちょっと反省もしてる。ま、何にせよ、今更じたばたしたところで、俺は破れ侍な訳だから、取り繕ってもしゃーないわけで。
 某アイリッシュ(かなりの複数)がステージでいきなり知らない曲を演奏し始める。「ひえーっ、俺、知らんぞこの曲」と云ったら、「今、知ればいーだろ」みたいな答えが返ってくる。そういう場所じゃ、相当鍛えらたからして、この音楽の中で、何がどうなってんのか、どう反応できるのかってことを楽しんでみます。かつてドーナル先生が教えてくれたんだけど「ヒロシ、どんな場所で、どんな人間と、どんな音楽を演奏したって、何も学ばないってことはないんだ。だから、何でもやってみるといい」、と。確かにそうだね。

by 山口 洋