肯定と否定

2007/01/05, 18:49 | 固定リンク

1月5日 金曜日 曇り 

 この一月あまりの間に、俺が住んでいるところから半径1.5キロの範囲で、下半身だけの死体が発見され、昨日は兄が妹をバラバラにして、ビニール袋に詰めた、と。すまんね、正月から。でも、ひどい二日酔いのような、止まっていても歩いていても、どうしようもない気持ちに襲われる。彼等とは何処かですれ違っていたかもしれない訳だし。対岸の火事って気分にはどうしてもなれない。何かがおかしい。何かが確実に狂ってる。俺はときどき、渡辺某に脅される。「ヒロシ、いつかオヤジ狩りに遭うぜ」。幸い俺は遭遇してないけど、先日某氏がヒドい目に遭ったと。彼とて、強者である。けれど、1対1ならともかく、複数とは卑怯極まりない。いわく、「今の奴らは顔を蹴るんだ。笑いながら」。俺たちがやんちゃだった頃にもそんな事は当然あった。ボコボコにされたことも一度や二度じゃない。でも、やってはいけないことと云うか、それなりの武士道と云うか、最後の理性はあったように思う。
 人を傷つけるのは簡単だ。肉体的なものでなくても、いくつかの言葉で充分に事足りる。今なら匿名のもとに、バーチャルに行える。でも、それを受けた人間は生身なのだ。決してバーチャルではない。否定より肯定を、「no」より「yes」を。それは難しいけれど、簡単だと思う。たまには明確に「no」と伝えることが「yes」の本当の意味だったりもするけれど。嘆いていても、何も変わらない。ならば、現実を受け入れて「yes」とできるだけ口にしていたい。とは云え、現実は厳しい。毎日毎日、自分を奮い立たせていると、何処かが確実に疲弊してくる。そんな時はたいていポケットにギャグを入れてる人に救われる。あられもないようなギャグに救われる。ある時期を境に、駄洒落がどうしようもなく、いろんな意味で笑えて仕方なくなる。某先輩の言葉を借りるなら、それって「何度目かの思春期」って思うんだけどね、俺は。

by 山口 洋